《1997.01》



 この店のハムを食べさせてくれたのはフーさんだった。彼の説明によると、軽井沢というのは元来金持ちの別荘族が一夏を過ごす場所だから、惣菜関係で旨い店があるのは当然だということである。

 実際に店の場所を知ったのはさらに数年後のことになる。このときは連れていってくれた仲間がコロッケを買うのに付き合って、帰り道の車内に拡がる匂いに腹の虫が鳴り通しだった。(揚げ物の販売は夕方から)

 いろんな種類のハムがあって、値段が高く感じるかどうかはその人次第だろうけど、我が家にとっては気軽にホイホイ買って帰る物ではない。それでもたまに立ち寄って、2、3種類を100か200グラムずつスライスしてもらい、家に帰ってこれでビールを呑むというのが愉しみのひとつ。
 買って帰るハムの組み合わせは毎回変わるけど、必ず買うのがゼリーで固めたサラダハム(と呼ぶのだったっけ?)。こればかりは少し厚手にスライスしないと形が崩れてしまうのだけど、量り売りだから当然反比例して枚数が少なくなる。家に帰ってから貴重品となってしまうのだ。




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