《2002.07》
 いきなりスタンプ狩り〜 

 我が家の愛車、風4号Breezingの走行1万km達成記念(って、たまたま前日そうなっただけなんだけど)・夏の海水浴お泊り旅行は、新潟県村上市でありました。
 でもって、毎度予定した時刻には出発できない我が家のこと、今回家を出たのは5時間遅れ・・・いえね、数日前に颯が38度超の熱を出したんですよ。医者に連れて行ってなんとか前日には平熱に戻ったのですが、果たして・・・。これまで何度も出かける前に子供が病気になるという危機に遭遇して、そのたびに何とか出かけてしまった我が家ですが、さすがに今回お母ちゃんは7割方諦めていて、医者が言えば父ちゃんも断念するだろうと、出発予定日の朝、父ちゃんが颯を医者に連れて行って判断を仰ぐということになったのです。さて、お医者様の宣告は・・・
「(列車などではなく)クルマで行くんでしょ? だったら大丈夫じゃないですか。(颯のほうを向いて)良かったな、間に合って」

 ジャーン! 行けるぞぉ! 家に戻る5分の時間ももどかしく携帯電話で連絡を入れ、母ちゃんと結衣に支度をさせて出発です。カーナビの「ルート計算」のボタンを押して、さぁ、出発!
 ・・・あれれ、なんかカーナビが示す進路が変だな。どうも新潟とは逆方向に向かわせているような。なんと、カーナビは館林ICから東北道を走るように指示していたのです。郡山で東北道から磐越道へ。安田ICで一般道に降りて新発田経由で村上を目指せというのがカーナビのお告げなのですが、本当にそれでいいのかなぁ。まぁカーナビは時に固定観念に凝り固まった頭では思い浮かばないコースを提示してくれるものですが、それでも新潟行くなら関越道だよなぁ。これまで東北道を走った経験では、ようやく那須あたりに着く頃に、関越道なら新潟に達しているような気がするぞ。それで新潟市内に経由地を設定したら、ようやく本庄児玉ICから関越道を使うルートを示してくれたのでした。
 もっとも、ひょっとして意外や意外、東北道・磐越道経由のほうが・・・とも思ったので後でよく確かめたら、やっぱり関越道経由のほうが80kmくらい距離が短くなるのでした。なぁにが「距離優先でルート計算」だ(でも、それくらいしか違わないのか、とも思ったね)。

 本当は5時に家を(ただし実際には6時になるだろうと織り込み済み)出て、今頃たぶん新潟の水族館でイルカのショーを見ているだろうなという時間に出発。ここで慌てても遅れは取り戻せっこないので、これは初日から欲張ってあちこち寄り道せずに行きなさいという天の配剤と思うことにして、本日は移動日ということに徹しますか。
 7月27日の土曜日というのは、夏休みに入って最初の週末は前週だったし、メーカー系に多い夏休みはたぶん来週あたりだろうという谷間を狙ったのですが、これが奏功したのかスイスイ走って新潟までやってきました。
 手持ちの地図よりも北陸道が延伸しているらしいのですが、新潟バイパスの流れもいいとのことなので(わざわざ電話して問い合わせてくれた黒崎PAのインフォメーションのおばさん、ありがとうございました)新潟西ICで高速を降りて都市高速風の新潟バイパスを走ることにします。豊栄の先から海沿いに走るつもりだったので、この先やや内陸部を進む北陸道よりも便利だし、なにより無料だもんね。
 そして、休憩に立ち寄った道の駅『豊栄』で今回のドライブの目的が湧いてきてしまったのです。

ここで今回の旅の性格が決まった
(写真をクリックしてみてください)
 新潟・富山・石川の北陸3県の道の駅(全部で47あるんだそうです。赤穂浪士か?)の合同企画でスタンプラリーを実施しているというポスターが目に入ったのです。夏休みを中心に、こういう企画って多いんですよね。まぁ今回の旅行は新潟市までの往復は高速道路を使うし、瀬波温泉に的を絞っているので、スタンプラリー向きではないのですが、ラリーに参加しなくても単に記念になればと売店で専用のスタンプ帳を子供たちに買い与えたのです。
 さっそくスタンプを押しに走っていった子供たちから少し遅れてインフォメーションに行くと、係りのおばさんが母ちゃんに向かって熱心に話している。どうも、我が家が村上に行くと言ったら、それなら是非スタンプを集めなさいと勧めているようです。 「このまま7号線を行くと、『加治川』でしょ、国道から5分くらい入るけど『胎内』、その先が『神林』、村上を通り過ぎて『朝日』までいっても20分くらいで戻ってこれるから。せっかくだからスタンプ集めてゆきなさいよ」
 どうも、一昨年の外房と同様、このあたりも道の駅の密集地のようです。
「でも、この先で海に沿って(R113)走って行こうと思っているから・・・」
「あら、今日は土曜日だから海水浴の人で海沿いの道は混んでいるわよ」
 それもそうだな。どうせ2泊して月曜日に戻ってくるのだから、そのとき海沿いを走ってもいいかな。どうも父ちゃんは海を左側に見ながら走りたがる癖があるのですが、この道は海岸線ギリギリを走るわけでもないので、そこまでこだわることもありません。
 というわけで、半ばインフォメーションのおばさんの勢いに呑まれてちょっと遠回りになるけど、それはそれで中途半端に早く着きすぎずにいいかと7号線を走ることにしたのでした。

道の駅はもうすぐだ!
道路脇のはシャッター式の防雪フェンスらしい
 走ることにしたのはいいけど、1桁国道の、それも新発田なんて市部はファミレスやスーパー、カジュアル衣料など、見覚えのあるロードサイド店が立ち並んでいて、旅先にいる気分が全然出ませんなぁ。それでも加治川まで来ると越後平野っぽい雰囲気がしてきました。
 道の駅『加治川』でスタンプを押し、さらに先へ。疲れが出たのか颯は眠ってしまったし、お母ちゃんもウトウト。スタンプラリーというと張り切る結衣だけは目が輝いています。そうそう、結衣が以前「スタンプラリー」を間違えて「スタンプ狩り」と言ったときは、むしろその方が合っているなぁと皆で笑ったものでした。スタンプを押すこと自体が目的になって、休憩とか観光とか学習なんて忘れちゃってしまうもんなぁ。

 次の『胎内』は7号線からちょっと山あいに入ったところにありましたが、これが道の駅なのっ? てところでした。村営の『胎内グランドホテル(名前はすごいが、ちょっと古びた建物)』ってのがそのまま道の駅になっていて、気軽に入って行っていいのかなという感じでした。玄関ロビーというより靴脱ぎ場と呼びたいところにスタンプが置いてあったのを押してきたんですが、ある意味では、こういう既存の施設で「どうぞトイレを使ってください。休憩していってください」というホスピタリティを発揮するのが道の駅の精神にふさわしいのかもしれませんね。
 ここからさらに山の中に入って行くと『昆虫の家』とか『クレーンストーン博士の館』などと面白そうな施設があるそうで、天気が悪くて海水浴ができないときは、こういうところに寄るのもいいかなと事前にチェックしてはいたのですが、今日のこの時間に寄って行くのは時間がきついかなぁ。ちょっとだけ山の中の木陰の雰囲気を味わって国道に戻ることにします。

ぺたん。ゲットしたよ〜
 『神林』で4個目のスタンプを押し、豊栄のおばちゃんのお勧めだと次は『朝日』なのですが、颯も病み上がりで疲れたことだろうし、明日あさってと元気に遊ばなくてはならないので進路を海に向け、瀬波温泉の宿にチェックインすることにします。

 で、このままスタンプラリーの話を続けることにして、翌日の夕方に『笹川流れ』という道の駅に行きました。事前に写真なんかで見たらカッコ良いところで、すこしゆっくり休みたかったのですが、時間も遅くなってしまったところに、混んでいてクルマを停める場所が無い状態(この道の駅はJR羽越線の駅も兼ねていて、駅周辺には民宿も多く、海水浴客でごった返していた)。仕方ないから駐車場の通路に父ちゃんが待機している間に母ちゃんと子供たちがスタンプを押しに行ってきたわけです。ちょっと残念。

 さらに海岸線を北に進んで、実はその前に遊覧船に乗ってきたのですが、船から見た景色を今度は陸から見ようという目論見なのですけど、海水浴シーズンの日曜日の夕方だったもので、路上駐車の海水浴客が帰り支度でウロウロしていて走りにくいったらありゃしない(そこかしこの入り江が海水浴場になっていて、いちおう駐車場が用意さてはいるのだけど、あふれて路上駐車しているのも多いんです)。
 まあ、このまま先に行っても国道7号に合流するのだけど、その手前で国道に出られる道があるので寒川という集落で県道に右折。最初は「なんだか信州の田舎を走っている雰囲気だね」と鷹揚なことを言っていたけど、山の中に入るに連れて道はだんだん細くなり、対向車がきたらどこですれ違おうか悩むような狭さに・・・
「ウチって海に来てもやっぱりこんな山越えになってしまうのね」
 母ちゃんの言葉は核心を突いているなぁ。
雪が降ってきた(新潟ふるさと村)
 で、葡萄山の中腹で国道7号に出て、こちらを通って村上に戻ることにする狙いは前日寄らずに来た『朝日』のスタンプをゲットすることでした。ここが立ち寄り温泉とか郷土玩具の資料館とかが併設されてまして、なかなかに面白そうなところだけど、これまた残念、見てゆく時間が無い。まぁ今回の旅の本来の目的は海水浴なんだから、あまり欲張ってはいけないと言い聞かせているんだけどね。

 さて、最後のスタンプは新潟市内に戻って『新潟ふるさと村』でした。その前に水族館に寄っていたので遅めの昼食を食べ、お土産を買い、さぁ最後にスタンプを押して帰ろうとしたのですが、「アピール館」の展示にすっかりハマッてしまいました。子供たちも面白がってもっと見たいと言い出したりして、気がつくと時計の針が・・・。

 あまり欲張ってはいけないと言いながら、スタンプラリーにかこつけて、いろいろ駆け巡ってきた2泊3日の旅でした。