《2000.11》
たぶんこれが今世紀最後のキャンプ

 行き先にもよるけど、キャンプに適したシーズンは9月10月じゃないかなぁって思っています。でも、子供たちが幼稚園や学校に行くようになると、運動会や生活発表会(いわゆる学芸会です。多くは11月にやるのですが、ウチの幼稚園は9月にやるので新入園児さんは大変ですね)があったりして、なかなか日がとれない。颯の運動会は雨で平日に順延されたけど・・・そうそう、今年の秋は雨の週末というパターンが多かったですね。これも一因。
 ずるずると11月に滑り込んで第一週の週末、父ちゃんは3連休だけど子供たちは飛び石、まぁ4日の土曜の午後から行こうかと思ったら、なんと5日は早朝から母ちゃんが幼稚園PTAのバレーボール大会だという。
 これまで我が家のキャンプ最遅記録は11月の第1週でしたが、記録更新して11月第3週の週末に行くことにしました。寒いだろうけど、タープの下で震えた以前と違って、スクリーンテントがあるからなんとかなるか。
 目的地は赤城山の麓にあるキャンプ場(やっぱり寒そう)。土曜の午後、子供たちが帰ってからの出発で、秋の夕暮れの早さを考えたら、やっぱり1時間内外で着けるところが無難です。西側に山があるような場所だと、3時を過ぎると夕方の雰囲気が漂うからね。今回狙っているキャンプ場は赤城山の南面なので、外遊びの時間が稼げるでしょう。

 で、当日。子供たちが学校や幼稚園に行っている間に荷物を積み込みます。一泊だけだから2バーナーなんかは置いてゆくのだけど、寒さ対策で衣類を余分に、なんて考えると結構な荷物。RV-BOX変形3連装がすっかり定番になってきて、父ちゃんも慣れたせいか積み込みが苦にならない。
 そうそう、キャンプ場に電話をしておこう。毎度のことだけど、オンシーズンは仕方ないとして、我が家はキャンプ場の予約は好きではないのです。天気が悪かったら「や〜めた」と言える自由を残したい。キャンセルすればいいじゃないと言われるかも知れないけど、キャンセルするのはもっと好きじゃない。
 で、電話をかけたら「こちらは留守番電話センターです・・・」あれ? このメッセージは。
 一般の加入電話の番号にかけたのが、DoCoMoのケータイに転送され、それがなおかつ留守電モード。大丈夫かなぁ。去年、かけてもかけても誰も出なかった秩父のキャンプ場を思い出しました。あのときは、もしクローズしていても他にキャンプ場のアテはあるからと強引に出発したのですが、今回は近所のキャンプ場というのに心当たりがない(友人の家というのはあるが、いきなり転がり込むのはなぁ)。キャンプ場ガイドには通年営業と書いてはあるけど「今日は予約も入ってないし、映画でも見に行こう」と臨時クローズしているかも知れない。何日も前からの予約はしたくないけど、飛込みで行って閉まっているのも困る。せめてここで連絡はとりたいものです。たまたま管理人がちょっとケータイを置いて用足しに出ているだけだと期待しながら、今日泊まりたい、昼に出発するのでそれまでに可否の返事をくださいとメッセージを吹き込みました。
 しかしなかなか返事がこない。もう一回電話したけど、やっぱり留守電。ちょいと不安がつのってきて、そうそう、あのキャンプ場は近くの鹿牧場の関連だったな。そちらの電話番号は判らないかといろいろ調べたら、キャンプ場の夜間用の電話番号を見つけました(たぶん自宅なんでしょうね)。早速そちらにかけると老婦人が出て「きっと山に入って仕事をしてるんでしょう。大丈夫、あいてますよ」と言われて一安心。そのうちキャンプ場からも「ごめんなさぁい、ケータイ置いてっちゃってしまって」と電話がかかってきました。天気も上々、子供たちも帰ってきて、昼食後、いよいよ出発です。

 さてさて、道中の話は省略して、キャンプ場着。道路から管理事務所を見た景色はインターネットのあちこちのキャンプ場紹介で見ていたから初めてという気はしませんでした。むしろ、この場所この道路こそ、前に徒歩や車で通ったことがあるというのに記憶が蘇らなかった。
 受付にいたオーナーの女性は、「ここは初めて? そう、お勧めはここ!」とサイトの見取り図を渡して指差します。そのあとパンフレットや割引券などを何種類も寄越して「これはこう、それはもっと割引で・・・」と立て板に水のごとく言葉の連射砲。そのときに貰ったオートキャンプ協会の機関紙を後で読んだら、このオーナーのインタビュー記事が載っていて「管理で気を遣っていることと云えば、受付に来られたキャンパーさんをまず好きになるということ」だそうで、ううむ、納得。
 いくつかのゾーンに分かれているうちの、オーナーさんお勧めの林間のサイトに陣取ることにします。星空はちょっと見にくいけど、風がさえぎれるのが利点。名物の赤城おろしではありませんが、時折ものすごい音を立ててこずえの上を風が渡ってゆきます。音を聞いただけで震え上がってしまいそう。サイトは標準的なオートキャンプ場のサイズなんだけど、我が家にはちょっと狭いかなぁ。というよりも我が家のレイアウトに問題があって、後室付きのテントとスクリーンテントを連結させるから極端に細長くなってしまうのですね。この日も正方形に近いサイトの対角線にセッティング、スクリーンテントを出るといきなり通路という、あまり好ましくないスタイルになりました。
 しかし、向こう三軒両隣り空きサイトばかりなので、お隣りさんの気配に気遣うこともなければ前を通る人もクルマもない。ついでに我が家の車も通路を挟んで向かいのサイトに置いて(この余裕がないところが、このキャンプ場のサイトがちょっと狭いと思った理由ですね)セット完了。ユニセラで炭火を起こすと子供がさっそくマシュマロを焼き始めました。

 今回、寒さ対策ということもあって寝るとき以外はユニセラを常時つけっぱなし。寝るときには生まれて初めて使い捨てカイロを利用してみたのですが、これは快適でした。実は、使い捨てカイロが発売された頃に一度試してことがあるのですが、ちっとも暖かくならずに性能を疑問視していたのです(お燗がつくカップ酒というのも試したけど、これまた全然温まらず、どうも当時は品質にムラがあって、不良品ばかりつかまされていたようです)。
 とまぁ、年々ぬくぬくキャンプ生活改善に向かいつつある我が家です。問題はテントが大きすぎることで、せっかく寝る前に『ワーム』や『カセット暖』でテント内を暖めても天井付近ばかりが暖まり、ヒトが寝る底部は寒いまま。広い壁面積が放熱効果を高めてしまうし・・・。子供が生まれたときには「テント内にいる時間が多いだろうし、大人も動きやすい方がいい」と買った6人用テントですが、そろそろ眠るためだけのテントでよくなってきたようです・・・そういや、もうひとつ持っている2〜3人用の山岳テントは『ピークワンランタン』を5分も吊るしておくだけでホッカホカだもんなぁ。
 実は、来年は『長者の森』にホットカーペットを持ち込もうかと考えているんだけど、問題はクルマにどうやって積むかということ。宅配便で送っちゃうのもなぁ。

落ち葉を集めて布団代わりに
気持ち良さそうだが、後が・・・
 次の日、何かをやるというでもなく、まして赤城山頂までドライブすることもなく、ノンビリ手を休めながら撤収しているうちにお昼になり、どこか蕎麦屋さんにでも寄ろうかと言っていると、颯がお腹が痛いと言い出したのでそのまま家まで来てしまいました。なんせ1時間だからね。
 我が家が陣取った林間のゾーンには3組、キャンプ場全体では10組くらいが泊まっていたのでしょうか。イベントがらみではなく、まったくの我が家のプライベートキャンプは最近こんなところばっかりです。
 観光するでもなく、たった一晩泊まってくるだけでたいそうな荷物抱えてと笑われるかも知れませんが、キャンプで設営して一晩過ごすというそのことを楽しんでいるのです。で、それだけだったら遠くに行くことないし、また実際近くで楽しめるという恵まれた環境にあるわけで、こういう「土曜の午後、ぶらっと出かけるキャンプ」というのはお気に入りのスタイルでもあるわけです。

 ・・・おっと、何日も前からマシュマロを買っておいたり、当日は朝から荷物を積み込んだりで、ちっとも「ぶらっと」ではないですね。これまで秩父方面ばかりでしたが、これからは選択の幅が広がったな。