《2004.08》 ■ 秘技、高速ワープ!? part2 

 というわけでキャンプ中の話は別にすることにして、いきなり家に帰ります…って、ひとつだけ道の駅に関する話なので、キャンプ中の話を書かせてください。2日目の午後のひととき、海からあがって道の駅を訪ねたのでした。


良寛の里わしま
トイレは道路情報ターミナルの中
暑かったと母ちゃんの苦情
 昨年ここを訪ねた時は『西山ふるさと公苑』同様、道の駅と呼ぶには無理がある施設だと思ったものでした。国道から400mも引っ込んだところにあって、単に美術館が集中した場所の一角、というのが実態だなと思ったのでしたが、『広報わしま』によれば今年の4月にリニューアルオープンしたそうで、行ってみると今度はまさに今風の道の駅に変身していました。
囲炉裏のある座敷で休憩
心の中に涼風が吹きぬける気分
 といっても建て替えたりしたわけではなく、国道沿いに新しく消雪設備を備えた大駐車場と、古い民家を移築した地域交流施設(『もてなし家』)、そして国土交通省が設置した道路情報ターミナルなどを「地域交流ゾーン」としてオープンしたのですね。
 地域交流施設では軽食と物販がメインですが、座敷に上がってくつろぐスタイルがちょっと珍しいかな。販売されている品も、地元の人の手作りの品が多いのが特徴的です。駐車場の収容力に較べると休憩施設が小さいように感じますが、実際に立ち寄るクルマがここを一杯にすることは無いという見込みなのでしょうか。
良寛さんと子供たちの声が
聞こえてきそうな気がする
 これまでの道の駅部分も「美術館ゾーン」として『良寛の里』としては一体化した施設という位置づけのようですし、『もてなし家』の店先にも「ここは軽食だけだから、ちゃんとした食事は向こうの『手まり』を利用してください」と先輩を立てるようなことを書いてあったけど、道の駅としては役割を終えているようです。スタンプも『手まり』には置いてなかったし。
 ところで、『もてなし家』では例によってソフトクリームを食べたのですが、昔の「アイスクリン」を柔らかくしたような感じで、素朴な味が美味しかったです。


 ということで、このあと話はいきなり23時間ほどジャンプして、いよいよ帰り道になります。


国上 ◇
駐車場も広く
道の駅としては判りやすいのだが…
 「くがみ」と読むのだそうです。今回の行程を逆回りにすれば良かったなと思う理由の一つは、ここが月曜休館ということですね。去年も月曜日に来て休みだった。裏にある立ち寄り湯も休み。クーラーボックスに入ったやつがあるので自動販売機でジュースを買う必要もないし、特に公衆電話を使って電話をする用事も無い。せいぜいトイレを使うくらいしかここを「利用」できないのですが、そのトイレにはしっかりと「便所」と書いてありました。最近見なくなった言葉だよなぁ。
この中にスタンプを押した紙が入っている
 メインの施設が『久賀美』といって国上地区農村環境改善センターというのだから、これこそウルグアイラウンドの補助金施設じゃないかとも思ってしまうのですが、実施している体験教室や講習会なんかも事前予約が必要だったりして、どうも地元民向け。あらかじめ知っていてそのつもりで訪ねてくる旅行者にとっては交流施設かもしれないけど、たまたま通りかかったドライバーにはちょっと敷居が高いような気もします。
 休館日にはスタンプを押した紙が用意されているのですが、この駅ではしっかりとプラスチックの書類ケースに入れられて入り口の前に置かれているのも去年と一緒でした。


 これで新潟県(北陸地区)の道の駅巡りはおしまいです。新潟県だけでも33駅あるのですが、海岸沿いやJR飯山線沿い(R117)に集中している感じで、R17・魚沼方面が少ないような気がします。まぁ魚沼方面にあったとしても、今回いちいち立ち寄るわけには行きませんが。
 水害の跡も生々しい中之島市街を通って中之島見付ICから関越道へ。心配した長岡もまだ出口渋滞は始まっておらず、そのままスイスイと湯沢へ。本当は母ちゃんに『ぽんしゅ館』での雪辱を果たさせてやらなくてはいけないのだろうけど、当人が思い出していないようなのでそのままトンネルをくぐって群馬県に。関東地方に戻ってきたところで父ちゃんはスタンプ帳を取り替えるのでした…「次、水上ICで降りるぞ」


水上町水紀行館
文中で紹介しなかったが
中にはクライミングウォールもあった
 なぁんだ、ここかぁ!

 初めて訪れた水上町の道の駅を見て、父ちゃんの第一声はこれでした。これまでにも訪ねて行った道の駅が、以前から知っていた施設が道の駅に登録されたものだったということは何度もありましたが、ここは思わず声が出てしまいました。
 実は父ちゃん、以前ウォーキング雑誌にワンデイハイクのコースガイドを寄稿していたことがあって、当時は埼玉や群馬をいろいろ歩いていたことがあったのですね。それでこのあたりも結構来ていて、ワンデイハイクだから駅やバス停からそう離れずに歩いていたわけです。水上でも温泉街の周辺をちょっと道を選べば渓谷美を愛でながら川沿いに歩けるルートがあって、そういう道を歩きながらラフティングのメッカである諏訪峡に向かって行ったところに町営駐車場があり、取材で歩いた時はその駐車場の片隅で、ラフティング目的で来たグループなのでしょうか、テントを張って寝ている人たちがいたのを覚えています。で、そのテントがあった場所に立派な建物が建って、それが道の駅だというので先の発言になったわけなんです。つまり、もともと知っていた施設が道の駅になったのではなく、あの野宿のテントが道の駅になっちゃったという…そんなビックリだったのですね。
利根川沿いの広場も涼しげ
名前の通り「水」がテーマの駅だった
 前置きが長くなりましたが、そういうわけで水上・奥利根を訪ねてきた観光客にとっては単なる休憩施設だけではなく、ビジターセンター的な役割も持っているようです。有料施設になりますが小さな水族館もあったので、寺泊で水族館に寄らなかった代わりといっては規模が違いすぎるようですが、中に入ってみました。
 淡水魚では日本初というトンネル水槽は、前に行った『マリンピア日本海』を思い出させたのですがスケールが全然違いますね。それでもジオラマ風に作った渓流水槽やマジックビジョンコーナーなど、なかなか「見せてくれる」水族館でした。入館料300円(大学・高校生100円)を高いと思うか安いと思うかが微妙なところですが、中学生以下が無料なのでファミリーで入館した場合はトータルで「やや安」というところでしょうか。この料金で利益を上げたりペイできるとも思えないので、冷やかし半分の酔客を排除する牽制のための入場料金という感じもします。
 今回立ち寄らなかったけど、すぐ近くには東京電力の電力館もあり、水上も温泉やアウトドアだけではなく時間を過ごせる場所があるんだなぁという感想ですね。母ちゃんは涼しい涼しいと言っておりました。


 水紀行館の前から県道61号線を月夜野に向かって坂道を下って行きます。あれっ? 以前はこれがR291じゃなかったっけなぁ? 地図を見ると確か後関の駅前はR17だったはずなのにこれも県道になっていて、新幹線の上毛高原駅と関越道月夜野ICの開業で新しい道路ができてクルマの流れもすっかり変わっているのです。まぁそれも開業以来かなりの年数が過ぎていますから、今じゃこれが当たり前、新しくできた道もすっかり周囲の風景にとけこんでいます。
 上毛高原駅というのは、観光的には水上に新幹線駅が欲しいところだったのを建設ルート上無理だというので、やむを得ず今の場所に作ったと聞いたことがあります。山里に忽然と近代的な建物と道路ができ、そこだけが周囲から浮いた景観だった記憶があったのですが…


矢瀬親水公園
月夜野はーべすとは農産物中心の
小ぢんまりとした物販店だが
 いやいや、こんなモンができてたんだなぁ

 父ちゃんの記憶では駅前の坂道をず〜っと下っていって畑しかなかった場所が大きな歴史公園になっていました。いや、今回は駅からではなく坂道の下から入っていったので、まず目に入ったのは『わんぱく広場』のローラースライダーでした。子供たちが歓声をあげます。そこにもクルマが数台停められる駐車場がありましたが、メインは奥だろうと先へ進み、休憩・物販施設の『月夜野はーべすと』の前の駐車場にクルマを入れます。道の駅だというのにずいぶん狭い駐車場と思ったのですが、実はこの先に大駐車場があったようです。
 遊具で遊びに行った子供たちを追ってぶらぶら歩いていると、親水エリアの脇でラベンダーが香ってきます。視線を南に向けると復元された縄文時代の建物が見え、この公園のスケールの大きさに驚きました。
公園全体のスケールは大きい
そして、3000年の歴史を越えて縄文の風が吹く
 平成3年から発掘調査が始まった矢瀬遺跡が、あまりに規模が大きく、縄文時代のムラの様子をよく伝えるというのでこのような公園として整備したようなのですが、「ドライブの途中で一息入れる」ことを忘れて歩き回ってしまいますね。休憩どころか逆に疲れそう。
 さっきの水上も含めて、この界隈はもう15年以上も訪れていなかったことを思い出しました(7年ほど前に新治村の『たくみの里』に立ち寄ったことがあったけど、あの時もあまりの変わりようにビックリしたものでした)。スタンプラリーをきっかけに、懐かしくそして新しい発見をした思いです。


 関越道も無くR17も混んだから、ここから家まで裏道だけで帰ったりもしたんだよねという話も今は昔、盆暮れGWの交通集中期を外しているので月夜野ICから高速道路でスイスイと家まで一気に…さっきの『月夜野はーべすと』は農産物が中心のため、子供が友達にプレゼントするような土産物が買えなかったとかで赤城高原SAに臨時停車です。クルマから降りたら子供たちの友人一家とバッタリ会いました。あちらの一家は同じ新潟でも村上方面に行ってきた帰りのようです。
「そうですか、瀬波温泉の周辺にも道の駅がいっぱいありますからね」
 思わずそう相槌を打ちかけ、あわてて言葉を飲み込んだ父ちゃんでありました(^^ゞ

日本海に夕日が落ちる
 8月2日まで食い込んではいますが、参戦一ヶ月で18個のスタンプを集めてしまい(オマケとして北陸地区5個)、「ドライブのついで」という域を超えてるんじゃないかと思いますね。スタンプラリーのついでに海水浴に行ったんじゃないかって声も聞こえてきそうです。
 とはいえ今後このようなハイペースで出歩くこともなさそうなので(たぶん)、当初に掲げた目標30個までの道はまだまだ険しいなぁと思いつつ、今回も無事故で帰宅できたことに感謝。これがなによりです。