《2004.05》 | ■ 草津よいとこ、も一度おいで |
「草津に行きたい! 湯畑で足湯に入りたい!!」
ああ、いいお湯だった…
という演出です
「な、何ぃ〜!?」
「わたしもぉ!!!」
今年のゴールデンウイークはどう過ごそうかという話をしていたときの会話であります。どう過ごそうかと言ったところで、昨年同様『あづま森林公園キャンプ場』で2泊するという事はすでに決まっていて、その中で昼間何をしようかなと考えていたわけなんですね。まぁ、昨年初めて行ってみて、森林公園そのものはたいした場所ではないし、伊香保も混雑していてつまらない、榛名湖やその周辺でハイキングするのが無駄な出費もなくてよいかなぁと思っていたところに颯が突然草津などと言い出して、母ちゃんも同調したわけなんです。
でもね、キャンプ場まではたぶん50kmくらいでしょう。草津までは100km、倍だよ、倍。キャンプ場に着く前に寄って行くような場所ではないと思うのだけど…ま、榛名湖は二日目にたっぷり遊べるし、初日はドライブ中心ってことで行ってみますか。
昨年の秋に草津を通ったものの、湯畑の周りをクルマで2周しただけだったものだから、それが却って「草津に行きたい」という気持ちに火をつけてしまったみたいだな。
しかし、ゴールデンウイークに草津ってのは、ルートをよく考えて選ばないと大変な目に遭うな…。
というわけでゴールデンウイーク後半の連休初日(って前半は29日が単発で休日だっただけだが)5月2日の朝8時に家を出たわけです…目的地とは正反対のディスカウントストアに向かって(^^ゞ
8時開店のその店で乾麺の類なんかを買い足し、あらためて出発。カーナビの草津到着予想は13時半と表示されているけど、父ちゃんの予定では11時。実はカーナビは平均速度25km⁄hで単純に計算しているだけで、信号待ちの多い市街地走行では確かにそうかもしれないけれど、信号の少ないローカルな地域では停車時間を含めた平均速度(鉄道用語では「表定速度」と呼ぶ)が40km⁄hくらいいっちゃうんだよね。
とはいうものの、国道17号を走っていて本庄を過ぎると昨年同様渋滞に遭遇。ヘタに旧道に入ってスイスイ行っても国道に合流するところで信号待ちが長引いて意味がなかった去年の経験を基にじっと我慢で国道をノロノロ行ったけど、昨年以上に渋滞が酷かったような。でも、川を渡って群馬県に入るとスイスイ走れるようになったのは同じでした。
先ほどの渋滞で時間を食ったのか、カーナビの到着予想は相変わらず13時半。いつものドライブだと5分10分と到着予想時刻が繰り上がってくるのだけどなぁ。
高崎を過ぎ、榛名町のショッピングセンターの手前で流れが悪くなったり(出入りしようとするクルマが対向車の切れ目を待っている)、倉渕村で道路工事の交互通行だったりで、快調に走って稼いだ時間をフイにするようなことが続き、最後には草津の手前5kmが完全な渋滞。数100メートルほど進んでは停まるということを繰り返して、カーナビにセットしておいたポイント『道の駅・草津運動茶屋公園』の前に着いたときは、なんとまさしく13時半でした。
道の駅はクルマでいっぱいだったのでそのまま市街地に向かって進み、温泉街の外周を天狗山スキー場へ向かいます。
草津町ではゴールデンウイークの期間中、パーク&ライドの提唱していて、観光客には天狗山の駐車場にクルマを置いてもらって、そこからシャトルバスで温泉街に行ってもらおうとしているのですね。父ちゃんにしてみればあの狭い町の中を駐車場を探してウロウロするよりもこのほうがずっと楽。それに駐車場もバスもタダだし…もっとも、こうやって乗り換えたり歩いたりして、それでなくても予定より遅れているのがますます遅くなるのが気がかりです。本当は11時頃に着いて、2時には出発していたいほどだったのに、今がもう2時だ。
とは言うものの、せっかく来たんだから慌てずに楽しんで行きましょう。バスは『大滝乃湯』という日帰り入浴施設の前で観光客を降ろします。その前には「環境アミューズメント施設」があり、まぁ見ていってくださいねとバスガイド(温泉組合だか旅館組合だかの婦人部のオバさん)に言われたので寄ってみたけど、品木ダム水質管理所の一角に観光パンフレットが置いてある小屋みたいなのが並んでいる程度で、何が「アミューズメント」なのか判らないですね。後日談になるけど、ここが6月1日の毎日新聞ニュースで「草津にこんな施設ができた」と紹介されていました。どうして6月になってニュースになったのでしょうかね。なにか施設が追加されたのでしょうか。
大滝乃湯の脇を通り抜け、古くて格調ありげな旅館の前を通ると見覚えのある湯畑の前に出ました。すごいい人だかりです。昨年の秋にここをクルマで通れたなんて信じられないほど。やっぱりゴールデンウイークの人出は尋常じゃないんだなぁ。
で、よく考えたら昼食と言うものを食べていなかった。でも、この界隈でまともな食事(質・価格)ができそうもないので、ここはとりあえず饅頭でも買ってつなぎにして、あとでコンビニにでも寄っておにぎりでも買おうかと思ったのですね。と、颯と結衣はしっかり露店で焼きトウモロコシを買っておりましたが。
シャトルバスはこれじゃなかった | 高山植物の女王もお手軽になったものだ | 今度はここに泊まりたいよ〜 |
よく見る光景、そして人、人 | 人が多くてせわしない | 気分もおおらかにノンビリと |
颯が叫んだ足湯というのは、どうやら奴も何かのテレビで見て「草津に行ったらこれをせねばならない」と思い込んでいるのですが、湯畑の脇に四阿屋みたいなのが建っていて、そこにお湯を引いて足湯に入れるようになっていたわけですね。足をつけたら何だか疲れが取れるような気もしたけど、周りに大勢人がいて場所が空くのを待っていたりするものだから、結構気ぜわしくって本当は疲れなんて取れるものではないようです。
湯畑を離れ、西の河原に向かって歩き始めます。来た時とは別の路地を、旅館や土産物屋が立ち並び、ああこのあたりだと入りやすそうな食べ物屋なんかもあるんだなと歩いて行くと一軒のうどん屋サン、茹で上げたうどんに鰹節と醤油をかけただけという単純なメニューが妙に美味しそうに思えて「ここ、寄ってゆこうか?」
うどんを食べ、颯は疲れたからこの近くにもあるシャトルバスの乗り場に行ってバスで駐車場に行こうよと言うのですが、全部歩いてもたいしたことはないだろうと西の河原に向かいます。西の河原って、もっと荒涼としたイメージを想像していたけど、季節のせいや人が多いせいもあるでしょうが、そこらじゅうの水溜りが全部温泉という感じの公園でした。颯はさっそく靴を脱いで再び足湯。うん、湯畑よりもこちらが落ち着くね。やっぱりバスに乗らなくって良かっただろ。
さすがに時間が気になるので露店風呂に入るのはパスして駐車場に戻ります。時計を見ると4時。キャンプの時はいつも早くチェックインする我が家としては珍しいです。他の観光客も宿泊地に向かって移動を始めたのか(やっぱり皆んなが草津に泊まるとは限らないからなぁ)、今度は天狗山から草津道路に向かっての渋滞が始まっています。
我が家は来た道を戻らず、そのままさっきのシャトルバスで走った通り温泉街を右周りに迂回して大滝乃湯の前を通り、六合村に向かいます。
冬はこのあたり一帯
もうもうと湯気が立ちこめているのだろうな実は今回のキャンプ旅行、家を出るときに父ちゃんは「同じ道を2度通らずに一筆書きで走ってみよう」と思いついたんです。それで来る時は草津道路を登ってきて、帰りはR299で六合村経由…って、これは昨年の秋とおんなじか(^^ゞ で、このまま長野原まで降りちゃうと来る時通ったR145を1.3kmほど重複してしまうので暮坂峠越えの道を走ります。まぁこの方が近道でもあるし。
去年の秋に、10何年ぶりかで走ったときは長く感じたけど、今回は中之条まで早く着いたように感じました。やっぱり「慣れ」かな。カーナビの画面を見ながらあづま森林公園に向かう道を探すのですが、どうもカーナビが指示しているのは去年崖崩れの迂回で通った伊香保に向かう道のようです。これを走って伊香保側からキャンプ場に行ったのでは、家に帰るときに同じ道を2km近くダブって走ることになってしまう。何とかその手前から登ってゆく道を見つけなければ…母ちゃんが立ち木の枝で隠れそうになっていた森林公園への案内標識を見つけてくれたおかげで無事に最短距離でキャンプ場に向かうことができました。しかし狭い道だねぇ、対向車来るなよ。
とまぁキャンプ場に着いたのがジャスト5時。思ったよりは早く着いたのですが、受付では「渋滞でもしてましたか? さっき家に電話してみたんですよ」と言われてしまいました(^^ゞ
先ほども書いたとおり、我が家としては珍しく遅い到着だったのですが、指定されたサイトに手際よく設営し(やればできるじゃん)夕食の支度に取り掛かりました。受付の人の話では数日前から冷え込むようになったとのことで、しまった『ワーム(ガスヒーター、3台持ってる ^^;)』を持ってこなかったけど大丈夫かな。
まぁいいや、それより晩飯だ。とドライブ旅行モードからキャンプモードへと移行して行くのですが、この後の話は別の章で。
かつて六合村に何度も行っていた頃は
須賀尾峠は行き止まりでR145に出られなかったここでもう一つ後日談です。キャンプから戻った翌日、テレビを見ていた颯が突然「ああっ、ここ行ったぁ!!」と叫んだのです。なんだなんだとそちらを見ると、例によって『いい旅・夢気分』という番組で元関取のKONISHIKIさんが旅の途中草津に立ち寄って、湯畑周辺や西の河原で露天風呂に入ったり、あの環境アミューズメントで、我が家はやらなかったけど「百年石制作体験」にチャレンジしていたわけです。百年石というのは、石灰石にペンキで文字や絵を描いて草津の湯の中に一週間ほど沈めておくと注意が酸で浸食されてレリーフになってしまうという代物であります。(体験料無料・送料実費)
まさしくグッドなタイミングなのでありましたが、それにしても、この日のKONISHIKI夫妻の宿が水上から奥に入った宝川温泉。そして翌日には湯沢から三条を通って羽越本線は阿賀野市にある村杉温泉まで行くというルート。わざわざコースを外れて草津に立ち寄る必然性というものがまるで解らなかったのでありました。これに比べたら、我が家が草津経由で榛名に行くなんぞ、まだまだ可愛いものかもしれませんね。