夏が終る |
---|
9月といえば恒例の 『小室等ライブin小諸ユースホステル』 なのですね。今、恒例と書いてしまったけど、もう5回目になってしまったんだなぁ。もちろん父ちゃんは皆勤賞目指して今年も参加するのですね・・・「参加する」、そう、「聴きに行く」と言うよりも「参加する」って言い方が合ってるような気がするなぁ。
去年はふとしたことから子供2人を連れて(押し付けられて)行ったけど、今年は母ちゃんも連れて、早い話が家族全員でということに・・・7月の『長者の森』の帰りにツルヤに寄ったくらいではまだ信州を旅した気分が不充分ということかな。やっぱり小諸YHに行って、どこか温泉に入ってこなければおさまらない。
家を出て上信越道の吉井インターを目指します。このところ吉井インターにこだわっているようだけど、これには訳があるんですね。高速道路を使っての信州からの帰り道、藤岡ジャンクションで関越道と合流すると渋滞になっていることが多いんですよ。で、それを嫌って藤岡インターで降りると、国道254号まで市街地を通り抜けて戻るように走らなければならないのですね。それで以前は吉井インターで降りて国道254号に出るという作戦を取ったのですが、それも藤岡の市街をかすめたりするので買い物客のクルマが多かったりするんです。ところが、2年程前に郊外の田舎道を走って行くルートを発見して、これはいいと思ったのですが、吉井インターから帰ってくるのはスイスイ行けても、逆に家から向かって行くとインター近くで道を間違えてしまってどうしてもスムースにたどり着けないのです(去年の秋は吉井インターを通り過ぎたので、結局下仁田インターまで行ってしまった。信州へ行くのに下仁田インターで降りることは何度もあったが、あそこから乗るのは初めてだった)。
ただいまリハーサル中
せんだって7月に帰ってきたときはまだ昼間だったので周囲の景色をしっかり覚えておいて、今回こそはと走ったところ、さすがに間違えずに高速道路に乗れたってわけ。と、思ったらいきなり渋滞。甘楽PAで一息入れることにしました。
渋滞の原因は事故か何かで、PAの先しばらくノロノロ状態を我慢すれば解消。松井田妙義インターで降りて国道18号に出ます。まず軽井沢に行くつもりなのでこれが一番の近道なんだけど、今回は特に急ぐわけでもなし、その前に横川の 『横川ガラス館』 に寄ってみることに。
ここは以前から一度寄ってみたかったんだけど、いつも往きに通るときは先を急いでいるし、帰りは道の反対側で出入りが億劫なので入ったことが無かったのですね。しかし、駐車場にはクルマが1台も無く、建物も静まり返っている。
「つぶれちゃったかな」
建物にはガラス工場が併設されていて、安曇野の ビレッジ安曇野 とまではゆかなくても、月夜野の 上越クリスタル みたいな施設を想像していたのですね。ところがガラス工場見学コースと書かれた入口は鍵がかかっていて、中は電気が消えて、もちろん人影も無い。でも、売店のほうは電気が点いているし、鍵もかかっていないようなので、ガラス器の店としては営業しているらしい。以前はもっとクルマもいっぱい停まっていたようなのに、すっかり寂れた店内に入ったら、それでもそれなりにたくさんの商品が陳列されていましたね。でも、父ちゃんとしてはガラス工場を子供たちに見せたかったんだけどなぁ。
我が家以外に客のいない店内を、買う気もないんだけど、さりとてプイと出るわけにも行かない中途半端な雰囲気でウロウロしているうちに別の家族が入ってきたので、やれやれと出てきました(^^;)
余談になるけど、この後から入ってきた家族、甘楽PAで隣りに停まっていたクルマだった。我が家とほとんど一緒にPAを出たのだけど、隣りの 『おぎのや』 にでも寄っていたのかな。と、この程度の再会なら珍しくないけど、なんと翌日の帰り道で横川SAでまたこのクルマを見かけてしまった。向こうは気がついていないかもしれないけど、これだけの偶然は珍しい。
旧道を登って軽井沢へ。さすがに9月の8日はまだ観光客で混んでいますね。一度クルマで旧軽井沢まで行ってみたけど、戻ってきて駅との中間点あたりの民家の庭を利用した駐車場に置くことにして歩いて行きます。台風が近づいているせいなのか、時折り霧雨が降ってくる妙な天気です。
開演前のひととき
小室さんと話しているのは・・・?
旧軽井沢をぶらぶら歩いたあと 『森へようこそ』 で来年の 村上康成 カレンダーを購入・・・このカレンダー購入ってのも小室さんのライブとセットで5年続きの恒例行事です。ただ、いつもはライブの翌日なんだけど今年は買い物が先ってのが変な気分。
駐車場に戻る道で折りたたみ自転車に乗った藤原さんとばったり出会う。
「やぁ、しばらく。これからフレスガッセに行くんだ」
「そうか、俺、さっき覗いて見たけど混んでたんで・・・でも、もうすいた頃かな」
「ああ、そう。じゃぁまた後で」
軽井沢で小諸YHの常連に出会うなんて、10年前なら珍しくも何ともなかったんだけどな。
特に昼飯時に フレスガッセ に行くと、たいてい店の前には見知った車が停まっていたものだったが、最近はちっとも知り合いに会わない。いや、そういう父ちゃんだって、ここに来るのは一年振りだ。
「あらぁ、しばらくじゃない」
言われてしまった(^^;)
さてさて、小室等ライブの話を書こうと思っていたのが、全然違うことばかり書いている。子供たちの夕食用のパンなどを買って(もちろん『ツルヤ』軽井沢店で、だ)小諸YHへと急ごう。YHには先ほどの藤原さんをはじめ、芝田くん達いつもの顔ぶれが集まっていた。
で、なかなか小室さん一行が現れない。前日は松本でのコンサートがあったから、むしろノンビリ寄り道しているのだろう。途中の蕎麦屋に寄っているという連絡はあったらしいが・・・。
「今いるよという連絡で、これから出るよという話ではなかったからなぁ」
などと言っているうちにやって来た。小室さんと上田マネジャーを送ってきたのは武満徹婦人の浅香さんと娘の眞紀さんで、近くにある別荘に滞在中という縁もあって2年前からこのライブを聴きに来ているのですね。で、今年も「また後で聴きに来ますからね」と帰って行った。
夜になって再び浅香さんたちがやって来て、夕方一緒にいた老人も同伴だ。Tシャツというより丸首シャツと呼んだほうがいいような白いシャツを着てニコニコしていた禿頭の人で、そのときはてっきり小室さんを松本から送ってきた前日のコンサート関係者というか地元の後援者かなと思っていたのだけど、こんばんはと挨拶をしながら突然父ちゃんにはこの人が誰だか判ってしまったのですね・・・谷川俊太郎さんだ!
現代日本を代表する詩人、マザーグースやチャーリーブラウンの翻訳者、鉄腕アトムの主題歌の作詞者・・・あの谷川俊太郎さんだったのですね。いつか雑誌なんかで見た写真は「険しい文学者」という表情だったけど、小諸の山の中で会ったら「農家のおじさん」としか思えなかった(^^;)
小室さんのライブは、5年目ともなるとリラックスした雰囲気で、それに聴き手もきっと半分以上がいつものメンバーなので・・・ああ、そうなると却って緊張する部分もあるのかな、
おやまぁ、そうですか
「♪アフ〜リカの、って2年くらいこれで始まってるでしょ。だから今年はこの歌だけはやるまいぞって決めてたんですよ」「いつもここ(ギターの胴)に歌う曲順書いた紙を貼っているの皆さん知っているでしょ。でも、今年は貼ってないの。今年はその場の気分で歌う歌を決めることにしたんだから」てな調子。
それでもって、途中谷川さんを紹介したかと思ったら、詩の朗読をしてもらいますと振ったのですね。で、谷川さんが出てきて「私の詩集があるかなぁ」と言うと「はい、一冊あります」とペーさんが差し出すではないですか。あまりにタイミングがいいので、どうもこれは芝田くんとウバさん、上田マネジャーあたりが仕組んだのではなかろうか。
谷川さんもすっかり気分が良くなったらしく、本当は途中で東京に戻るつもりだったのだけど、新幹線の最終に間に合えばいいやと最後までいることになったのですね。そしたら小室さんが再び谷川さんを引っ張り出し、「これは谷川さんの作詞で、武満さんの遺作となった歌です。二人で歌います」と『昨日のしみ』を歌いだした。これは谷川さんの茶目っ気で「演歌嫌いと公言している武満徹に演歌を作らせてみよう」と七五調の詩を作って渡したら武満さんはジャズっぽい曲を作って切り返したという歌なんだそうですが、目の前で歌っている二人を見ていると、酒場の酔っ払いに見えてしまいますね。
しかしまぁ、中学生の頃から武満徹とか谷川俊太郎といえば難しい作品を作る人で、これが芸術家なんだと思っていたのですが、小室等というフィルターを通すと気軽に楽しめる人に思えてくるんですね。
今年は父ちゃんが大好きな『いま生きているということ』も歌いましたね。しかも前日松本で谷川さんが新たに付け加えた歌詞を折り込むという最新バージョン。でも、そのかわり「娘がブランコに乗っている」というくだりが無くなったのは残念。あの部分が一番好きだったんだよなぁ。
禁煙コーナーで特例の一服
コンサート終了後の打ち上げパーティは、心なしか例年以上に「飲み会」として盛り上がったようで、小室さんは翌日名古屋でのお仕事があるはずなのに、こんなに遅くまで飲んでいて大丈夫なのかなぁと心配する人は、多分誰もいなかったのでしょうな。上田さんは小室さん以上に飲んでいたみたいだから。
翌朝、いよいよ台風の影響か、雨。と思ったらそのうち晴れてきて、喜んでいたらまた雨。と思ったらまた日が照ってきてと、めまぐるしく変わる天気。
これでは野外で遊ぶことはできないだろうと、まず温泉。
『あぐりの湯』 に行って、その後はやっぱりあそこかなぁ。
今回、晴れていたら2日目は 『パラダ』 にでも行こうかなと思っていたのですが、雨のときはどうしようかと悩んでいたんですね。美術館といっても子供はすぐに飽きてしまうだろうし、何軒も梯子したのでは入館料ばかりがかさんでしまいます。子供も興味をもてる展示、それもできたら触って動いたりランプが光ったりする展示があるような博物館みたいなのがあるといいんだけどなと思っていたところに、昨日甘楽PAのトイレの前に張ってあったポスターが目にとまったのですね。 『佐久市子ども未来館』 という児童向けの博物館で、なんとなく面白そうな気がしたので頭の隅に留めておいたのです。
温泉を出て『千曲ビューライン』と名づけられた、そのくせ千曲川がちっとも見えない河岸段丘の上の道を走って行き、これは一体どこにつながっているのだろう、新幹線と高速道路とオリンピックの関連で、かつてはこのあたりをよく走った父ちゃんが判らない道が増えているのですが、ようやく見覚えのある場所に出た。あ、これは佐久インターから小諸へ向かう141号のバイパスとの交差点だ・・・ツルヤみかげ店があったので判った。ついでだからここでジャムとドレッシングを買って行こう(^^;)
市街に入って、3月にオープンしたばかりだという子ども未来館の場所も思った通りのところだったけど、とりあえず通り越して昼食。野沢の近くにある蕎麦屋に行ったら「ごめんなさい、この後貸切になってしまうんですよ」
少し戻って別の店に。ここも混んでいて駐車場は狭いし・・・子供達はぶつぶつ文句を言う。ごめんごめん。
思った以上の量にすっかり満腹になって子ども未来館へ。プラネタリウムが追加料金を払わなければならないのが残念だけど(だから見なかった)、低料金で結構大人も楽しめますね。博物館よりも軽いノリでまとめてあるのが今風で子どもにはうけるんでしょうね。思ったとおり、単なるパネル展示なんかよりも、実際に身体を動かしたりして体験するもののほうが子供たちが興味を示していたみたい。ウチの子たちは、カフェテリアみたいなカウンターからラーメンやらアイスクリームなど好きな食べ物のカードを持ってきて、レジみたいなコーナーでバーコードを読み取らせて代金ならぬ栄養バランスの評価を見るという展示が気に入って、何度も選ぶ食べ物を替えて遊んでました。
入場券の半券。大人は500円
係員が館内に多く配置されているのが印象的で、下世話な話だけど入館者数とのバランスを考えたら絶対ペイしないよなと思ってしまいます。やっぱり行政が教育の一環として運営しないとやってゆけないだろうなぁ。
結衣のセルフィッシュ『かかーろ』
パソコンを使って魚をデザインし、それでゲームをするというシミュレーションもありました。父ちゃんはよく見てなかったんだけど、結衣がそれで『かかーろ』という名前の魚( セルフィッシュ というそうな)を作ったのですが、これは家に帰ってもインターネットを通じて育て続けることができるんですね。ゲームはできないんだけど、食べ物を与えることはできる。3ヶ月間はそうやってポイントを増やすことができるみたいで、帰ってきてから父ちゃんはせっせと餌やりに励んでいるのです。
相変わらず雨は降ったりやんだりだけど、もう日が照ることはなさそうです。夕方になり、本当は国道254号を内山峠越えで帰ろうかと思っていたのだけど(ちょうどコスモス街道が綺麗な頃だ)、今日は蕎麦屋を探して佐久を南北に行き来しているので、ここでまた岩村田から中込まで走るのも、空模様を見ると億劫な話です。それで近くの佐久インターから高速に乗ることにしたのですが、途中ですごい雨になってしまった。碓氷軽井沢インター(といいながら軽井沢の市街地から遠く離れた群馬県内にある)あたりは土砂降り。やっぱり素直に高速を使って帰ることにして良かったなぁと思ったのですが、翌朝のニュースを見てさらにビックリしました。なんと、上信越道と新幹線は不通になっていたのです。台風はまだ南方の海上にあったのですが、刺激された前線が上越国境に大雨を降らせて大きな被害をもたらしていたのでした。
ううむ、一日違いでよかった。