《2004.05》 ■ ジタバタしながらも、時はゆっくりと流れる 

 管理棟で受付を済ませ、少し離れたところにあるオートキャンプ場にクルマを入れます。何度も言うようだけど、いつも受け付け開始時刻を待ちかねたようにチェックインしている我が家としては珍しく遅い到着。もう周りのサイトでは夕食の支度中かな。遅くやってきた上にドタバタ設営していたのでは周りに迷惑、というより格好悪い。ここは手際良くスムースかつスマートに設営しなければ…あれ、ハンマーが無いぞ。颯や、そのへんで石っころ拾ってきてくれ。
 とまぁテキパキと(^^ゞ テントを張ってスクリーンテントも建て、キッチンその他もレイアウト。仕上げに電工ドラムを出してきてコンセントを探します。そう、このキャンプ場は全サイト電源付きなんです。って、去年泊まったサイトでは背後に電源ボックスがあって占有したのだけれど、今年のサイトはお隣さんとの間に電源ボックスがあり、2口あるコンセントが1個使用中。どうやら共用ということらしいですね。容量を見ると500Wとなっていて、2サイトでこれはかなり厳しいですなぁ。
今回、サイトではノンビリ過ごせた…かな
 我が家は持ってきてはいないけど、サイトの電源で何を使うかというと、電気カーペットや炊飯器なんていう人が結構いて、500Wではとても足りないですね。しかもそれを2サイトで分け合って、ですからね。お隣さん(や、他のサイトでもよく見かけた)は電気ポットを持ってきているようで、翌日のことだけれど一度ブレーカーが落ちました。
 さて、我が家が持ち込んだ電気製品はと言うと、まずはポータブル冷蔵庫。AC・DC切り替え式でクルマの中でも家庭でも、ってやつです。一昨年にこれを買って長者の森で使ったときはあまりの便利さに感動したけど、昨年あたりから急に冷えなくなってきて、まぁ2泊のキャンプでクーラーボックス一つではビールと食料両方を入れるには心もとないので分散用ってとこでしょうか。
 それと今回初めて持ち込んだのが、電球。家の中で棚板なんかにクリップで挟んで使っている小さなレフランプを2個持ってきました…どうして今まで考え付かなかったんでしょうね。ランタンにこだわりすぎていたのかなぁ。キッチンテーブルの前に立てたポールやスクリーンテントのフレームにパチンと留めてやれば簡単に照明が得られるではないですか。
 冷蔵庫とレフランプ2個。総消費電力は140W⁄hであります。あ、そうそう、デジカメの電池の充電にも使えますねぇ…と、その前に子供たちがしっかりゲームボーイの充電をしておりました。

 管理人のオジさんが言ったように、夜は少々冷え込みましたが、まぁ我慢できないほどでは無かったです。それでも父ちゃんは夜が明けるのが待ち遠しかった。
 朝になり、母ちゃんがシャワー室から出てきた男性を見て私もと浴びに行ってきました。去年は故障しているとかで使わなかったけど、ここは温水シャワーがあるのです。しかも無料。いやぁ、500Wを分け合うとはいえ電気が使えてシャワーも付いて、1泊2,500円。我が家の住宅ローンを日割りするより安いんじゃないか? 続いて父ちゃんもシャワーを浴びにいったんだけど、バタンとドアを閉めたらそのショックでボタンも押さないのにお湯が出てきて、あせって服を脱ぎました。でも、朝からシャワーを浴びて身も心もサッパリ、いい気分です。

最初は意気揚々と 少し疲れてきた
 さて、今日は予定通り榛名湖で過ごそうか。あ、今日は「一筆書き」はナシですね。この周辺で遊ぶつもりなのに、一筆書きにこだわっていたらキャンプ場に戻ってくる道が無くなってしまいます。
 伊香保側から登っていったところにあるのがヤセオネ峠。ここから外輪山の尾根伝いに歩くのはなかなか面白いハイキングコースなのだけど、興味があって自発的に歩くのならまだしも、さぁここを歩くんだよと言われて歩く子供の足では無理かなぁ。と考えて湖畔の駐車場へ来てみたのですが、榛名湖を一周歩くのさえ大変そうだなと思える広さです。かつて父ちゃん会社の研修か何かで来た際に、湖畔を一周走ったことがあったと思うのだけど、今こうやって湖の広さを目の当たりにすると、記憶違いとしか思えませんなぁ。とても走れるとは思えない。途中で遭難してしまうこと必定です。
 まぁ歩き始める前からくじけてばかりでは仕方ないので、とりあえず湖畔の遊歩道を温泉の方まで歩いてみることにします。途中ちょっと道が荒れている場所もあって、うっかり足を滑らせたら湖にドボンだな、なんて思うトコもありましたが、そういう場所を過ぎて車道からアプローチしやすい場所に出ると釣りに来ている人、釣りのついでにバーベキューしようとしている人、バーベキューだけが目的のグループ、などと少しずつ賑やかになってきますね。
 これは以前、赤城山の大沼でも感じたことなのですが、観光バスが通る側は、わりあい着飾った格好をした人たちが既存の施設で遊んだり飲食したりという光景が見られるのですが、こうやって奥まったところに来ると、たいていは地元の人がキャンプやバーベキューなどワイルドな遊びをする人たちばかりになってくるようです。皆さん、ちゃあんと場所を知ってるんですね。
 湖畔一周の4分の1くらいになるのでしょうかね。わりとあっさり榛名湖温泉に着いてしまいました。今ここで入浴して行くにはまだ時間が早すぎるような…まして昼食は(颯は腹が減ったと言っているけど、こいつは食後すぐでも「腹へったと言うからなぁ」)という頃合いです。
 プリントアウトしてきたガイドマップには、ここからロープウェーの頂上駅まで行く遊歩道(登山道)があるそうなので、山に登ってロープウェーで降りてクルマのところに戻ろうかとも思ったのですが、目の前の山は、見上げれば首が痛くなりそうな急斜面で、登山道の入り口はどこだろうと探す努力を放棄したくなるぅ…結局、今歩いてきた道をそのまま引き返しました。ああ情けねぇ。

周囲に気を配る余裕も出てきた
 駐車場まで戻ってくると、やっぱりこの周辺はレジャーボートの桟橋があったり、乗馬やレンタサイクルなど、ドライブ客相手の観光遊戯施設といいますか、財布と気持ちが疲れそうなものが多いですねぇ。もちろんそれがまるっきり悪いわけでもなく、楽しく遊ぶ時だってあるのですが、今年は静かに過ごしたい気分なんです。だから伊香保にも行くつもりがないのですね。
 といって、子供にも付き合えと無理強いするのは良くないのかな。颯がゴーカートに乗りたいと言うので、一人で行ってこれるかと言うと、大丈夫だよと駆け出してゆきました。うん、怖がらずにスピードを出せるようになってきたな。

 さて、さすがに昼食のことを考えなくってはいけません。榛名湖と言えばワカサギ料理なんでしょうが、季節外れに高い金払うのもなんだし…ええい、面倒くさい。もともと明日の朝食の材料をどこかで買い足さなくてはと思っていたこともあり、思い切って山を降りることにしました。榛名の町を過ぎ、前の日に入り口近くで道路が混んでいたショッピングセンターへ。スナックコーナーで簡単に昼食を済ませて買い物を済ませます。昨日の草津もキャンプに来ている感じがしなかったけど、これもまた別の意味でキャンプらしくないですね。休日に近所のショッピングセンターに来ているのと同じような気分です。
 再び榛名湖に向かって登って行くのですが、同じ道を戻るのは芸がないので(それに去年もここを登って行ったし)、箕郷町まで山麓を平行移動してそこから登って行きます。最初はカーブもなく一直線に登る道だったのですが、最後の方は道も狭くカーブだらけになりました。ま、父ちゃんはこういう道が好みです(^^)
 今度はクルマで榛名湖温泉に乗り付けます。午前中歩いてきて知っていたのですが、ここには『レークサイドゆうすげ』『ゆうすげ元湯』の2軒の施設があるのですね。後者のほうが建物が新しくて大きく、お客さんで賑わっている感じです。で、入浴料も100円高い。我が家はもちろん前者の方に行ったのですが、名前の通りこちらが湖に近くて風呂場の窓からは湖しか見えない。人が少ない分だけ静かに入浴できて気分が休まりました。(どちらも町営? ホームページを見比べても、洗練度の差が歴然ですなぁ ^^;)

形が綺麗でしょ
 風呂に入って気分が落ち着いたらあとはもうキャンプ場に戻りましょう…ありゃりゃ、伊香保に向かって渋滞だ。ウチはこの先で左折したいんだけどなぁ。
 と、伊香保の町の方から著名な旅館の名前が入ったクルマが出てきたかと思うと、我が家同様に東村へ向かう坂道を下って行きます。どこへ行くのかなぁと見ていると、今度は伊香の温泉街、つまりその旅館のある方向に向かう坂道を登って行くではありませんか。
「するってぇと、何かい、伊香保の町ん中が通り抜けられないから山を下って迂回したってわけかい!?」
 つくづく今年は伊香保の町の中に行かなくて良かったと思いましたね。戻ってきたキャンプ場は、去年も書いたけど伊香保からわずか5、6分のところだというのに、通るクルマも滅多に来ない静かなところなんですから、このギャップには驚くやら笑ってしまうやらです。(今年は去年以上に通るクルマが少なく感じた)

 そうだ、焚き火用に松ぼっくりを拾っておこう。展望台の近くの林には松ぼっくりがいっぱい落ちているのを知っているのです。どうせ炎を見て楽しむためだけの焚き火だから、散歩がてらに松ぼっくりを拾ってくるのも楽しみの一つです。我々以外には誰もいないのか、静かな林の中で面白いように松ぼっくりが拾えます。しかし、森林公園というからもっと規模の大きな森をイメージするのですが、正直なところ我が家の近所の小山の方が林の中の散策を楽しめるなぁ。
左側の木を植えた二人は今頃…
 ところで、道路に面した斜面に「結婚の森」という名前がついているのですが、今年ようやく由来が判りました。つまり、結婚の記念植樹を受け付けている(らしい)のです。よく見ると斜面に植えられた苗木には日付とカップルの名が書かれた札が添えられていました。とまあ、それはそれでいいのだけれど、すくすく育っている木ばかりではありません。中には途中で枯れてしまっているのもあり、これを植えたカップルは今頃どうなっているのかなぁと案じずにいられませんでしたね。

 閑話休題。おおい、おやつにピザでも焼こうよ。なぁんて言ってもLICAさんちみたいに粉を練って発酵させてなんて本格的なことはできっこありません。ピザの台やチーズにソースなどが一枚分のセットになって売られているやつです。それでもまぁ自分で好きなものをトッピングしたりして手作り気分にはなれるってヤツですね。子供たちが面白がって取り掛かりました。でも、やっぱり出来合いのヤツってのは欠点がありますね。直径が我が家のスキレットよりもわずかに大きかった。底に着かずに宙に浮いた状態…それでも自分たちで作って野外で食べれば美味しいんですからキャンプは素敵ですね。
ピザ作りは結構夢中になる 火遊びは楽しい!
 ピザを作るときに、スクリーンテントからテーブルを外に出したのでそのまま夕食もスクリーンテントの外で食べます。我が家にとって基本的にスクリーンテントは寒さよけですから、気候が良ければ外で食べる方が気分がいいですね。大きな声出して騒がないように気をつけなければいけませんが。
 食後は松ぼっくりをくべて焚き火です…今日はいろんなことをやったような、これといってまとまったことをやらなかったような、充実感があるような無いような、相変わらずの一日でした。

 明け方、パラパラとテントに当たる雨の音で目が覚めました。あちゃぁ。
 母ちゃんや子供たちはまだ眠っています。父ちゃん一人でテントから出て、ポツリポツリと落ちてくる雨を見ながらどうしたものかなぁ、と考えます。昨夜の残りの松ぼっくりに火をつけて、缶ビールを飲んでいるうちにどうやら空が明るくなってきて、何とか雨の方はおさまってくれそうな気配です。やがて皆んなが起きてきたころには雨はやんでしまい、父ちゃんとしてはホッとしたのでありますが、母ちゃんや子供たちの視線は燃やし尽くした松ぼっくりと足元に2つ転がったビール缶に向かっていて、父ちゃん早起きして何やってるの、いや、雨の中の撤収になるかと心配してたんだ、ホントだよ(^^ゞ
 ともあれ、タオルでテントを拭いたりしながらも無事に撤収完了であります。

 さて、それでは出発。土産を買う都合もあるので、渋滞に巻き込まれるのを覚悟で伊香保経由です。途中で饅頭屋に立ち寄りながら、しっかりと渋滞にハマってしまいました。と言っても距離にしてわずか600mでしたけどね。渋川の市街に向かうクルマの列と別れて水沢観音方面へ右折。ま、今日も渋川方面からクルマが登ってくるところへこちらから右折しようとするクルマも多いから流れが滞って渋滞を引き起こしているわけなんですけど、曲がってしまえばスイスイと坂道を下ってゆきます。
 子供たちが友達に何か土産を買いたいというので、ちょっと『ハルナグラス』に立ち寄って後はそのまま高崎へ。関越道の高崎IC近くにある『ウェルサンピア高崎』で昼食です。キャンプの帰り道にホテルのレストランで食事をしてゆこうと考えたのには訳があります。
サンピア高崎は関越道からもよく見える
 ここはホテルと言っても公共の宿・厚生年金事業振興団が運営している施設で、一昨年行った新潟村上のホテルと同系列なわけです。で、村上に泊まった時についたポイントの有効期限が2年後の今年7月、みすみす無効にしてしまうのはモッタイナイと今回ここで食事をすることで消化しようと思ったわけです。さて、どんなメニューがあるのやらとやって来たのですが、折からゴールデンウィークの特別企画とかでランチバイキング。比較的リーズナブルな値段でめいめい好きなものをお腹いっぱい食べたのでした。いや、リーズナブルな上に500ポイント=500円単位でポイントを使ったら現金の支払いが150円でした。このホテルは夏のプールはともかく冬はスケートができるそうで前から気になっていたトコだったのですが、今回場所も判ったので、また遊びに来ようかとも思います。残ったポイントの有効期限はさらに2年間延びたことだし(と言っても、もうそんなに残ってはいないか)。

 最後にもう一ヶ所、『道の駅・ふじおか』に寄って帰ることにします。今いる場所が高崎ICの近くだから、藤岡までは県道・前橋長瀞線を使うのが一番近道…と、ふつう誰だって思うよなぁ。『道の駅・ふじおか』は、上信越道上り線の藤岡PA(ICに併設)に隣接していて、高速道路を使っている人もPAにクルマを置いて徒歩で利用することができるのです。残念ながら下り線からは利用できません(PAも無い)。という事情があるものだから、我がカーナビはわざわざ高崎市街を横切って観音山に向かい、そこから南下して上信越道の吉井ICから高速道路を使って藤岡PAに行けと指図するのです。馬鹿馬鹿しくってカーナビは無視。あくまでも県道を走ります。
颯、噴水で遊ぶ。後方の観覧車も乗ってみた
 この県道を走るルート、もちろん最短ルートでもあるわけなんですが、往きに高崎に向かって走った国道17号と立体交差するってものミソなんです。一筆書きがより完璧になるじゃぁないですか(^^)v
 道の駅は、ガードマンが何人も駐車場整理をしていて、たいそう混んでいました。ドライブしている人のための憩いの場というよりも藤岡市民の憩いの場ですね。多くの地方都市に共通して見られるように、旧市街地が空洞化し、以前は国道254バイパス沿いが賑やかなっていたのですが、ここ数年はこの界隈に大型店が集まってきているようです。というわけでどこかのショッピングモールのイベント会場みたいなところでゴールデンウィークのひとときを過ごすという風情になってしまいました。しっかし、あのアマチュアロックバンド、演奏はともかくボーカルはへたくそだったなぁ。

 とまぁこんな調子で、ドライブに行ったのかその辺でブラブラ過ごしたのか、キャラバンでもなければ定着型キャンプでもないような、不思議な感覚の2泊3日のキャンプになりました。これもやっぱり「我が家スタイル」なのかなぁ。
 そうそう、一筆書きルートですが、藤岡からは児玉へ抜け、南側から帰宅しました。我が家は路地の突き当たりにあるので最後の20mはどうしても同じ道を走らねばなりませんが、それ以外はしっかりと同じ道を2度通ることなく帰ってきたのでした。

見難いかもしれないけれど「藤岡」の文字の下で立体交差
一筆書きは無事に完成したのです(だからどうした?)