《1999.05》
西武園ゆうえんちはスペシャルチケットで

トリプル観覧車:かなり長時間乗っていられる
 幼稚園の遠足で 『西武園ゆうえんち』に行ってきました。昨年が東武動物公園、使ったバスが秩父鉄道と、なにやら県内の鉄道会社にまんべんなく義理立てしているみたいですね。

 昨年は父ちゃんと結衣が別動隊だったのですが、結衣も今年からは幼稚園児、別動隊は父ちゃんだけとなりました。集合場所で母ちゃんや子供たちを降ろして、バスが来る前に別動隊(といっても一人)は出発です。昨年はバス部隊も一般道利用だったので互角の勝負だったのですが、今年のコースは高速道路利用。参加費用節約のための別動隊の分際で高速道路を走るわけにはゆかないだろうと、意地を見せて一般道を走ったのですが、残念無念、東松山インターの先で追い越されてしまった(ちょうど高速道路と一般道が数百メートルほど並走する場所があるのです)。しかしバス部隊はその先のサービスエリアで休憩するはずだから、その間の30分ほどをアドバンテージとして挽回だと意気込んだのですが、市街地で赤信号が続き、あげくに渋滞に巻き込まれ・・・でも、結果的にはバス部隊より10分早く現着できたぞ。

 遊園地西口の駐車場はゴルフ場と兼用になっていて、中年のオヤジ一人が乗ったクルマで行くと「ゴルフですか?」と言われるのは当然だね。「いや、遊園地」と答えるのは恥ずかしかったわい。
 しかし、遊園地がひっそりとしているのでビックリしました。本来は休園日なのを幼稚園が借り切ったのかとも思ったのですが、この日は土曜日。まさかそんなことはありませんよね。時計を見ると9時半で、どうも10時開園らしい。浦安のTDLに比べると、ずいぶんノンビリしたものです。実際、開園してからも午前中は颯たちの幼稚園と、もう一つの幼稚園の団体客しか見かけませんでした。土曜日でこれだから、平日はどんな様子なのでしょうか。
トンネルの中は
イルミネーションが綺麗だった
 そうそう、団体客で思い出した。母ちゃんと子供たちにはバスの中で入園券が配られていたのだけど、別動隊の父ちゃんは自分で買わなければならないのです。入園券だけなら1500円。でも父ちゃんだって乗り物に乗りたいからフリーパス3500円也を張り込もうか。JAFの会員証を持っていると割引になるはず・・・と窓口に行ったら「幼稚園の追加の方はここでお求めください」で、値段はなんと735円なのです。これで入園できるほかに園内の乗り物14種類に何度でも乗り放題。どうです、オイシイ話でしょう。
 公式ホームページでも紹介されていないのですが、遠足客向けの親子券というような企画チケットがあり、両親に子供一人というような場合のバラ売りがあるのでしょう。ともあれ、これはメチャ安です。除外される乗り物(9種類)も料金が高いものばかりというわけではなく、いわゆる絶叫マシン系に集中しているみたいです。500円の大観覧車やジャイロタワーに乗れても、200円のジュニアサーキットには乗れなかったりする。なるほど、小さい子を連れた親子向けのチケットらしい配慮ですね。
 せっかく遊園地に来たからにはジェットコースターに乗りたい父ちゃんは別に料金を払って乗っていたけど、それでも600円で、結局ここで一番高価な出費は父ちゃんの駐車料1050円でした。遠足客は弁当持ち込みだし・・・ううむ、これじゃ西武も儲からんなぁ。松坂人気の野球場とはずいぶんの違いだ。

 さて、それはともかくとして、肝心の園内の雰囲気です。案内に「狭山丘陵に広がるエキサイティング・ゾーン。豊かな自然に囲まれた園内には・・・」と書かれているように木が多く、窪地の地形を巧く利用して遊戯具が配置されているので、すべてがあからさまに一望できず、そういう意味では落ち着いた奥行きを感じさせる良い遊園地でした。しかし登り下りの多いこと。入り口で配っていた園内案内図には階段の位置が記号で示されていたけど、ベビーカーや車椅子の人には有用な配慮だと思うなぁ。
前のクルマを追い越せないから、つまらないヨ
 これだけ緑が多く、静かに歩ける場所なのだから、近所の人が夕方散歩するのにも良さそうな気もしますね。ま、散歩にいちいち入園料を払うのはかなわないけど(しかも正規料金だと入園だけで1500円だ)、年間パスポートを買えばそれほど負担でもないかも知れません。木陰のベンチで読書してメリーゴーラウンドに乗って帰るのを日課にしている老人が、ヨーロッパあたりの公園にはいそうな気がするではないですか。

 幼稚園のバス部隊は2時出発だったけど、別動隊のいる子供は帰りのバスには乗らなくてもよいことになっているので、昨年同様に我が家は残留部隊となりました。しかし、坂道の登り下りも多く、疲れたので5時の閉園まで粘れそうもない。3時半頃に園を後にしたのだけど、この時間にも新規の入場者がいたのにはちょっと驚きです。夕方の散歩を実践している人たちなのかな。

 たまたまこの日がこういう雰囲気だったのかも知れませんが、ディズニーランドが日常から完全に切り離された「夢と魔法の国」なら、西武園ゆうえんちは日常のすぐ隣りにある「ちょっと息抜きのできる不思議な空間」みたいな感じでした。
 それにしても、いくら第4土曜日で学校が休みではないといっても(実は父ちゃんも休暇を取った)、一般客の姿がほとんど見えないなんて・・・これもやっぱり「夢と魔法の国」ということなのでしょうかねぇ。