《2001.10》
We are Camp Brothers
武蔵丘陵

 10月になり、そろそろ戸隠も近づいてきたので、ユニフレームの田瀬さんに挨拶のメールを出したら、体調を崩しているところに何かとあわただしくて大変だという返事と共に、「7、8日の連休は東松山の国営公園のキャンプ場で初心者を集めたイベントがありまして週末はなかなか休めません」と書いてあったのですね。
 はて、東松山の国営公園とは 森林公園 のことだろうが、あそこにキャンプ場があるとは聞いたことがないぞ。そこでインターネットで検索したら、森林公園の行事としてキャンプ体験教室みたいなものがあることが判りました。主催者は公園の管理事務所でもなく、ユニフレームでもない「オープン・フェスタ事務局」というところ。いきさつはよく判らないけど、これにユニフレームが協賛というか協力という形で参加するのだろうね。森林公園なら「関越道を東京方面へ行き来するときは東松山インターを利用」している我が家にとって通り道みたいなものです。他にもその日は『沼まつり』などいろんなイベントがあるそうなので、よし、行ってみよう。

嬉しそうに颯が走る
 それから、そうだ、まだマイルドセブンラリーをやっていたはずだと『BE-PAL』の付録についていた応募用紙や地図が入ったラリーブックを探したのです。今年のこのキャンペーンは、森林公園をはじめ、軽井沢や日光など我が家にも馴染みの地域が多く、チャレンジする機会があるかもしれないとしばらく保存しておいたのですね。でも、やっぱり行ってる暇ないよなぁと最近になって古新聞古雑誌の束の中に混じって紐で綴じられ、資源回収の日を待っていたのでした。
 家でラリーマップをじっと見てたらクイズの答えは判ってしまったけど、現地でスタンプを集めなければ応募資格が無いのですね。

 結衣は熱があるので母ちゃんと留守番。そのおかげといっては気の毒だけど、リアシートを倒してクルマに颯と父ちゃんの自転車を積むことができました。颯は前から自分の自転車を持って遠くに出かけてみたがっていたので嬉しそうです。
 森林公園の南口に着くと、入場券売り場にシャッターが降りているではないですか。あれれ、もう開園している時間なのに変だなと思ったら、この日(8日)は無料開放日なのだそうです。ラッキー!
 颯と二人で自転車を持って入ります。ゲートをくぐったところで自転車にまたがったら、サイクリングコースまで押して歩くようにとの表示が。そりゃそうだ。歩いている人にぶつかったりしたら危ないもんね。
 実は父ちゃん森林公園に入るのは初めてで、自転車が走れるのはサイクリングコースに限られていることを知らなかったのです。つまり、サイクリングコース以外では「押して歩くことも駄目」で、点在する広場や植物園へはコース脇の駐輪場に置いて歩いて行かなければならないのでした。
 田瀬さんが来ていると思われる花木園内のバーべキュー場(これを運営しているのがフライングディスクを売っている ヒーロー という会社だと知って、ユニフレームが関係しているいきさつがなんとなく 判ってきた )は、南口からサイクリングコースとは反対側に小山を越えたところにあって、展望広場の近くまで自転車で行ってしまった我われ親子は、自転車を置いて歩いて南口まで戻ることになったのでした。やれやれ。

 林の中の小径を歩き、小山を越えたら木々の間にテントの群れが見えてきました。『エアグランド』が目立つのはユニフレームが提供したのかな。本部と書かれたテント(宿泊用ではない、いわゆる運動会のテント)ではなく、その奥のタープの下にに田瀬さんの姿が見えたのでそちらに向かって歩いて行きます。お互いの表情が判るくらいに近づいたところで田瀬さんが気がついたようですね。こちらに向かって手を振り、一緒にいる人物に声をかけている。一人は山後常務だな。
「やぁ、おはよう」
「へへ、メールに書いたから、きっと来ると思ってましたよ」
「まんまと乗せられちゃったな」
 山後さんはもう一人の背の高い男性に父ちゃんのことを紹介してくれてます。
「こちら、わたなべまつおさん。今度の戸隠にも来てくれるんだよ」
 そんなに言われると恐縮してしまうのだけど、この背の高い男性が『キャンプブラザーズ』の実行委員、東京営業所の関口さんなのでした。
「ねえねえ、まつおさん。これが 来年発売予定の新製品 なんですよ」
 田瀬さんがて教えてくれたのは傍らに建ててあったスクリーンテント。ベンチレーターがついているのが心強いですね。実際は夏の虫除けよりも涼しい季節のシェルターとして使うことが多いからね。中で火を焚いたり、調理をするという前提でいなくっちゃ。我が家は去年ユニセラに食べ終えた焼き鳥の串をくべて、猛烈な煙が充満するという事態に陥ったことがあるのです。
 しかし、このスクリーンテント、真ん中に2本のテープが横たわっているのが気にかかりますね。フレームの位置決めや補強のためにあるのだろうけど、歩いていて足を引っ掛けそうだな。また、出入り口の地面に横たわってっているのがテント地と同じ生地でできた幅広のテープで、これを靴で踏んだときの汚れや生地の痛みが気になるなぁ。
 続いて田瀬さんが見せてくれたのが、昔のノースフェースのジオデシックドームを思い出させるテント。メッシュパネルを多用しているので夏向きだとのこと。入口から中を覗き込んでいると、山後さんが「まつおさん、中に入って寝転んでみてよ」
 仰向けになって天井を見ると、アクセントになっている青いラインが天頂部を横切って流れる感じが素敵だ。ドームテントにありがちな天頂部に向かって集中する感じが無く、広々としたおおらかな感じを受ける。
「なんだかプラネタリウムみたいですね」
 山後サンは嬉しそうにうなづく。
森林公園オリジナル「森華(しんか)」と
ご存知「ユニフレームビール」
 どうやら会場に試作品を持ち込んだものの、初心者が多いイベントだったので深い興味を示す人が少なかったところに父ちゃんがやって来たので、いろいろ話して聞かせたいといったところらしい。父ちゃんもこのまま昼の撤収時までいてもいい気分になりかけたが、颯が脇腹をつついて、早く自転車に乗ろうと小声で抗議する。
「ま、今日は子供と遊びにきたもんで。また戸隠で改めて」
「そうですね、じゃぁ戸隠で」
 へへ、一足先にいいもの見ちゃった。

 その後は颯と一緒にサイクリングをしたり、わんぱく広場でフィールドアスレチック風の遊具で遊んだり・・・売店で森林公園オリジナルの「カモミールで作った発泡酒」というものを見つけた。田瀬さんたちは仕事で来ていて、ああ見えても忙しいだろうから売店でこんなものを売っているとは気付かないまま帰ってしまうかもしれないな。一本買っておいて戸隠に持っていってやろう・・・空き瓶だけでも(^^;)