《2001.10》
We are Camp Brothers
前 夜

 話は8月のお盆休みに戻るのだけど、この夏休みはどこへも出かけることなく家で過ごしていたんですね。それで暇つぶしってこともないけど、何気なく ユニフレームのホームページ を覗いたら『みんなキャンプブラザーズ』と題して「小川キャンパル、ユニフレーム、スノーピークの3つのアウトドアメーカー合同のキャンプイベントを開催することが決定いたしました」とあるではないですか。
 昨年6月にユニフレームは 『ネイチャー・ミーティング 1st』 というイベントを実施していて、今年、2ndはどうするのかなぁと思っていたら、「秋に小川やSPと合同でやるよ」という話が父ちゃんの耳に入っていて、正式な告知を待っていたのですが、これがそうなんですね。
 期日が10月第2週の13日〜14日の土日、秋は子供の運動会やら学芸会などのイベントも多いし、まして我が家は小学校と幼稚園の両方の行事予定を気にしなくてはならないのですが、バッティングしたときはまた改めて考えることにして、とりあえず先着200組の制限に乗り遅れるなとばかりに即座に画面を通じて申し込んだのでした。
 結局のところ、2学期が始まって子供たちの行事とはぶつからずに済むことは判ったのですが、よく考えたら父ちゃんの会社が休みではなかった(^^; あわてて休暇願いを出しました。
 しかし、この時期の 戸隠 といったらかなり冷え込むことを覚悟しなくっちゃかな。気圧配置によっては雪が降ってもおかしくない時期と場所だもんな。そういう懸念もあるのか、満員御礼で締め切られるまで少し時間がかかったようでした。

 10月に入ったら結衣が風邪で熱を出してしまいました。
「咳が続くようだったら、結衣と私は残るからね」
 戸隠でのキャンプの翌週にあたる10月20日は結衣の幼稚園の運動会でした。幼稚園で最後の運動会だったし、組体操で結衣が抜けてクラスの他の子に迷惑を掛けるわけにもゆきません。前の週、体育の日の連休は家でおとなしくさせていて熱は下がったものの咳がどうしても抜けません。これはいよいよ父子キャンプかなぁ。
 父ちゃんとしてはできる限り家族揃って行きたかったのですが、運動会を控えていることも考えれば無理をさせるわけにもゆきません。それに結衣が赤ん坊の頃は、まだオムツをつけていた颯を連れて二人で何度もキャンプや旅行に出かけていたではありませんか(オムツをつけていたからこそ楽だったんだけどね。オムツが取れたばかりの子を連れ歩くのは大変だ)。
 久しぶりに男同士で出かけるのも悪くないかと父ちゃんは覚悟を決めて、そうだ、小さいテントを用意しなければと思ったのでした。
 いつも使っている我が家のテントは6〜7人用の大型ドームテント。床面積も広いけど、大人が立てる高さです。ということはテント内に燃焼器具を持ち込んでも天井付近ばかりが暖まり、横になって寝ている人間はちっとも暖房の恩恵を受けないのです。一度5月の那珂川で颯と二人で寝たことがあったけど寒かったもんなぁ。
 こういうときは2〜3人用の小型テントに限ります。その同じ那珂川で97年の11月に使ったきり、部屋の隅に転がっているやつを持って行くことにしなくっちゃな。でも、ほったらかしだったから傷んでないかがちょっと心配だな・・・なんて考えながら帰宅したのが出発前夜でした。ところが、家に帰った父ちゃんを出迎えた言葉は意外なものでした。
「ねぇ、あの小さなテントに4人寝られないかなぁ?」
 なんと母ちゃんは母ちゃんなりに結衣を連れて行くつもりで、小さなテントで身を寄せ合って暖かく寝ようと考えていたのでした。
「前に野反湖で大人3人とその荷物、ギター1台とオートハープ2台が入って寝たことがある・・・夏だったので日が昇ったら暑くて中にいられなかった」
「今回は荷物をスクリーンテントに置いておくから人だけが入ればいいじゃない」
「ここで張ってみるか?」
 ちょうどいいや、テントのチェックも兼ねて部屋の中で張ってみることにしました。小さい上に基本が登山用テントだから、狭い場所でも張れるのが嬉しいね。大きいほうのテントなんか、ポールをスリーブに通すときは先っぽが隣りのサイトや道路にはみ出して困るが、これはテントの床面積の周りに人が通れるくらいのスペースがあればいい。
 突然リビングルームの中に現れたテントに子供たちは驚喜して、こちらから声をかけなくても中に入ってきた。大丈夫、4人が横になれる。よし、寝るだけならかえってこの方が暖かく寝られるぞ・・・こらこら、また畳むんだから、いつまでも中に入ってるんじゃない。