天気予報は大当たりぃ! |
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と、喜んでいる場合ではないのであった、今回は。
週末の天気予報はかんばしくなく、それでもまだ土曜日の方が午前中は雨が落ちてこないだろうと、早朝家を出る。空はどんより曇ってはいたが、とりあえず浅間山はくっきり見えていた。だがしかしBUT、ペアレントさんのクルマに荷物を移し替えて高峰高原へ登って行くと、かすかに雪がちらつき始めた。ううむ。
今回のメンバーは 小諸YH のペアレントとヘルパーのHさん、それにぼくを加えての3人・・・Hさんは今シーズンのXCはこの日が初めてなんだそうで、なんかこう、このままシーズンが終わったら気持ちが収まらないぞという悪あがきにペアレントさんを付き合わせたみたいな形なのである。
池の平の方は雪融けが進んでいるだろうから、こっちに行きましょうという判断で、北向きの林道を通って水の登(みずのと)山方面へ。知る人ぞ知る、10年前にぼくがスキーを折った現場である(^^;) あの時は吹きだまりのようなところに突っ込んで、スキーを抜いたら先端だけが突き刺さったまま残ってしまったのだが、今回は積雪が少ないので突き刺したくても吹きだまりが無い。やがて林道に雪が無くなり通行不能になってしまった・・あれ、なんだか話が逆だな。世間一般では雪があるから通行不能になるのが常識なのだが。
仕方ないから少し引き返して林道を群馬県側に進むことにする。アスファルトの上にうっすら雪が積もっている下り坂なので、放っておいてもグングン滑ってゆく。わはは、快適快適。
しばらく下って、ここもまた雪が途切れかけるあたりから、今度は林道の山側の林の中を歩いて戻ることにする。木々の間を縫って斜面をトラバースしながら進むのだから、雄大な展望とか滑走を楽しむというXCスキーではなくなる。鳥のさえずりに耳をすませ、雪の上に残された足跡の正体に思いをはせるという、言ってみればネイチャースキー的な楽しみになって、これはこれで悪くはないのだが、だったらもう少し短いポールを持ってくるのだった。グリップの位置が肩の上まであるポールは、さすがにこういう場所では使いにくい。家を出る時にチラッと迷ったのは、この予感だったのか。
林の中とはいえ勝手気ままに歩いているわけでもなく、いちおうルートが出来上がっている。おそらく、山仕事に入ってくる人や、登山やハイキングで迷い込んだ人たちの踏み跡で作られたのではないかと思うような道があり、雪で埋もれた後もペアレントさんやXCを楽しむ有志によって赤や黄色のテープでルートが示されている。
それに、斜面を下れば先ほどの林道にぶつかるはずだし、耳をすませばスキー場のリフトの合図音が聞こえてくるので、よほど天候が崩れない限りは地理不案内な人の単独行でも大丈夫、かな。我々一行は、最初の赤いテープを見つけるまで少しまごついたが(^^ゞ
時々雪の上に落ちていた黄土色の塊はウサギの糞なのかなぁ。足跡が縦横に入り乱れて残された場所に中心では、笹の葉がちぎられていた。ああ、これを食べていたんだ。そういえばこちらもそろそろお腹が減ってきたぞ。
風の来ない静かな谷間に降り、倒木に腰掛けて昼食。そして再び林の中を進む。しかしルートがあるといっても、雪の量も減っているので切り株や下草の笹を避けたりしなくてはならない。木立ちの切れ目からスキー場のゲレンデが見えるようになり、やがてスキー場の入り口で林を抜け出す・・・と、雪が本降りになり、霧も出てきた。スキー場からは一部のリフトの運行停止のアナウンスが聞こえてくる。帽子やリュックはどんどん白くなってゆくし、ここでスキーを脱げば駐車場はすぐそこである・・・さて。
「どうする? せっかくだから峠まで行ってみようか?」
こう切り出したのがペアレントさん。むむむ、ひょっとしたら悪あがきに付き合わせたのではなく、この人が先頭切っていたのかも(^^;)
ともあれ再び林の中に入って車坂峠まで登ってみることにする。しかしまあ、標高差だけなら大した事はなく、車道をクルマで走れば1、2分の場所なのであるが、山の斜面を通って行こうというのはなかなか険しいものがあった。
「ねぇ、ここはひょっとして崖の途中でたまたま雪が引っかかって積もっているところじゃないの?(まさか、ね ^^ゞ)」
「雪が無かったら、こんなとこ歩けるとは思わないだろうね」
そればかりではない、新雪がスキーにくっついて、前歯の欠けた口で食べた棒アイス状態。Hさんは急斜面で直滑降のポーズをとって静止してみせる。写真を撮るには楽だなぁ(^^;)
車坂峠にある黒斑(くろふ)山の登山口までやって来て「目的達成」・・・今日の目的って、いったい何だったんだろう? 林の中をのそのそ歩く、その行為自体がとても楽しく、きっとそれが目的だったんだ(^^)
クルマに戻り、高峰高原から降りてくる途中で雪は雨に変わった。そしてそのまま夜を迎え・・・
「今朝は上も雨だったよ」
日曜日、スキー場まで人を送ってきたペアレントさんがそう報告した。
「でも、雪そのものの状態は昨日よりいい雪だったんだけどね」
決して消化不良ってわけじゃないけど、もう一回くらい滑りに行けるんじゃないか。そう思い続けながら終わるシーズンってのも悪くないな。
そんなことを考えながらペアレントさんとHさんに別れを告げる。YHの玄関先のプランターではクロッカスが花を咲かせようとしていた。
元来は細身の板が好きなのだけど
こういう遊び方をする時は
少し短めで幅広の板が
欲しくなってしまう