《2001.10》
We are Camp Brothers
交 歓

キャンプ場に着いたみんなを
迎えてくれる笑顔
  キャンプ場 に入って行くと、真っ先に目に飛び込んできたのが今回のイベントを表す真っ青な旗。白く染め抜かれた笑顔が爽やかです。
  受付 を済ませ、こちょびさんたちがもう到着しているか訊ねると、まだとのことでした。もっと早く来ているかと思ったんだけどなぁ。
 何日か前にFCAMPで「キャンプブラザーズに行く人いますか?」という問いかけの書き込みがあって、父ちゃんは「はい、行きますよ」とレスをつけたのですが、そのときこちょびさんも書き込んでいたのでした 。自他共に認めるスノーピークファンの彼ですから、きっと参加するだろうと思っていたのです。だったら3年ぶりに会えることになるだろうなと楽しみにしていたのですね。

 ところで我が家はどこに設営しようか。広大に見えるキャンプ場も、すでにかなりのテントで占められています。どこからか「ユニフレームのブースはこの上」という声が聞こえたので、とりあえず道なりに行ってみますか。
 なるほど、大型タープが張ってあって、展示コーナーというかスタッフ詰め所といった感じですね。その裏手のほうには 『エアグランド』 が並べて張ってある。行ってみると田瀬さんが張り綱の補強をしていたので声をかけました。どうやらこの並んだテントが「臨時社宅」ってとこかな。
 その並びの先の、ほとんどバンガローゾーンあたりにまだ余裕があって、ここなら水場も近いしトイレもそう遠くない。よし、ここに決めた。
 スクリーンテントを張り、テントを連結しようとして考えました。いつもの『シンドーム』はスクリーンテントの出入り口の片方に庇を突っ込むようにして設営するのですが、今回持ってきた『ICIオールシーズンドーム』は小さい上に背も低いので、同じようにやろうとすると隙間が大きくなってしまうのですね。これじゃぁ夜、寒くて大変だ。それで、今回は単に並べておくだけにしました。そうだそうだと思いついて2.2×2.3mのタープを上に張ったらますます見た目が変になったけど、このタープは夜露よけに絶大な効果を挙げました。タープとしてはもう15年も使っていなかったけど、今回は持ってきておいて良かったもののひとつでした。

テントエリアの一番奥に設営
小さなテントがオマケのように見える
二斗樽が開いた
シェラカップ持参で見守る人も
初日の昼食は
持参のお弁当で
秋色の広いサイトに
スノーピークのテントの色が融け込んでいる
 ざっと設営が済んだのでユニフレームのブースにご挨拶です。歩いて行く途中、スノーピークの山井さんとすれ違ったので「こんにちは」と声をかけたのですが、声をかけたくらいでは父ちゃんのことは思い出さないでしょうね。3年前に安塚でと言えば思い出すでしょうけど。父ちゃんにとっては「山井さん」なのですが、最近では「*tohruさん」として ネット上で有名 になっているみたいで、ここでもこれからそう呼ぶことにしましょうか。
 ユニフレームのタープの下に行き「こんにちは」と声をかけてくれると、操さんが「こんにちは、昨年はどうも」・・・そうそう、去年のイベントで設営している我が家に声をかけてくださったのでした。やがて山後常務が戻ってきて、こちらとは 5日ぶり の再会。
 そうこうするうちに開会式ってほどじゃないけど鏡開きのオープニング。3社の代表者によるぺグハンマーでの鏡開きで、これから過ごすキャンプへの期待が盛り上がってきたのでした。

 キャンプ場を見渡すと、あることに気がつきます。それはテントのシェアなんですが、一昔前まではキャンプ場に行くと小川のロッジ型は別格として、モンベルのムーンライトシリーズや、ダンロップ、ヨーレイカの製品で占められていたような気がするんですね。それがここ1、2年、圧倒的にコールマンが増えたように思えるんです。山のテント場とかはどうだか判らないけど、ファミリーキャンプで訪れるオートキャンプ場ではそんな印象なのですね。ところが、今回はスノーピークのテントがやたらと目立つ。ユニフレームのエアグランドがこんなに並んでいるのも他ではちょっと見ないし・・・まぁ、これは3社合同のイベントだから、製品ユーザーが集まるのは無理もないですね。それにしてもスノーピークファンが特に多く感じるのだけど。
 今回のイベントの告知はほとんどインターネット上に限られたみたいで(一部のアウトドアショップにも掲示があった)、そうなるとたまたまアクセスした人だけが知るということになってしまいますよね。スノーピークのサイトはアスタリスククラブというネット会員制があり、登録しておけばメールが届いたりするので、そういう意味ではスノーピークのサイトをよく利用する人が情報を得やすいのかなとも思いますね(父ちゃんも出発前に会員登録した)。
 父ちゃんはどちらかというと最近はユニフレーマー(造語)に見られているけど、実は隠れスノーピーカー(これも造語)だったりするのですね。でも、持っている製品はほとんど旧社名のヤマコウ製。ランタンハンガーLなんかはまだブリスターパックの封を切ってないのが1個あったりします。その後スクリーンテントを買ってしまって出番がないのです。

 まあそんなことはどうでもいいや、今日は風もなく穏やかな秋の陽射しを愉しみましょう。
 戸隠キャンプ場の下調べをしていて、近くに 牧場 があるみたいだと言ったら子供たちがそれを楽しみにして行きたいと言ってました。それでクルマを出さなくてはいけないのかなと思っていたら何のことはない、キャンプ場のはずれに売店があるみたいだねと歩いて行ったその裏でした。
 キャンプ場の中からだと林が前景になっていた戸隠山が、ここからは見事に丸見え。屏風のようにそびえる姿と紅葉の美しさが素敵です。入口を入った先では何人もの人たちがカメラを構えたりイーゼルを立てて写生をしています。
 3時からイベントも始まるようだから、それまで2時間くらい遊んでくるかと入場料を払って中に入ったのですが、秋のこの時期、放牧は終わったらしくて馬が一頭、牛が少々遠くに見えるだけ。小動物園と書かれたところにもウサギとニワトリが淋しそうに檻に入っているだけで、子供たちが楽しめそうなところはブランコと滑り台くらい。これがもっと山の中に入ってハイキングやトレッキングを愉しむならば入山料として割り切れるのですが、30分しか間が持たない我が家にとってはずいぶん高い入場料でした。

牧場の入口付近には
写真撮影やスケッチをする人が何人もいた
美味しそうなパンが焼けた
カタログ写真みたいでしょと山後さん
室井シェフの実演。使っているのは
雪峰鋳鉄組鍋(ぶんぶく)、近日発売予定
テントポールの廃材で
風鈴を作った
 結局キャンプ場に戻ってぶらぶらです。子供たちを フライングディスク やストーンペインティングで遊ばせて、父ちゃんと母ちゃんは場内のいろんなサイトを見て回るうち、こちょび&おそでさんのサイトを見つけました。実は我が家が設営をはじめた頃、こちょびさんとは携帯電話で連絡が取れて受付に着いたことが判っていたのですが、我が家の居場所の伝え方が悪かったのか、まるっきり離れた場所に設営していたのでした。静かな林の中に 綺麗にレイアウトされたサイト は絵になっていました。
 再び(か三度かそれ以上)ユニフレームのブースに戻ってきたら、なんと松井さんがいるではないですか。向こうも父ちゃんの顔を見て「あれぇ、こんなところで会うとは思ってもみなかったなぁ!」
 でも、考えてみたら不思議はないんです。松井さんは山後さんや*tohruさんの友人だし、父ちゃん自身も山後さんと親しく話せるのは松井さんの知り合いだからという思いがどこかにあるんですね。でも、3人が一緒に顔を合わせるのはこれが初めてなんです。それで去年初めて山後さんと会ったとき、話しっぷりが松井さんに似ていると感じたことを言ったら「俺、こいつみたいに態度でかくないもん」「俺、そんなにうるさくないもん」・・・やっぱり似ているな。

  ユニフレームのコーナー ではダッジオーブンを使った調理教室を予定していて、そろそろ支度にかかろうかという頃、なにやら   スノーピークのコーナー は黒山の人だかり。行ってみると室井克義シェフの実演でした。
「・・・あっちが終わってから始めようか」
「シェフに負けるな!」
 こちらの『焼きリンゴつくり』も、自分たちで作るというのが受けて親子連れの参加で賑わいました。母ちゃんと結衣もチャレンジ。今度は家でもやってみたいというわけで、翌週の日曜日は庭で火遊びすることになったのでした。

    小川キャンパルのコーナー では風鈴つくりをやっていました。修理やクレームで持ち込まれた古いテントポールを30cmくらいに切断し、それに紐をつけてという工作です。面白そうなので颯にやらせようとしたら、
「むずかしそうだから嫌だ、お父がやってみてよ」
 はい、しっかり父ちゃんが面白がってやらせていただきました。ま、颯は紐を結ぶのが苦手だからなぁ。でも、ちゃんと手伝ってくれてありがとう。
 その颯は苦手な山道のドライブで疲れたのか、夕食を食べ終わるや否や「横になる」と言ってテントに行き、そのままコトンと寝てしまいました。
 かたや風邪で参加を危ぶんでいた結衣の方はすっかり元気になって目がランラン、夜の大抽選会に行って賞品のシュラフを抱えて帰ってきたのでした。
 まるで子供会のキャンプファイアーのような大きな焚き火が燃え上がる広場で行われた、総額100万円超の各社製品が当たる大抽選会。テントが当たったらどうやって持って帰ろうかなんて皮算用もしていたのですが、シュラフではちょっと複雑な気分。我が家は人数分以上持っているしなぁ。でも、せっかく当たったんだから、薄くて真夏しか使えないものを処分して・・・。

田瀬&操「芯を抜いたリンゴに・・・」
なんだか実演販売みたい
作って食べてご満悦
写真提供:(株)ユニフレーム
焚き木に火がついた
お楽しみはこれからだ
用意された賞品の山
憧れのグッズを持ち帰れるか
 抽選会が終わって一時広場は解散。とはいうものの「空クジなし、各社小物争奪最終選考」に残った人たちの熱い歓声が続いています。その後は大人の時間、焚き火トークです。でも、父ちゃんは参加しませんでした。
 なんだか人数が多すぎて「トーク」と言う気分が出なかったし、逆に興に乗ってつい呑み過ぎてしまうかも知れなかったし。それでユニフレームのコーナーに行ったら、田瀬さんや操さん、それに若い人たちが集まってファイアーグリルの小さな焚き火を囲んでいたので中に入れてもらいました。
「まつおさんもドンドンやってください」
 操さんが段ボールの箱の中から『ユニフレームビール』を出して勧めてくれます。酒税法の関係でユニフレームが販売できないこのビール、今回も参加記念品セットの中に1本入っていたけど、ひょっとして従業員慰安用に作っているのではなかろうか。「ほら、今度のイベントの休日出勤、ビール飲み放題にしてやるから行ってこい」なんてね(^^;)
 それにしても今回、操さんがやけに父ちゃんに親切にしてくれたように感じたのですが、ひょっとして去年のイベントで彼の首でも締めて服従を誓わせたのかなぁ・・・酔って記憶が途切れているあの時に。

 この夜はそれほど寒いとは感じず、ビールを飲んでいてもキツイとは思わなかったのですが、このときすでに気温はかなり下がっていたようです。
「テントも(展示用に外に出していた)シュラフも凍っているぞ」
 そう言いながら一度焚き火トークから戻ってきた山後さんは腕まくりをしています。きっと熱く盛り上がっているんでしょうね。椅子を取りにやって来た関口さんは「まつおさん、焚き火のほうに行かないんですか」と訊ねてくれましたが、ここで静かに若い人の雑談を聞いているほうがいいな。
 結衣を寝かしつけた後でお相伴にやってくると思った母ちゃんがなかなか姿を見せません。さらにビールを勧めてくれる操さんには悪いけど、父ちゃんもテントに戻ることにします。考えたら今朝は3時から起きてるものなぁ。それに普段の父ちゃんは9時には寝ているし・・・。

 テントに戻ったら案の定、母ちゃんは子供たちと一緒に眠っていました。では父ちゃんもシュラフにもぐりこもうとしたら、あらっ?
 父ちゃんが今使っているシュラフはL.L.Beanの『ブリトーバッグ』とかいう名前の封筒型の変形で、フリースのインナーを畳み込むようになっているのですが、これがねじれて体がうまく入らない。すでに3人が寝ている狭いテントの中で広げて畳み直すのは難しそうだったので、諦めて掛け布団代わりに足元に広げてあった別のシュラフに身体を入れました。買ったときは3季用だったけど、中綿がヘタッていて夏でも涼しいんだよなぁ、これ。
 でも、寝ていて寒さを感じなかったのは小さなテントにしたからでしょうね。容積が小さくなったばかりではなく、底面積が半分になった分だけマットやシートを二重に使えて地面からの冷えをさえぎってくれました。