《1999.12》
年の瀬はここを訪ねて

 我が家の年末は恒例の・・・3年続いたから、恒例と言ってもいいでしょうね・・・那須旅行でした。ただし、今回の宿泊は那須より少し先、福島県の白河になってしまいましたが。
 父ちゃんの勤め先が社員の福利厚生用に リゾートホテル の会員権を持っていて、毎回そこを利用しているのですが、GWや年末年始は会員の宿泊希望が集中するので抽選になるのです。大晦日の競争率は高いだろうと予想できるので、これまでその前日(1997年は宿泊利用権が2日分あったので29日から2泊した)を希望して見事当選・・・だったのに今回は落選してしまい、第2希望に書き込んでおいた白河の 別荘村 が当選したのでした(どうもここは最後まで空きがあったようだ)。
 那須のホテルは最高5人まで宿泊可能なのですが、白河は8人までOK。それなら親孝行の真似事でもと近所に住む両親も誘って6人での年末旅行となったのです。

 いつも予定の時刻に出発できたことのない我が家ですが、さすがに「7時半に迎えに行くから」と声を掛けた手前もあって定刻に出発。毎度お馴染みの銅山街道を通って、まずは日光へ。友人が経営する ペンション に立ち寄って厚かましくコーヒーをごちそうして貰いました(父ちゃんはここで何やらキャンプ用の ガソリンコンロの写真 を撮っていた)。

 「去年ここを走ったとき、この先の下り坂のカーブが凍っていて、電柱にぶつかってJAFのレッカー車を呼んでいたクルマがあったんだよね」
 という記憶があるのでそこだけちょっと慎重に走って、最初の目的地である 『ウエスタン村』 へ。
この彫刻は有名だが
誰が何のために作ったかを知らない
 これは前の年に編み出した技で、那須にも多くの『なんとか美術館』などの施設はあるのだけど、我が家の子供が楽しむには内容が合わないものが多いし、一ヶ所ではすぐに見終わってしまう。数ヶ所ハシゴするのも面倒だ。3、4時間まとまった時間を過ごせるところは無かろうかと思って、那須に至る道中にも目を向けて気が付いたのが『日光江戸村』だったというわけですね。ここなら那須まで一気にドライブすることなく、途中のいい気分転換にもなるし。
 でまぁ以前、これは夏だったけど 『東武ワールドスクエア』 に行ったことがあったし、去年が 『日光江戸村』 だったので今年はウエスタン村に行ってみようと思ったわけですね。

 我が家が入村した時はちょうど最初のショータイムが終わったところで、次の開始時刻をチェックしてまずは「アメリカンドリームランド」と呼ばれるゾーンに行ってみます。ここには、4人の大統領の肖像を岩山に彫刻した「マウントラッシュモア」をスケールダウンしたものがあって、今市から鬼怒川に向かう国道からもひときわ目立つのですね・・・我が家は広域農道を通って裏側から来たので関係ないけど。岩山の裏側、というか岩山と一体化された大きな建物があって、アメリカの風物を紹介する展示コーナー、ゲームセンター、スーベニアショップというお決まりのパターンですね。しばらくここで過ごします

 さぁ、いよいよショータイム。3人のタレントが演じるウエスタンショーは、最初は間延びして退屈だったけど、撃ち合いの場面が始まると見入ってしまいますね。終わってみればギャグも交えた楽しいショーだったなという感想でした。寸劇の後のガンマンのアトラクション。後ろ向きに風船を割ったり、観客(子供)の頭の上に載せたリンゴを撃ち抜くというのは、ちょっと考えたら実弾を使うはずはないので音か何かに連動する仕掛けになっているのでしょうが、ドキドキしながら見守り、成功すると「やったぁ!」という気分になってしまうのはタレントの「芸」の力なんでしょうね。
 この「ウェスタンランド」というゾーンには西部劇に出てくるような街並みが再現され、雑貨屋や床屋に入ると店の親父に扮したロボットが話しかけてくるという設定になっていました。

 ここはいわゆるテーマパークなのですが、日光江戸村や東京ディズニーランドと比べると、従業員の「成りきり度」が足りないような感想でした。たぶんここを作ったときはロボットの方がハイテク感があって良かったのでしょうが、今の時代ではロボット任せにしないで、生身の人間が演じた方が活気が出るような気がしますね。GWや夏休みは入場者も多く、また別の感想を持つのかも知れませんが。
 でも、年末も結構人が来てますね。昨年の江戸村でもそうだったけど、東京を朝、早くもなく遅くもないという頃合いに出発して、このあたりで昼食を兼ねて数時間過ごし、あとはすぐ先の鬼怒川温泉の旅館にチェックイン、一風呂浴びて「この一年お疲れさまでした」の宴会の始まりぃ・・・と思われる団体グループが大勢いましたから。
 なぁんていってる我が家も規模は小さいけど同様ですね。ただ、宿泊先が鬼怒川ではなく白河というところが違います。

一階のストーブで二階も暖める
 白河の貸別荘は3LK、リビングの吹き抜けが素敵な開放感です。ただ、大浴場やレストランのあるホテル棟まで行くのが寒い。今回ここを使うのが始めてで、単純に那須のホテルの第二候補として泊まったのですが、やっぱりこういうところは春から秋にかけての滞在型のリゾートとして利用するのがいいのかな。食事も、予約しないで白河市内のスーパーで食材を買い込んでバーベキューなんかするがいいですね。
 もっとも、ここのレストランの食事もそう悪いものではありませんでした。郷土料理を交えて、とりたてて豪華とか見た目綺麗というものではないけれど、質実剛健とでもいうか庶民的というか、気取らずに食べられて旨いというものが多く、これは両親にも好評で、少しは親孝行になったかな。

 那須旅行の、宿泊部分だけが東北地方に飛びだしてしまった形とはいえ、せっかく来たのだからどこか近所に寄って行こうと思って頭に浮かんだのが『白河の関』。でも、白河の関って何か有名な事件があったっけ? 勧進帳の弁慶は安宅の関だし、「知るも知らぬも」は逢坂の関ですね。内容はよく判らないけど名前だけはしっかり知っている白河の関に行ってみましたが、やっぱりよく判らない。古い神社があって、それでも地元の人たちから大事にされているのでしょう、清楚に新年を迎える準備がなされていました。

 さて、関東地方に戻って那須へ。まずここに寄らなくてはと訪ねていった 『五峰館』 が本日休業。そんなバカな。ここの試食食べ放題のチーズケーキを楽しみに、もとい、お土産や正月のお茶菓子に買って帰ろうと思っていたのに。仕方ないから『お菓子の城』に行って試食と買い物を済ませ、『那須テディベア・ミュージアム』へ。ここに行くのも3度目で、恒例の年末那須旅行は同じ所を訪ねて一年経ったことを実感する旅のようですね。ただ、我が家同様那須を何度も訪れている両親も、ここはまだ来たことがなかったので「じゃぁ行ってみようよ」という気持ちもありました(前の日に『ウエスタン村』に行ったのは、『日光江戸村』が10月に両親が行ったばかりだったということも理由です)。
子供たちに使い切りカメラを持たせたら
颯はこういうのを写した
 同じところに何度も行くのを嫌う人もいますが、また来ましたよ一年ぶりですね元気でしたかという気持ちを相手に対してだけではなく、自分に対して感じるのが良さではないでしょうかね。年の瀬ということもありますし。
 年の瀬で恒例と言えば、ここにも寄って行かねばなりません。那須町の蕎麦屋さん 『上川の里』 です・・・どうも『五峰館』から順に白河に戻っているようで非合理的な順路ですが、昼食の時間に合わせようとするとこうなってしまったわけですね。今回は6人で訪れたので、そば粉を使い分けた「せいろ」「しらゆき」「田舎そば」を2枚ずつ頼んで皆でいろいろ味わいながら食べました・・・いずれも美味。

 帰りは那須ICから高速道路を使って、サービスエリアで休憩する以外は特に寄り道もせずに帰ってきました。今回6人乗車できるようにとワンボックス車(ルシーダ)を借りて使ったのですが、おじいちゃんたちと一緒ということもあって颯も結衣も大喜び。2列目席を回転して対面モードにしたら後ろで盛り上がってしまい、父ちゃんはいつもよりは運転に専念できたようです。楽しい気分で走っていると時間が経つのが早くって、本当は慣れないクルマだからと、いつもよりもゆっくり走って確かに余計に時間は掛かっているのですげ、運転していて「あれ? もうここに着いちゃった」と思うことがしばしば。  風もなく穏やかな天気にも恵まれ、1999年は楽しい気分で幕を閉じることができました。