6時半に目が覚めたというのに、家を出たのは例によって8時過ぎで、それでも最初流れが悪かった道も日光が近づくにつれてすいてきて、三本松に着いたのは10時半。なるほど、クルマが少ないわけだ。車窓から見た限りでは、戦場ヶ原の雪はずいぶん減っていて、三本松の園地ではかなりの範囲で土が露出していました。
でも、そんな中でも輪になって初心者レッスンをしているようなグループがあり、林の中に入れば雪はありそうな期待が・・・駐車場がいっぱいなら戻ってくるつもりで光徳の様子も見に行ったところ、そこには信じられない光景がありました。
駐車場にクルマが10数台しか停まっていない! これまで春分の日にここに来た年は何回かあるけれど、こんなにクルマが少ないのは初めてです。雪も思った以上に残っていて・・・もっとひどい年だってあったし・・・今日は好天気で風も無い。静かで落ちついた時間を過ごせそうです。ソウハ ウマク ユカナイケド
昼食は林の中で食べることにしてコンロと水をデイパックに。素早く取り出して使いたいカメラはウエストバッグに。カギはポケットにガキは・・・そう、今日は子連れモードで颯と二人連れなのです。いちおう子供用の背負子(「子供が背負う」ではなく「子供を背負う」ためのもの)を持ってきているけど、すでに背中は予約済みだし、こんなの背負って滑ったら大汗をかいてしまう。
でまぁソリに乗せて引っ張って行くことにして、そうなるとアストリアホテル裏手のアップダウンのあるコースはしんどいだろうなぁと想像がつくので、光徳沼周辺の平坦なところで遊ぶことになります。
道路を横切って光徳牧場の柵のところでスキーを履き、沼に向かって緩い下りを滑ってゆくと颯は大喜びです。沼から逆川が流れ出すところへ行き、最初は小さな斜面を使ってソリを滑らせて遊んでいたのだけど、これじゃあ親がスキーを楽しめない。何回か滑った後、例の逆川に沿って国道に向かう林の中のコースを滑ることにします。むむむ、牽引者の負担が大きいかな。
でも、最初に林の中に入って行く小さな登りは失敗したけど(居合わせた人が助けてソリを引き上げてくれました。ありがとう)、その後のギャップは勢いをつけて下った余勢で登ることができたのでやれやれです。
しかし、右手一本でポールを突いて、左手で子供の乗ったソリを引いて行く姿は途中で出会ったスキーヤーたちにはずいぶん珍妙に見えたことでしょうね。
せめて国道が見えるところまで行きたかったけど、食い意地の張った颯がうるさくなってきたのでコースアウト。この野郎、3歳児だからとなめていたらカップ麺をペロリと一個食べやがった(奴のを半分取り上げて、自分は一個半食べるつもりだったのに・・・)。
で、食べ終わったら今度は「温泉おんせん」と念仏のように唱えるので、もやは前進は無理と判断し、クルマに戻ることにしました。ときどき強くソリを引いて勢いをつけてやったりして二人で笑いながら林の中を滑って。光徳沼から駐車場までの今度は緩いけれども長い登りは・・・さすがにここは歩かせました。
そんなわけで、滑った距離は短かったけど、すっかり楽しんで帰ってくることができました(もちろん、温泉に寄って)。
流れるように、とはいかないけど、子供の乗ったソリを引いていても苦痛にならない程度にはよく滑りましたし、雪の量だって、行った範囲では不自由しなかった(逆川に流れ込む砂防ダムの光徳側の土手は相当土が見えていたなぁ。あそこからアストリアホテルまでも雪がところどころ剥げているだろうなぁ)ですからね。
それに、雪が締まっているのでコースアウトしても沈み込まないし、たいして寒くもない・・・ハイキング気分で楽しむには「束の間のベストシーズン」なのかも知れません。
今度の週末、コースを選べば月末くらいまでは楽しめるかな。そう思ったけど、こちらはこの後の休日は別のことに使うので、冒頭にも書いたようにこれが今シーズンの滑り納めになってしまうことでしょう。
帰りに再び三本松に寄って、ゆばを買いに入った土産物屋のご主人に「今年はもうおしまいだねぇ」と話したのですが、考えたら、お店の人にとってはこれからが本格的シーズンなんでしょうなぁ。スキーヤーの目には無惨に見える目の前の黒い土も、春の息吹を伝える大地の色なんですよね。
それにしても不思議なのが、往きのクルマの中であれほど身体中がダルくて痛かったのが、帰りはすっかり何ともなくなっていたということ。つくづく人間は感情の生き物だと思いましたねぇ。