《1997.03》

2月11日




 一度腰を上げたら調子に乗ってホイホイ出かけています。さて4回目は小雨の中の出発でした。ま、山のあなたの空遠くは空が明るかったので楽観して走っていったのですが、いつまでたっても頭の上が明るくならない。ぱらつく雨の中、銅山街道を走りながら時折やってくる対向車を見ながら覚悟を決めたら、やっぱり栃木県に入ると雪でした。

 今回も父ちゃんのソロでしたが、ナオさんと一緒に遊ぶつもりで、同じ頃に現着できるかなあと家を出たのですが、途中いろいろあって遅れ気味です。

 足尾は普通に走れたけど、いろは坂の下まで来たらシャーベット状の路面のところどころで履き古したスタッドレスタイヤが空転し始める・・・まずいなぁ。  家に電話してみてもナオさんからの伝言は届いていないというし、雪が強く降ってきたし・・・このまま引き返すにしても、こちら側から日足トンネルを越えるのに不安を感じたので(坂が急で、積雪が多かった)チェーンを巻き、どうせ巻いたのなら前進してみようといろは坂を登り始めたところに無線機からナオさんの声。
「ええっ、まつおさん、登ってるのぉ!?」

 てっきり先に行ってると思っていたのが、今やっと坂の下に着いたところだって。う〜ん、あと10分チェーン巻きに手間取っていれば良かった。いろは坂は一方通行だから引き返せない(それぞれ別ルートで2本の坂道があるのですヨ、地図が手元に無い人)。
 坂の途中で落ち合って、仕方ないからいったん上まで登り、そのまま下ってきました。三本松まで行くだけ行って、いちおう板を履いてみようかという案もあったけど、まるで雨のようにザーザー降ってくるビーズ玉のような雪の中で却下。

 いろは坂の下りも劇的な出来事がありました。
 坂道を下り始めると、一方通行を逆走して戻って来るクルマがいる。しばらく下ると先行者が次々と停止し始めるので「さては事故で道がふさがっているのか」と思いながらこちらも停車。もちろん父ちゃんの前を行くナオさんも停車・・・できない。なんと最徐行の状態から停止しようとしても、自重で凍った坂道を滑り落ちて行くのです。ハンドルを切り、カウンターを当ててみても、タイヤのグリップが得られないのだからどうにもならない。ああ、前のクルマに追突する・・・ナオさんが鳴らすクラクションに気づいた先行車がさらにその前で止まっているバスの脇に出て、そこでようやくグリップを取り戻したナオさんのノマドが停止できたのでした。あのまま滑っていたら、今度はバスに追突していたかも知れない。
 その少し先の急坂+急カーブの手前で2台の乗用車が停まっていました。どうやらこの2台が・・・いや、ぶつかった様子がない。聞いてみると、下りのカーブでクルマが勝手に滑り出すのでこれ以上下れそうもないと立ち往生しているのでした。チェーンを巻いているのに、ですよ。
 クルマをここに置いて、歩いて上まで戻ろうか、レッカーを呼ぼうか、でも来てくれるかなぁなどというのを聞きながらナオさんもここでチェーンを巻きます。
 折良くここで除雪車がやってきたので、その後はなんとか普通に降りてこれたのですが、いやはや思い出したらおっかなびっくりでありました。

 で、スキーを欠かしてもここは欠かせない『やしおの湯』へ。今日は時間がたっぷりあるからね・・・風呂に入って生ビール飲んで、もう一度風呂に入って酔いをさまして・・・あれ、なんだか良い天気になってきたね。
「でも、日光市街とここ(清滝)と中禅寺湖では天候が違うからねぇ」とナオさん。
「そうか、じゃあ、やっぱり今日はやめて正解だったんだろうね」

 そのあとまた天候はおかしくなり、帰路の群馬県内は玉木屋で山菜そばを食べた後は土砂降りの雨。真っ暗な中に一条の稲光。平野部でようやく明るくなってヘッドライトを消したけど、今度は強風。いやはや、とてもスキー帰りとは思えなかった。いや、スキーはしなかったんだ。

 ま、これで日曜日の大会は雪の量の心配はなさそうなので、あとは当日の天気と道路状況ですな。時間に余裕みて出かけようっと思ったのでした。

 今シーズンのXCスキーはこれで2勝2敗。