《1997.03》

1月19日




 XCスキーは年が明けてからでないと、少なくとも我が家が遊びに行くエリアではシーズンには入らない。というわけで1月の半ばを過ぎて奥日光へ行ってきました。今年は雪が少ないとは聞いていたけど・・・なるほど確かに。
 これまでXCスキー目的でしか行ったことがなかったのだけど、今回行ってみて「あれ、こんなトコだったっけ?」・・・バスの車窓から見て存在を知っていた戦場ヶ原の木道を乗用車から見ることができたし、国道と三本松の駐車場の間の土手が無くなっていたのは、あれ、土手ではなく除雪された雪だったのですね。
 三本松の園地自体も少し様子が変わって、椅子とテーブルの数が増えていました。ああ、そういえば昨年ここは林を切り開いてなにやら造成の途中で放り出したみたいな感じだったっけ。夏の間に完成していたんですね。

 さて、この日はスキーを楽しむというよりは軽く雪に触ってこようという程度の心づもりで家族総出モード。颯に近所のホームセンターで買ったオモチャのスキーを履かせたり(1480円のはフラットソールだったので、大枚1980円もはたいてステップソールのを買ったのだ)、結衣をスノーボートに乗せたりしていたのです。
 いちおう自分もスキーを履いて、幼児とはいえ子供二人を乗せたスーノーボートを引いて「滑る」のは腕と腰にきますなぁ。
 そのかたわらで、しぶしぶついてきたはずの母ちゃんが「3年ぶりなのに、覚えているものねぇ」と『歩くスキー』を楽しんでいる様子を見ると、なんだか話が逆だなぁ。そこでまぁ「30分だけ一人で滑らせてくれ」と林の中に入ってみたのです・・・。

 光徳のアストリアホテルに向かっての登りは、来月16日の奥日光XCスキー大会のハイキング5kmコースの後半部分に当たります。林の中をまっすぐにのびるルートは、雪が少ないため、両わきのクマザサが目だって、スキーで通れる幅が狭くなっていました。そこだってクマザサが雪に埋まりきれず、葉の部分がスキーにむしられて茎の部分だけが、まばらになったブラシのように飛び出しています。でも、雪自体の滑り具合はそれほど悪くはありません。こちらもシーズン初めでぎごちないけど、わりと軽く進んで行くことができました。
 光徳が近づいたところで、以前から砂防ダムの工事をしている場所があったのですが、ほぼ完成といった感じでした、両側の護岸もしっかりできて・・・XCスキーのコースが川を横切る部分は護岸の石積みが切ってあって川底へ上り降りしやすいような傾斜が残してあります。
 で、川底に降りたところでそのまま水の渇れた川を下り、逆川との合流に向かいました。例の5kmコースの前半、光徳沼から逆川沿いに滑ってきて林の中に入る場所ですので、ぼくもそれに従います。
 林の中は、雪の厚さはたいして無いのですが、いちおう雪の林を滑っている雰囲気は出ています。ここは平坦ですので、ゆっくり散歩気分で歩いてもいいですね。実際、この区間では出会ったスキーヤーが一番多かったです。
 光徳入り口から三本松にかけて国道沿いに進む部分は、ここは日当たりが良いですからねぇ、雪の中から枯れすすきやクマザサが飛び出しています。雪質もあまり良くないです。

 総じて言えば、雪は少ないけど、散歩やハイキング気分で楽しむなら大丈夫だなという感想です。過去ここに来た記憶をたどれば、3月中旬から下旬の雰囲気ってとこかな。でも、もちろん雪質はずっと良い。3月下旬じゃシャーベット状になっていたりするし、ヘタすりゃ水たまりもあるから、うっかり転んだらジーパンがビッショリになってしまう。

 ここ何日も雪が降っていないだろうに、ヘンに表面が凍りついてもいず良い状態で残っているのはなによりだと思いましたが、このまま1月下旬から2月にかけて大勢のスキーヤーが訪れると荒れてしまいそうです。2月16日には大会もありますしね。それまでにあと2回くらい降ってほしいものです。

 ところで、ぼくの腕前を知っている人なら「足の遅いオマエがよくまあ30分であのコースを回ってこれたもんだ」というかも知れませんね。
 実は、ショートカットしてもやっぱり約束の時間を大幅に遅れて戻ってきたのですよ。そこでぼくを待っていたのは、泣き続ける二人の子供と途方に暮れた母ちゃん・・・雪に濡れた体が冷たくなってきたところに父ちゃんの姿は見えないし腹はへってくるしで泣き出したようで、「周りの人からはジロジロ見られるし・・・」と母ちゃんは気まずい思いをしながら立っていたとか。クルマに入っていれば良かったのにと思ったら、なんと鍵は父ちゃんが持っていた。うへぇ、申し訳ない!

 なんとかなだめて食事を済まし、機嫌を直したところで温泉に入って帰ってきましたが、子供ってのはケロリとした顔で「もっと雪で遊ぶ」って言うんだよね。まったく、もう。
 家に帰って気づいたのは母ちゃんと颯のポールが無くなっているとということ。よくよく思い出してみれば、これはクルマの屋根に載せきれなかったので、最後に荷室に入れようと、他の荷物を積む間スキーラックにバインドしたスキーや自分のポールの上に載せておいたのですね・・・忘れてそのまま発進したみたい。すぐにハンドルを右に切ったりブレーキテストで急制動をかけているから道路に出る前に落としたのだと思うけど、落とした際に他人を傷つけていないことを祈ると同時に、次回訪れるときにまだ落ちていることを願っているのです・・・無理かな。
 ま、この日の母ちゃんのフォームを見ていたら、もっと長いポールを使わせた方が良さそうだったので父ちゃんの140cmのポールを譲ることにして、あと、颯のは・・・結局父ちゃんが週末にスキー屋さんのバーゲンでジュニア用のポールを買ってきたのでした。

 そうそう、話は前後しますが三本松を出た後、光徳にもクルマを回してみたのですよ。車窓から見た印象では、こちらは森が深い分だけ状態は良いような気がしました。でもまあ実際にコースに入ったわけじゃぁないから、場所によっては地肌が見えているところもあるかも知れません。

 とまあ、「外は寒いだろうなぁ」と最初は億劫ですが、一度行ってしまえば弾みがついてしまいそうです。今シーズンは他の予定と重なってなかなか雪原に出られないと覚悟を決めているのだけど、なんとかやりくりして・・・さっそく次の土曜日に父子モードでの出撃を考えていたりします。