延べ20km、関東地方のニュースです |
---|
冬とくればXCスキー、XCスキーとくれば『奥日光XCスキー大会』と話が展開するのが毎年お決まりのパターンで、今年もそうなってしまいます(^^ゞ
目次から読み返してもらえば判るけど(と、自分でも読み返して再認識しました)、ここ数年、我が家は父ちゃん+家族の誰かという形で参加しているのですが、今年もエントリーで悩みました。母ちゃんも颯も出たがっている。かといって結衣を一人で残せない・・・ええい、こうなったら家族全員で出てしまえ!
昨シーズンの最後に結衣も「ハイキング5km」と同じコースを、しかもオモチャのスキーで踏破しているので大丈夫でしょう。本人もすっかりその気になっている。颯は調子に乗って10kmコースに出たがったけど、彼の技量じゃまだ後半のアップダウンは無理。で、母ちゃんに子供2人を預けるのも負担が大きいので父ちゃんも5kmコースにエントリー、4人連番でのエントリーとなりました。(今年の名簿では「所属」の欄がなくなっていて、「とどまつハウス」というのを並べようという目論見は成功しなかった)
2月8日に今シーズンの初滑りに行って、結衣にもちゃんとしたスキーを借りてやって本番のコースを完走。22日にも出かけて行って林の中や下り坂を滑ってきました。
さて、3月2日、大会当日。いつもは朝8時頃のこのこ家を出る我が家ですが、さすがにこの日は6時出発です。前日の悪天の名残で風が強いですねぇ。バス停の標識がひっくり返っていたり、自動販売機の脇にあった空き缶入れが道の真ん中に転がっていたり、パトカーや消防車が停まっているのは電線に何かがひっかかったのでしょうか? いろは坂では除雪車が雪ではなく道路に散乱した枯れ枝や落ち葉を掻き集めていましたが、後で知ったところによると明け方まで通行止めになっていたらしい。
ひえ〜、転びそう
でもって三本松の駐車場にクルマを入れたら一面ピッカピカの銀盤状態。思わずブレーキを踏むと、そのままツツーッ。これで他のクルマを弾き跳ばしたらこれが本当のカーリング・・・なんて洒落ている場合ではなく、とりあえず無事に駐車。でも、不用意にクルマから降りるとそこでまた転びそう。おっかなびっくり完全無欠のへっぴり腰で三本松茶屋まで歩いて行ってスキーを借りてきました。親父サンによると前の日は雨だったそうで(てっきり雪だと思っていたのだけど)、それが今朝の晴天による放射冷却と吹き抜ける風でツルツルのカチカチに凍ってしまったらしい。
身支度を整え、スキーを持って大会本部が用意したバスでアストリアホテルへ行ったのですが、なんか雰囲気が今までと違うんですねぇ。
ここも前日の悪天でコース上に落ち葉や枝が散乱してコース整備に追われていて、競技会が1時間半遅れるというアナウンスがしきりと流れていたのですが、そういうアクシデントによるものだけではなさそうです。まず気が付いたのは、主催者の東京新聞が毎年無料配布してる『岳人』が無い。今朝の『東京中日スポーツ』しか配っていないのです。続いての大ショックが、協賛企業のトップが佐川急便だということ。だって、参加者募集のパンフレットには載っていなかったんですよ。いつものように東武鉄道と東武興業がトップだったのに・・・ゼッケンに刷り込まれたスポンサー名も佐川急便となっていました。去年、この大会の存続が厳しいという話を聞いていたけど、スポンサーも減っているのかなぁ。
そうだ、抽選会だ。ロビーの吹き抜けの上からガラポンの音が聞こえてきます。壁の貼り紙には11時からと書いてあったけど、行ってみたら「構いませんよ」とのこと。で、結衣が回してみたら何等なのか判らないけど、でも割と上位と思える色の玉が出ました。それを見て係のおばさんはハッとした顔になりました。なんと、該当する商品が無いのです。用意できてない? 出尽くした? 困った困ったと言いながら「じゃぁこれあげましょうね」とUFOキャッチャーの景品みたいなぬいぐるみを二つくれました。本当は何が貰えるのか訊ねたら熊のプーさんのタオルらしいです。父ちゃんも何か変わった色が出たのですが、これまた本来の景品ではなさそうな携帯ストラップやフリースの膝掛け(これ、去年も貰った。たぶんダイソーで売っているやつ)なんか貰って、なんかこう、あのおばちゃんの一存で適当に賞品を決めているような印象ですね。腹を立てるほどではないのですが、こういう細かな不手際が重なって、去年までとは違うなぁという印象が一つずつ具体的に裏付けられてくるようでした。そういえば抽選コーナーの隣りで毎年スポーツウェアを売ってたけど、今年は無かったな。
家族4人で行動しているせいか、たいして時間を持て余さずにハイキングの部のスタート時刻が迫ってきました。スタート地点の光徳牧場に行ってみると、ちょいと参加者が少ない感じです。今年は15kmの部が無くなったので、そのぶんの参加者が10kmにエントリーしてくるかと思っていたのですが、それほど10kmの参加者が多いという雰囲気でもないですね。それどころか、気が付いたらすでに10kmの部はスタートし終わっていました。いつもの盛り上がってくる緊張感はどこへ行ったんだ。ヘリコプターも来てないぞ。
強風に押されて転んでしまった
さて、続いて5kmの部のスタートです。牧場出口で集団に巻き込まれないように最後尾から出発したので、これまたスタートの合図がよく判らずに、前の人が歩き始めたから我が家も行きますか、ってな感じですね。大会そのものの雰囲気も違っているけど、初めて家族4人で参加したってことで、父ちゃんの気構えもいつもと違っているみたいです。
出発前の作戦会議(んな大袈裟な)では、子供たちのペースに合わせて、特に結衣は大勢の人の中でパニックになるかも知れないから、そのへんガードしながら一団となって滑って行くつもりだったのですが、その結衣が一人でスイスイ滑って行くではありませんか。小さな子供の多くがそうやるように両腕をぐるぐる回すようなストックワーク(父ちゃんは「クロール走法」と呼んでいる)で元気いっぱいです。颯はわりとキチンとしたフォームで着実に滑って行きますが、スピードの方はそれほど出ていない。母ちゃんはといえば、気持ちは焦れども前の人にコースを塞がれ、かといって追い越せるほどの瞬発力も無いし(5kmの部にエントリーしてこのあたりの位置で滑っているような人は、皆だいたいこんな技量なのです)で、後ろから前に出てこれない。
さて、父ちゃんは誰に合わせて滑ればいいのでしょう?
休憩かたがた母ちゃんを待って声をかけ、続いて颯を追いかけることに。光徳入口のバス停付近で追いつき、二人で道路を渡ります。今日は関係者のクルマに限られているとは思うのですが、それでもクルマが通る道を横切らなければならず、その交通整理やアルファルトの上に雪をまいたりと運営スタッフのご苦労が毎年大変な場所なのですが、なんか今年は人の配置が少ないような、スタッフの注意力が散漫なような、通り過ぎたときにチラッとそんな感じがしました。もちろん、父ちゃんが通り過ぎたその瞬間だけそう感じられたのかもしれませんが。
母ちゃんはちょっと遅れ気味
道路を渡り終えた後「もうすぐおかぁが来るから、ここで休んでいれば?」と声をかけて結衣を追いかけてみることにします。ここから三本松まで一は直線。景色が開けて男体山が綺麗に見えるし、スタートしてからそろそろ頃合いということで立ち止まって休憩する人が目立つ場所でもあります。もひとつ、風が強いと辛い場所だけど、スタート時こそ強風だったものの、ここではそれほどでもなかったです。
コースから外れる人戻ってくる人をかわしながら頑張って滑ったのですが、とうとう結衣には追いつけませんでした。いったいどこまで行ったんだろう? 諦めて父ちゃんも休憩しながら颯たちを待つことにします。
颯や母ちゃんを待ちながら考えた。このまま結衣が一人でゴールしたら、滑っているうちは夢中だからいいけれど、気が付いたら一人ぼっちという状況では、あいつきっと泣くだろうな。それにこのままじゃ結衣が滑っている写真は撮らずじまいってことになって、あとで自分のが無いって泣くだろうな(父ちゃんのだって無いのだが)。
ここまで来ればあと半分、でも登り
やがて颯と母ちゃんが一緒にやって来て、どちらがどちらの面倒を見ているのか判らないけど、これなら二人でゴールできるでしょう。追いつけるかどうか判らないけど(結衣が休憩していないとすると10分以上先行しているはずだ)、とにかく追いかけてみることにして光徳に向かってコース後半に一歩を踏み出します。
このコース後半って、ほぼ全域登り坂なんですよ。颯がまだ赤ん坊の頃は背負って滑ったもんだけど、今じゃ無理ですね。それでもここ数年、父ちゃんは緩い登り坂をたいして疲れずに滑って登るコツをようやく身につけて(XCスキー歴20数年です)、えっさかえっさか登って行くと、さすがの結衣もペースが落ちていたのか、このコース一番の難所、川を横切る手前で追いつくことができました。
ここではちょっと大きな土手を下るわけで、難所といってもそんなに急坂ではないのですが、林や平地が主体のこのコースを滑る初心者には恐怖感が湧いてくるところです。ウチの子供たちは前に来たときにここを面白がって(子供はこうだからねぇ)何度も滑っていたので、結衣は怖がっている大人を押しのけるようにしてビビることなくスイ〜ッと下ったのですが、やはり大勢のギャラリーに緊張したのか、下り終えたところで転んでしまいました。
土手を登ればゴールは目の前、後から来た男性に「お嬢ちゃん、上手だね」と声をかけられブースターに火がついた結衣は、そのまま一気にゴールイン。5kmコース完走です。
結衣、力走!
しばらく経って、颯と母ちゃんも仲良く並んでゴールイン。さぁ、給食所で乾杯だ!
・・・ええっ! ビールが無い!? そうなのです。去年まであった缶ビールが用意されていなかったのです。それからカップ麺も。アサヒビールさん、東洋水産さん、今年はスポンサーになってくださらなかったのですか?(アサヒ飲料がスポンサーになったので缶入りのお茶はあったけど)
もちろん、資金的・人的に苦しくなった中で開催を続けた関係者の努力には敬意と謝意を表したいと思います。また、一時は中止を考えたともいう悪コンディションを克服して実施したということは大変だったことと思います。
ただ、わがままというのは充分承知してますが、アテにしていたものが無かったというのは・・・。
子供たちは豚汁はあまり飲みたがらずに空腹を訴えますが、後で何か食べて帰ろうとなだめながら入浴。家を出るときには今年こそ三本松まで滑って帰ろうと颯と二人で言っていたのだけど(母ちゃんと結衣はまるっきりその気無し)、腹も減ってるし、風呂に入ったら心臓がドキドキしてきたのでやっぱりバスに乗ってクルマまで戻ります。
スキーを返してそのまま三本松茶屋で何か食べるよりは、せっかくだからクルマの中にあるパンで繋いで、あそこまで行ってみよう。と狙ったのは玉木屋。1時間近く走らなければならないけれど、ここ何年も寄っていないからね。今日のこの時間なら店も開いているだろう。
と期待してきたのに、やっぱり閉まっている。変だなと思って店の戸口の前にクルマを寄せると貼り紙があって「店主が亡くなったので、当分の間休業」とのこと。えっ、あの親父さんが・・・正直言って後を継ぐ人もいなさそうだし、再び暖簾がかかる日が来るのだろうかと、そんな淋しい気持ちになってしまいました。この店、母ちゃんもお気に入りだったのです。
おっと、感傷にひたっているばかりではいけません。今の空腹を何とかしなければ。更に先に進んで大間々の蕎麦屋うどん屋までは遠すぎますね。よっしゃと思いついて、これまた以前店が閉まっていて寄れなかった『清流』に行ってみます。さすがにまだ午後の3時過ぎなのでやっていました。
ここは、わたらせ渓谷鐵道の神戸(ごうど)駅構内に置かれた旧東武鉄道の車両を改造してレストランにしているもので、レストランといっても茶店程度のメニューしかありませんでしたが、それでも草木ダム観光や『富広美術館』からバスで戻ってきて列車を待つ人や上下線の交換待ちの運転手サンの休憩所的な需要はあるようです。おっと、それから鉄道マニアってとこかな。先客の親子連れは横浜ナンバーのクルマでした。
茶店風の店だから想像した通りの味でしたが、物珍しいのがウリですからね。こちらもその程度の期待しかしてなかったし。ちょうど上下線の列車が見られたので、それなりに楽しかったです。
客車を改造しているので
座席がリクライニングする・・・
食堂車とも違った雰囲気
我が家で奥日光にスキーに行くと、夕方『やしおの湯』に寄ってから帰ってくるパターンなので、まだ日が高いうちにこのあたりを通るのは珍しいことです。ちょっと脇道に入ったりしながらノンビリと帰ってきました。
で、家で夕食を食べてくつろいでいると電話がかかってきました。近所に住むおじいちゃんです(子供たちにとって、だよ)。テレビのニュースで今日の大会のことをやっていて「結衣が映ったよ」だって!?
まぁ、この大会には毎年どこかのテレビ局が取材に来ていて、夕方のニュースで「各地の話題」の一つとして放送されているのですが、今年はNHKが来ていたらしい。いや、実は我が家もいちおうNHKのニュースは見ていたのですよ。でも夜7時のニュースって全国向けのニュースだけなんですね。その前のローカルニュースでやったらしいのです。
電話の相手はおばあちゃんに代わっていて、「そう、結衣が横切って行く。あ、後ろはお父さんだ」と実況中継みたいなことを言うなと思ったら、ビデオに撮ってあるんだって。ずいぶん用意のいいことだと感心して次の日曜日に見に行ったら、最初に競技会の風景が流れた後でハイキングの部の紹介があり、スタートして間もない光徳沼の先の下り坂のあたりでした。なるほど、ここにカメラマンがいたのは覚えています。この時はまだ我が家のメンバーがそれほどバラバラになっていなかったはず。画面を横切って滑る結衣の後ろから父ちゃんが続き、その後方でチラッと颯も映っているのが確認できました。
今日、日光のスキー大会で
私はがんばっちゃいましたほう、そうですか
しかし結衣は大会に参加して完走できたのがよっぽど嬉しかったんでしょうね。デジカメで写した写真をその日のうちにプリントアウトするようにせがんだと思うと、翌日には学校に持って行って先生に報告したのだそうです。そして、火曜日には自分が使ったゼッケンと完走証のメダルも持って行ったとか・・・まったく、前には雪が降っているとクルマから降りようともしなかったのにねぇ。