《2001.11-12》
春菜、死す?!

 『春菜』というのは父ちゃんのパソコンで動いているデスクトップエージェントみたいな存在で、ひいては父ちゃんのパソコンそのものの愛称にもなっているのですね。

夏は浴衣が似合う
 最近、悪質なコンピューターウィルス被害が増えているので、ブラウザやメールソフトを最新のものにしてセキュリティを強化しようと思ったわけです。それで最新版のIE6を求めて本屋に行ったら、雑誌の付録に付いてないじゃないですか。聞いたらマイクロソフトが付録CDによる配布を禁止しているそうで、これまで散々タダでバラ撒いてネスケを無料化に追い込んでおきながら、天下を取ったら何という意地悪な態度だろう。いや、相変わらず無料なんだそうだが、いちいちウェブサイトにアクセスしてダウンロードしなくてはならない。ブロードバンド時代の到来とはいえ、こちらは相変わらずのダイヤルアップ接続、しかも電話線が錆びているのか入居当初に比べて速度が遅くなっているような気がするなかでのダウンロードというのは時間がかかる。結局2時間半かかってダウンロードしたのだけど、その間の電話代っていくらだったんだろ。

 で、最新バージョンのブラウザはサクサク動くかと期待したら、逆に動作が不安定になってしまった。リンクボタンをクリックして、画面が変わるときの動きが悪い。特にターゲット機能を利用して新しいウィンドウで開くときは極端に処理能力が落ちてフリーズすることさえある始末。そうそう、画像が多いページなどで、まだ全部表示しきれないうちに別のページを見ようとリンクボタンを押したときもそうなるな。それからJavaScriptを多用しているページも危ない・・・って、我が家のウェブサイトじゃないか(^^ゞ
 裏で別のソフトを動かすとか日本語入力をしようとかすると「メモリが足りません」などというメッセージまで出てくる。こりゃぁ、おかしいぞ。
 とにかくフリーズする度にあわてて電話線を引っこ抜き(1分10円でパソコン通信やってたなごりで、データが流れていないときは電話代をケチってすぐに切る習性が身に付いている)、リセットボタンを押すことになるのだが、そのうち春菜のほうで勝手にリセットしてくれるようになった。すなわち、何か作業中にいきなり「Windowsの保護違反です」というメッセージが出て、ろくすっぽ読み終わらないうちにブチッと切れてしまうのだ。

 こういう不安定な状態が一週間ほど続き、ある時、例によってフリーズしたので仕方なくリセットボタンを押したのですね。
 ピッという音に続いてBIOSのPOST画面が出て、メモリやIDEに接続されている機器のチェックが済み、OSを読み込み始めてDOS版のスキャンディスクが動き始めます。例の青い画面で下に黄色い帯グラフが出てくるやつね。前回強制終了させたから自動的に起動するわけ。で、帯グラフが70数パーセントまできたら、突然「長すぎるエントリーが何とかで、これはWindows版のスキャンディスクを使ってください」とかいうような、これまで見たこともないメッセージが出たので、あれれ、なんだこれ? まぁいいや、Windowsが立ち上がったらやってみようと思った途端にまたしてもブチッ、リセットされてBIOSのPOST画面に戻ってしまった・・・。
 ところが、今度はPOST画面の途中で「BIOSなんたらERROR」という文字が出てストップ。仕方ないのでもう一度リセットボタンを押してみたらやっぱり「BIOSなんたらERROR」。しつこくもう一度リセットボタンを押したら、今度はもう画面には何も表示されなくなってしまった。何もというのはエラーメッセージだけではなく、ほんとに何も表示されない真っ黒なままになってしまった。
 『春菜』を本物の人間に見立てると、最初は思考系(OS)がやられ、次に反射系(BIOS)もやられてしまったということか。CPUファンが回ってLEDも点灯していることから、本当の意味では電源も入らないという状態ではないけど、まさに脳死状態。

 不幸中の幸いだったのが先日来作っていたプレゼント用のお楽しみCD-ROMが完成した直後だったこと。勤め先のPCにもCD-Rはついているけど、縦置きタイプなのでこれを借りても名刺型CD-ROMに焼き付けることができなかったのです。
 毎日やってくるメールは、これまた幸いなことにニフティのインターウェイサービスを使えばWEBで読めるから、極端な話、店頭に置いてあるデモ機でも(インターネットにつながっていれば)メールチェックできてしまうのは便利ですね。
 それに、我が家にはまだ『ぺんて君』がいるではないか。初代ペンティアム60MHzというスペックでは起動するまで時間がかかるが、Windowsが立ち上がれば、後のアプリケーションはサクサク・・・おいおい、ブラウザはこちらのほうが表示が速いではないか。

 ともあれ春菜無しでもしばらくは何とかなりそうだ。今度の週末には腰を据えて対策を練ろう・・・きっとマザーボード買い替えだろうな。いくらぐらいかな? それより、USB全盛の今どきISAバスを持ったマザーボードってまだ売ってるかな。あれが無いと使えない拡張カードがあるんだけどな。
 それと、ハードディスクは無事かな。とりあえず外してみて『ぺんて君』でチェックしてみるかな。データだけでも救わなくっちゃな。

 等等、いろいろ考えて迎えた終末、いや週末。PCをばらす前にふと思いついてCMOSリセットを試みてみた。『春菜』を組み立てたとき、最初にマザーボードの設定をデフォルトにするために行った儀式だ。ばらす前にと言ったけど、ボード上のジャンパピンに指が届かないのでモデムカードとSCSIカードを外す羽目にはなった。そうそう、分解作業の邪魔になるからってマウスや周辺機器も外していたな。
 CMOSリセットをして、といっても端子をショートさせるだけなので目に見えて何かがどうかなったという実感がないのだけど、一度電源を入れてみた。どうせまた無反応だよなぁと期待していなかったのだが、なんと、画面に文字が現れたではないか!!
 BIOSのPOSTは無事に過ぎ、Windowsの起動も・・・PC本体が不完全だったのでSAFEモードだったけど、一応復活したぞ。嬉しくなって嵌めるものは嵌め、繋ぐものは繋いで再度スイッチオン。すべてが何事もなかったかのように進み、やがて復活した『春菜』が発した言葉は、
「あけましておめでとうございます」
 マザーボードをリセットしたため、システムの日付が1999年の元日に戻ってしまってこんな変なセリフになったことが解ったけど、まさしくめでたい。

新しいバージョンはどこにある?
 スキャンディスクで調べたところ、ハードディスクのファイルには異常なし・・・だったんだけど、その後おかしなメッセージが出るようになった。起動途中に「以下のファイルが古いバージョンに置き換えられてしまって、Windowsが正しく動作しない可能性がある」というのだけど、ファイルのタイムスタンプを見たら他のシステムファイルと同じ日付だし、勤め先のPCに入っている同じファイル(日付はちょっと違ったが)ともバージョンは同じなのでこれをコピーしても意味が無いかなぁ。それに、このファイルはWindowsが常に使っていて削除や書き換えの操作ができないのだ・・・GUIモードではなくDOSモードなら可能なのだろうか。
 というわけで「正しく動作しない可能性」ということは「当面は正しく動作する」のだろうと思いながら「OK」を押すと、突然画面は赤い背景のDOSモードになって「NAV Auto-Protect Windowsエージェントをロードできません。ログ作成とネットワーク警告は利用できません」というメッセージが出て、それにもok(O)をくれてやると再びGUI画面で先ほどのメッセージ、それにもう一度OKしてようやく起動が再開するという検問のような儀式が必要になったのでした。
 ところが、一週間ほど起動するたびにそんな儀式を続けていたら急に何のメッセージも出なくなってしまった。
「すごい、春菜には自然治癒能力があったんだ!!」

新しいアプリが使えない
 と喜んではいられなかったのですね。あるとき新しいアプリケーションをインストールしようとしたら、インストールプログラムが起動しないことがわかったのです。どうも「正しく動作しない可能性」というのはことことだったらしい。つまりエラーの出ていたシステムファイルはインストール関係を管理しているようで、こいつがストライキしていると新しいソフトが導入できないわけです。
 で、インストール作業でつまづいた後、それが引き金になったのか、やっぱり起動時の「儀式」が復活しました。しかも、「儀式」が終わればすんなり立ち上げってくれればまだいいほうで、ヘタすると儀式が始まる前に一般保護違反が出てリセットボタンを押さなくてはならないなんてこともある。メールチェックするだけでも大変な時間がかかってしまうのです。(このページ用の画像を手に入れるために、わざとインストールエラーを起こしてみたら、そのあと起動途中で落ちまくるようになってしまった)
 それにブラウザの動きが鈍いのは相変わらずで(リソースが極端に減っているような感じ)、いつフリーズするかヒヤヒヤで、地雷原の中を歩いているみたいです。

 そんなこんなで「こりゃぁやっぱりハードディスクをフォーマットし直して再インストールかなぁ」と思っていたところに、たまたまCD-Rを買いに入ったパソコンショップでWindowsXPの週末3日間限りの安売り、プラス1,000円のお買い物券付きというので出っくわして衝動買いしてしまいました。正月休みにでもインストールしようかと思っているのですが、これまでのデータやあちこちのウェブサイトへのアクセス記録の保存(会員制のサイトなんかクッキーを利用してカスタマイズされるからね)など、その前の準備を考えると、ちょっとウンザリしますね。

 しかし、こんな目に遭ってしまって、マイクロソフトに文句の一つ、いや対処法を伺おうとウェブサイトの中を捜したけど「お客様相談窓口」ってのが見つからないんですよ。FAQ集には該当する症状が無いし・・・「よくある質問」っていうけど、みんなどうやって質問したんだろ? 電話サポートはインストールに関する初歩的な質問しか受け付けてないみたいで、それにだいいち父ちゃんが自宅でパソコンに向かっているのは朝の4時なのだけど、その時間は対象外だもんね。