《2004.07》 ■ 秘技、高速ワープ!? 

 今年もまた新潟に海水浴キャンプに行くことにしました。行き先は昨年と同じ『和島オートキャンプ場』、結構なドライブになります。そうなると目的地で何をするかということも大事だけど、道中も楽しく行きたいじゃぁありませんか。「ドライブのついで」にやるべきことといえば…。

 7月31日、早朝、近所のディスカウントストアは8時開店なので、これまた本庄児玉ICから高速道路を使うときは毎度立ち寄っているような気がするコンビニでサンドイッチなんぞを買い込んで出発です。関越道に乗ると、なんだか今日はクルマが多いなぁ。藤岡JCTから上信越道に乗り換えてもあまり数が減らないような気がします。まぁ、軽井沢を過ぎればすくだろう。
 父ちゃんはいつも上信越道に入ると左側の藤岡出口方向を見ながら走るクセがあるのですが、今回は意識して右側を眺めていたら、なるほど先日スタンプラリーで訪ねた『ららん藤岡』がありました。そうか、高速道路からはこういう風に見えるんだ。
 昨年は家を出るときが好天気で進むにつれて曇ってきたのが、今年は横川-軽井沢間で雨に降られたものの、上信国境を越えると上天気。谷間の向こう青空の下に佐久平が広がる風景はいつ見ても気分がいいものです。小諸を過ぎて浅間サンラインとの並行区間では道の駅『雷電くるみの里』を発見、よしよし、ここは9月に小諸に来るからその時スタンプをゲットしてやるぞ(運動会とぶつかっているけど大丈夫かな?)。
 去年も同じように往きは上信越道経由で行ったわけですが、あのときはただ「往きと帰りでコースを変えれば変化があって飽きないな」という程度の動機。せいぜい途中で美味しい蕎麦が食べられそうなSAを調べて松代PAで朝食にした程度(家を出るのがちょっと遅れて時間がずれた)だったのですが、今年は目的を持って下調べした上で上信越道を経由しております。そんなわけで気を引き締めて出発し、松代PAは通過、次の小布施PAを目指します。


オアシスおぶせ
職員が掃除中で
入口付近の自販機とトイレのみ利用可
 パーキングエリアの端っこにある通路を通って第2駐車場にクルマを停めると、そこは高速道路からも一般道からも利用可能なハイウェイオアシス、道の駅『オアシスおぶせ』なのですね。去年はうっかり帰宅してからこれに気がついて寄れなかったので、今年は是非とも寄ってやろうと思ったのです。が、思い込みが強くて勢いが余ってしまいました。時計はまだ8時を回ったばかりで、スタンプのあるレストラン・売店や美術館(千曲川ハイウェイミュージアム)は9時のオープンを前にまだ準備中だったのでした。
 それでも2軒ある農産物直売所は旬の野菜や果物を並べて店開きしているので母ちゃんはあれこれ物色していますし、子供たちは噴水広場の向こうにある遊具広場で遊び始めます。さすがに開店まで待つのは時間がありすぎたし、いちおう買い物したり遊具で遊んだりと「利用」させてもらったので、開設時間外に訪れた人のために用意してあった「あらかじめスタンプを押した紙」を貰ってこの道の駅のスタンプゲットとしますか。
朝の公園は静かで気持ち良かった
噴水のパターンは変化するので、覗き込んでいるといきなり水が出ることがある
 小布施という町は、父ちゃんも高速道路ができる以前に2度ばかり訪ねたことがあるのですが、散策するのには素敵な町です。といって泊まるほどではない。この辺だったら湯田中や渋温泉、も少し足を延ばして野沢温泉に泊まりたくなる。このハイウェイオアシスは高速道路ができて通過してしまう観光客の足を引き止めるのに良いアイデアのような気がしますね。町の中までシャトルバスも出ているので、クルマは高速道路エリアに置いたまま人だけが小布施の観光を楽しんでゆけるわけですから。


 てな具合にハイウェイオアシスの利点になっているのは「高速料金を精算しなくても済む」ことなのですね。だいいち我が家がこうやって上信越道を経由して走っているのも「出発ICから到着ICまでの距離が、最短ルートの距離に比べて2倍以内の場合→最も安いルートの料金になります」という道路公団の計算方法を利用しているわけで、前回同様に西山ICまで行くとして関越道経由(190.1km)より上信越道経由(270.0km)が80kmも遠回りだけど料金は同じ4,850円というので走っているわけなんです。
 と、こ、ろ、が、、、この先、高速道路の近くに道の駅が2つある。もちろん今度はハイウェイオアシスではないから高速道路を降りなければならない。そうなると270km分の料金がまるまるかかってくるどころか、途中で一旦精算するので長距離逓減制の恩恵が受けられず(平たく言えば再び「初乗り運賃」がかかるってこと)に割高になってしまう…でも、こちらの方の道の駅に、今後「ドライブのついで」に立ち寄る機会は無いだろうなぁ…いつも言っているけど「迷う」ってのは自分自身の心の中では答が出ているのですね。だれかが「そうすれば」と同意してくれるのを待っている状態なんです。そう、実は初めからそのつもりだったんだと、豊田飯山ICで高速を離れます。


ふるさと豊田
落ち着いたたたずまいが
ノンビリした気分にさせてくれる
 高速を離れますと言ったものの、料金所を出て信号を曲がると、ものの1分ほどで目的地に到着してしまいました。時刻はジャスト9時、開店の時間です(ただし食堂はまだだった…でもどうせ食べて行かないが)。駐車場の一角に除雪車の車庫があるのを見て、ここから先、飯山線沿いの地域は有数の豪雪地帯だということを思い出させます。
 ふるさと豊田というネーミングが余計にそう思わせるのか、山あいの風景がイメージをかきたてるのか、日本の夏、田舎の夏をドライブして一息入れているような気分になってきます。考えたら、道の駅と呼ばれるようになる前からこういう施設は各地にありましたよね。農協の直売所だったり、ウルグアイラウンドの補助金で作った交流施設だったり。ふと、過去に旅行しながら立ち寄ったそれらの施設を思い出しました。
結衣はお菓子を買い
父ちゃんは猫の置物を買った
 物産館の中はお菓子や地酒など、いわゆる「お土産品」が多いのは、北信を観光して高速道路で帰る人の最後の立ち寄り所となっているからでしょうか。なぜか木彫りの猫がいろいろあります。東南アジアの民芸品っぽいのですが、地元の老人クラブが作っているのかな。
 物産館の軒先では豆菓子のようなものを並べて売っていて、結衣はここで小さなカニを干して(炒って?)甘辛く味付けした物を買ってきました。母ちゃんはさっきの小布施で果物を「信じられないくらい安かった」と買ってきており、なんだか新潟に海水浴に行くという本来の目的を忘れてしまいそうです(^^ゞ
 道の駅の前は国道ですが、行き交うクルマも少なく、静かでノンビリしたひとときを過ごさせてもらいました。

 それから、またしても、って感じなんだけど小布施でデジカメが電池切れして、交換後の新しい電池を認識しないといういつもの症状が出ました。これまでの経験から電池を抜いたまま半日くらい放って置けば大丈夫だと判ってきたので(たぶんコンデンサーに残った電力も放電されてリセットがかかるのだろうと想像している)、夜には使用可能になると思うのだけど、ここ豊田以降の写真は携帯電話のカメラで撮ったものになります…どうもこの一文もヘタな写真の言い訳になってしまった感がありますなぁ。実は携帯電話内臓カメラのほうが暗いところで感度が良いということに気付いたので、手ぶれにさえ気をつければ屋内ではこちらの方が良い写真が撮れそうなのです。


 ええっと、実は次の道の駅まで高速道路で一区間なのです。だったら時間に余裕もあるので、このまま下道を走って行こうじゃないかと考えたのは、500円の高速料金を倹約しようというわけだけではありません。昨年走ってみて信濃町ICまではトンネル続きの上、
これが野尻湖
ホントは山の上から見下ろしたかった
野尻湖がまるっきり見えないということが判ったので、県道で峠を越えれば湖が見えるのではないかなという期待もあったのですね。狭くて急坂の続く県道96号線を走ると、やがてコスモス畑の向こうに光る湖面が…ということはなく、やっぱり湖を見ることができぬまま湖畔近くまで下ってきてしまいました。ええい、こうなったら意地だぁ!
 目的地へは左折すべき交差点をそのまま湖畔まで下って行き、最後は遊歩道みたいに狭くなった道をゆっくり進んでゆくと、出ました、足元まで水がひたひた迫ってくるような正真正銘の湖畔です。野尻湖を見たからといって特になんということはなく、まぁ絵ハガキと同じだということを確認した程度なのですが、せっかく余分なお金を払って高速道路を降りたのだから、やっぱり野尻湖くらいは見ておきたいよなぁ。


しなの ◆
広い駐車場と大きな屋根が
周囲の景色に対抗している
 ここもまた野尻湖に背を向けるような位置に建っている道の駅です。正面の黒姫山を中心に、戸隠から妙高にかけての山々を臨む雄大な風景に負けないような堂々とした建物と駐車場です。駐車場の端っこに立つとホントにいい気分になれるのですが、スキー場のゲレンデで森が切り取られた姿だけが異様で痛々しいです。
 さきほどの『ふるさと豊田』が以前からあったような立ち寄り所風であるのとは対照的に、ここはまさに今風の道の駅ですね。モダンな物産館(ふるさと天望館)とは別棟の道路情報施設には付近の道路状況がリアルタイムでモニターに報告されています。
「おい、母ちゃん安心しろ。この先の道路は積雪ゼロだってさ」
 最近、地元食材を利用したアイスクリーム・ソフトクリームにハマっている父ちゃんはここで黒姫高原牧場牛乳のソフトクリームを食べて行きます。だって『ふるさと天望館』の中で瓶詰め工程が見られるんだもの。いかにも新鮮じゃぁありませんか。

窓の中は牛乳工場 観光案内所出張所は忙しそう 犬はここに繋ぐ…忘れ物?

 信濃町・黒姫高原というと、冬のスキーが思い浮かぶけど、夏の観光客も多いようです。山と水のレジャーが両方楽しめるからなぁ。それにこの日は週末で花火大会とあって道の駅に出入りするクルマも多く感じます。
 一度コスモスの花の見頃、そしてスキーシーズンに訪れてみたいところではあるのですが、やっぱりここまで来るのはちょっと遠いなぁ。そんなことを思いながら道の駅を出ると、ほとんどそのままUターンするかのようにハンドルを切って信濃町ICへ。すぐ裏が高速道路のインターだったのでした。


 …いやはや、とんだ酔狂で道の駅に3箇所も立ち寄ってしまいました。が、ここから数km行けばもう新潟県、北陸地方に入ります。と、北陸地方の道の駅でもスタンプラリーをやっているのは先刻承知で…いや、各賞に応募できるほど回れるもんじゃないってことは判ってます。判っていても無理なく寄れるところには寄ってみようと思うのが性(さが)ってもので…。


あらい
これだけ見ると
落ち着いた佇まいなのだが…
 思えば去年は妙高高原から先は小雨混じりの霧に包まれ、助手席の母ちゃんは眠ってしまい、景色も会話も楽しむことなくカーステレオから流れる坂庭省悟サンの歌声を友に走っていたのでした。今回改めて「へぇ、こんな景色だったんだ」と走って行くのですが、そろそろ平野部に差し掛かったところに新井PAがあります。PA自体はチェーン装着場を兼ねているのでしょう、だだっ広いところにトイレしかないという無愛想な場所なのですが、実はここもハイウェイオアシスになっていて、第2駐車場にクルマを回し、国道沿いの道の駅『あらい』側に出ると…突然田圃の中に現れた飲食街にビックリします。砂漠の中の歓楽街ラスベガスには遠く及ばないけど、立ち並ぶ飲食店にホテルまでついて、ここはいったいナンなの? と思ってしまいそうです。
 まずは道の駅としてのメイン施設『くびき野情報館』でスタンプ帳100円也を買い求めます。去年はどうせ重複しないからと一昨年に村上に行った時に買ったものを使ったけど、今年は新調しましょう。

田園地帯の飲食街 お馴染みのチェーン店も多い 奥の茶色い建物はホテル

 ここは日本海からも妙高高原からも30分というのがウリのようで、食べ物屋も多いけど土産物屋もしっかりしていますね。特に鮮魚センターは比較的小分けしてあったり内臓を出したり手を加えたものが多くって個人の土産にいいですね。寺泊はトロ箱一杯単位で売られたりしてご近所に配るのでもなければ普通の家庭では多すぎるからなぁ。
金魚かと思ったら錦鯉
 そういう意味も含めて、今回は逆回りにすればよかったかなとも思います。帰りは8月2日、長岡の花火大会の日にぶつかっていて、時間帯によっては長岡ICの出口渋滞に巻き込まれるかも知れないという心配をしていたのです。だから往きが関越道経由、帰りが上信越道経由というのが良かったかな、と。(颯も逆回りを主張していたのだけど、それは往きに関越道を使うと『トンネル館』でプリクラができるからなのだ)
 まぁそれはともかく、これだけ食べ物屋があるとここで昼食にして行きたいところですが、時計はまだ11時。さっき信濃町でおやつをつまんだばかりでもあるし、ちょっと時間が早いですね。そこで一計、鮮魚センターで寿司のパックを買って行って米山SAで食べよう。子供たちは寿司よりハンバーガーがいいと言うので、わがままなヤツだ仕方ないなあと言いながら実はその方がフトコロにやさしいのでハイハイと言うことを聞いてあげて出発。R18だと上越までが30分なんだろうけど、高速道路を使うと米山SAまで30分で行けたのでした。


 松代あたりでは去年より1時間30分くらい早いペースで移動していたと思うのだけど、米山SAでほぼ同じタイムテーブルになりました(デジカメ写真データのタイムスタンプで判断している。記録に関してルーズな父ちゃんには便利な機能だ)。その1時間半で、今年はずいぶん遊んできたものです。海水浴に向かっていることを忘れるくらい(^^ゞ (註:書いた後、1時間半であれだけいろいろ遊べるだろうかと疑問に思ったのですが、昨年松代PAで過ごした時間およそ30分も加えなくてはいけなかったのですね。父ちゃん算数が苦手です)
内心、さばサンドがあれば
今年は食べてみようと思っていたのだが
 米山SAのベンチに座って買ってきた弁当を広げます。そういえば、去年はここで「さばサンド」なるトルコの食べ物を売っていたけど今年は見当たらず、代わりというのか「トルコ風のびるアイスクリーム」を売っていました。よくよくトルコにこだわるのは、近くに『柏崎トルコ文化村』というテーマパークがあるからだろうとは思うのですが、わざわざ高速道路を降りて立ち寄るのはなぁ。
 わざわざといえば、この近くにも道の駅『風の丘米山』があるのは判っているのですが、さすがに北陸エリアでも途中下車(というか「打ち切り精算」)するのはちょっと…高速に戻らずに行こうとすると柏崎の市街を通り抜けなければならず、時間もかかってキャンプ場に着くのが遅くなるだろうし。


西山ふるさと公苑
この中に休憩施設があろうとは
 ということで北陸エリア道の駅2駅目は西山ICで高速道を降りたここ。既存の公園を道の駅に登録させてしまったのか、大きな道に面していないのですね。だから昨年は住宅の裏みたいな細い道を通って行ったのですが、今回は場所が判っていたのでR116から入って行きました。駐車場にクルマが一杯だったのでビックリしたのですが、これは『西山ふるさと館』のホールで地元の人を対象にしたイベントが行われているからでした。はっきり
香の匂いだろうか
いかにも「中国物産展」という匂いがした
言って他県からのドライブ客は今年も見当たりません。小さな町の郷土資料館を訪ねたような、そんな感覚です。さらっと立ち寄るつもりでしたが、結衣が3D映画を見て行きたいと言い、ちょうど上映時刻も近かったので今年も見てきました。孫悟空の如意棒が目の前に突き出されると、思わずのけぞってしまいます。
 昨年は改修工事で入れなかった『西遊園』と『西遊館』が入れるようになっていたのでそちらにも行ってみましたが、『西遊館』は中国物産を中心にした物販施設で熱いお茶の無料サービス受けられる休憩コーナーもありました。
 正直言って、ここは「道の駅」と呼ぶには無理がある感じですね。「誰もが自由に立ち寄れる文化施設が集中した地域」、それでいいんじゃないかな。


越後出雲崎天領の里
『時代館』は入場料500円(大人)
また今年も中に入りそびれた
 午後の日差しが強くなってきて、子供たちも長旅の疲れが出てきたようです。キャンプ場まではあと10分足らず…オヤジの趣味に付き合ってられないという雰囲気が漂ってきました(^^ゞ  お前らなぁ、去年ここではしゃいで海でザブザブ足を濡らし、クルマの中を砂だらけにしたくせに今さら何を…。ま、いいか。
ここと『トルコ文化村』と『恋人岬』は
この界隈の3大デートスポットとか
 ここは駅の名前にもなっている『天領出雲崎時代館』という博物館や、『石油記念館』などもあり、雨が降って海水浴ができないときなどの対策用に『寺泊水族博物館』と一緒に手元に残しておきたいカードでもあります。結果的には天候に恵まれ、詳しく見学することなく家路につくことになったのですが、それが果たして良かったのか残念だったのか…。
 しかし、日本海に突き出た『夕凪の橋』から日本海に沈む夕日を見るのはいい気分でしょうなぁ。おそらくその頃にはビールを飲んでいる父ちゃんは、クルマの運転ができず、見たくてもここまで来て見ることのできない絶景なのです。


 埼玉の家を出て、新潟の海沿いにあるキャンプ場まで半日あまり。なんと6駅も道の駅に立ち寄って来ました。「ドライブのついで」ったって度が過ぎる? これほどじゃないけど、帰りもこんな調子で走ってきました。話のついでだから、キャンプの話は後にして、道中記パート2でもしましょうか(^^ゞ
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