オトコの火遊び |
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皆さんはキャンプに行って、何をして過ごしますか? 魚釣り、登山やハイキング、サイクリングなどなど・・・でも、我が家はこれといってキチンとまとまったこともせず、ジタバタしているうちに終わってしまうようです。まぁ、子供たちがまだ小さくて飽きっぽいということもあるのだろうけど。
父ちゃんではない
おでんの旅人、ソーメン新井
母ちゃんは、旅行に行った先でもそうなんだけど、ぼけ〜っとしているのが好きで、最近のキャンプでは父ちゃんに子守りを任せて一人でお茶するなど、お気に入りの状況にひたっているみたいです。
で、父ちゃんは、実は焚き火が好きだったりする。
1989年の夏に長野県某所の閉鎖されたキャンプ場で夕方から夜中の2時過ぎまで、そして翌朝から昼過ぎまで焚き火をするためだけに行ったようなキャンプとか、その翌月には新潟県某所の海岸で流木を集めて「焚き火の跡を残すのは浜の美観を損ねる」とばかりに燃え尽きるまで付き合ったキャンプなんていう話が、ワープロ版の『こないだ』(『とどまつハウス』の前身ともいうべき近況報告冊子)に残されているのですね。
いやまぁ、焚き火ってのは父ちゃんに限らず、好きな人は結構多いよね。でも、時代はだんだん区画サイトが整備されたオートキャンプにシフトして、地面へのダメージや隣接サイトへの安全配慮などで焚き火どころではなくなってきているのも確かですね(もちろん、サイトごとにカマドやU字溝を用意しているキャンプ場もありますが)。
そんな中でポータブルの焚き火台というのが市販されているわけです。ま、これだって昔から一斗缶に針金で持ち手をつけたものが家庭用を含めて歴史的に使われているのだけど、アウトドア用品として市販されるからには持ち運びがさらに便利でかさばらず、なおかつ地面へのダメージ対策が考慮されているのですね。
その名もズバリ『焚き火台』というのがスノーピークからでていてオプションも豊富。でも、これは見かけによらず重たいのと、値段も少々お高い。
かたやユニフレームは『ファイアスタンド』というのを出していて、これはアイデア賞もの。広げた脚に石綿金網みたいなものを広げて使うのだけど、収納は畳んだ脚に網を巻きつけ直径6cm長さ57cmの棒状になって重さ730g(カタログ値)、実にシンプルで、『焚き火台』は上に鍋を載せられるけど、こちらは焚き火するしか役に立たないという潔さが好きだった。そりゃまぁ三脚などのスタンドを用意して上から鍋を吊るせば調理に使えないことはないけど、このシンプルなデザインにそんなことをするなんて本末転倒でしょ。ただ、この石綿金網(もちろんアスベストではなく、セラミックファイバー使用)の焚き火台は水をかけて消火することができない欠点があり、その後特殊耐熱鋼のメッシュに変わった。
でもね、父ちゃんは何故かこういうのに手を出さなかったのですね。焚き火台は運びやすくても、薪の手当てと灰の始末が面倒なんですよ。せっかく焚き火台は畳んだり丸めたりしてコンパクトになっても薪はかさばるし、現地で調達するにしても燃え残りや灰を持ち帰ることになったら車内を汚さないように気をつけなければならないし・・・。
しかし、『ユニセラ』をキャンプに持ってゆくようになって炎の良さを再認識し、灰の始末にも慣れてきたら、だんだんと焚き火グッズが欲しくなってきた。そこへもって昨年6月にはユニフレーム主催のキャンプで、7月にはかめかめサンが、『ファイアーグリル』で焚き火をやったもんだから欲しくってたまらなくなってきた。
まぁ昨年一年間は購入をこらえていたのだけど、今年の長者の森でちょっと離れたサイトの人が使っているのを見て帰ってきて3週間後、とうとう買ってしまった。
『ファイアーグリル』は焚き火専用の『ファイアースタンド』とは違って焼き網もついていて、バーベキューなど調理にも使える。その辺が男のロマンとしての崇高さには欠けるけど、購入に際して「言い訳が立つ」のである・・・家庭持ちは何かと大変なのだ。
買ったものの、すぐにキャンプに行くどころか他の用事に追われる週末が続いて庭で何か燃やしてみるだけのこともできない続いているうちに、どういうわけだかこの上にダッチオーブンが載ることになってしまった。
ダッチオーブンというのは鋳鉄製の鍋である。英語の世界ではダッチ(オランダ式の)という形容詞がつく言葉には「けちな」とか「質が悪い」というニュアンスが含まれているのだけど、これはどうしてなかなかに万能な鍋なのですね。蓋の密封度が高いので圧力鍋的な使い方もできるし、焚き火の中に埋め込むようにしてオーブンとしても使える。便利な半面で鋳鉄製だからメチャクチャ重いし、錆びないように手入れも大変というシロモノ。はっきり言って休日の趣味で使うものでしょうね、現代では。
それがここ数年じわじわ人気が高まってきているらしい。キャンプで料理は滅多にしない父ちゃんさえも興味を持ち始めているのがその証拠(?)。
そんなところに焚き火台(一般的な呼称としてこれが一番言いやすいのだけど、スノーピークが商品名にしてしまっているので誤解が生じやすいぞ)の購入である。父ちゃんの気持ちはウズウズしてきた。で、父ちゃんは「焚き火」「道具」からのアプローチなのだけど、「料理」方面から母ちゃんもこれに興味を持っていたらしい。こうなると言い訳も何もない、そういえば『BE-PAL』の通販でロッジ社のソルトレークシティ冬季オリンピック記念モデルが紹介されてたよなぁ・・・。
どうせ買うなら限定モデルが希少価値があっていいんじゃないかと思ったのだが、少し冷静になって考えたらフトコロに優しくない。同じロッジ社の製品でも通常モデルなら店によっては結構安く買えるぞと思い直してあちこちの価格情報を集めていたところにコールマンの製品があることも知った。サイズは12インチディープ。他にも国内ブランドで数社出ていて、中にはホームセンターで3,000円を切るという入門用というか使いこなせなくて死蔵しても諦めがつく値段なんてのもあったけど、これは鋳鉄の品質がちょっと心配。ダッチオーブンというとロッジ社が一番有名なようだが、ブランドと価格とのバランス(妥協点)で、コールマン製を買うことにした。ケースとリフター(蓋を持ち上げる道具)がセットになって7,999円(スプーツオーソリティ実売価格)。
で、翌週『ファイアーグリル』とダッチオーブンの火入れ式。キャンプ場ではなく庭先でだ。ダッチオーブンは使い初めに出荷時の保護用に塗られたコーティングワックスをきれいに落として油をなじませる作業がある。それからクズ野菜を炒めるのも良いそうだ。そういや昔マカオの金物屋で中華鍋を買ったときに「最初にニラを炒めろ」って言われたっけ。
しかし、鍋の肉厚があるから蓄熱量がハンパじゃない。タワシでゴシゴシやろうにも熱くって大変。おまけに重いので鍋の向きを替えるのも気軽にクルクルッていかないし・・・料理よりも道具いじりが趣味でないと無理ですね、これは。
おっと、肝心の『ファイアーグリル』だ。猫の額のような庭で盛大に炎をあげるわけにもいかないし、そもそも薪の用意もほとんどなかったので木炭をメインで使うことにしました。これじゃ焚き火と言うよりはバーベキューだけど仕方ない。ああそうか、それなら以前福引でで当てた小さなバーベキューグリルでも焚き火台になったかなとも思ったけど、こちらのほうが空気の供給は優れていそうですね。いずれにしても使い込んでゆくうちに熱による反りやねじれがどれくらい出てくるかがちょっと気になるところです。
結局バーベキュー(8月)
作業の効率ということもあってツーバーナーも使ってダッチオーブンの初おろし、シーズニングを終え、これだけ道具を広げたんだからとスパイスで下味をつけた鶏肉を焼いてみました。なるほど、ふわっと焼けたようですね。
日を改めてダッチオーブンで手羽先の唐揚げ、さらに別の日には『ファイアーグリル』でトウモロコシや焼き鳥串を・・・あ、これじゃますますバーベキューグリルだ。やっぱり住宅地の中の狭い庭では純粋に焚き火を楽しむのは無理かなぁ。
で、この焼き鳥をやったときは『ユニセラ』も友情出演したのですが、ここでちょっとした実験。旅館なんかに泊まったときに「牛肉の陶板焼き」みたいなものが出されたりしますが、あれだと網焼きと比べて肉がふんわり焼けるのだろうか? 建設残材のゴミ捨て場で拾ったINAXの磁器タイルを載せて焼いてみたのですね。結果としてはそれほど極端に味が違うということは感じられなかったけど、まぁ目新しさがありますね。ところが、面白がっているうちに磁器タイルがパリッと割れてしまった。ううむ、炭火では温度が上がりすぎるのかなぁ。もう少し厚手の石板や溶岩プレートなんてのを使えばいいのかもしれないけど、これは少々値段が張りそうで、その後の実験は進んでいないのです。
余談になるけど『ファイアーグリル』とダッチオーブン、月末をまたいで2ヶ月に分けて購入したのだけど、手続きの行き違いかクレジットカードの請求がいっぺんに来てしまい、父ちゃんは慌てたのであった。
ダッチオーブンについて興味を持った人は、以下のウェブサイトが参考になりますので、覗いてみてくださいね。