《2004.10》 ■ 富士山麓に○○なく 

風除けにメッシュスクリーンを設置
タープ本体は他社製だけど、これはユニフレーム製
 ユニフレームのネイチャーミーティングは、いつの間にか隔年開催ということで定着してしまったみたいですね。今年も10月に開催するよって発表があったのが7月だったかな。日程が我が家の都合とはうまく合わず、和島で会った田瀬さんにも「今回は行けそうにないなぁ」と言ったのですが、何とか画策して行くことにしました。しかし、ここんとこ10月のキャンプは我が家内部の参加メンバーで二転三転しているのですが、今年もそうでした。
 まず、最初は颯と父ちゃんの二人で行くつもりだった。ところが半月ほど前になって結衣と母ちゃんも行くと言い出し、一週間前にはテントや椅子などかさばるものをクルマに積み込んでおいたのです。当日は早朝出発なので、少しでも楽なようにね。ところが今回も結衣が直前になって熱を出し、大事をとって再び颯と父ちゃんだけで行くことに…荷物の積み直しです。
 そうなるとテントは二人用の小さなものになり、椅子も2脚、スクリーンテントは使わずにタープのつもりだったから…と、どんどん荷物が減っていって今回は屋根にRV-BOXを積まないどころか、颯の自転車を積むことさえできたのでした。いやぁ、こいつはもう何年も前からキャンプに自転車を持って行きたがっていたのですが、グッズ満載の我が家のクルマではそんな余裕はないよと我慢させていたのです。
 というわけで結局最初に計画したとおりの装備とメンバーで、10月16日の朝6時、東の空が白み始めた頃に出発したのでした。

 あ、まだ行き先を言ってなかったな。今年のネイチャーミーティングの開催地は静岡県御殿場市の『やまぼうしキャンプ場』…ん? 去年UFDのオフミで行ったところです。ユニフレームさんは去年は協賛だったけど今年は主催者ってわけですね。ま、立場は違ってもお馴染みのメンバーでお馴染みのキャンプって気もするな。

 せめて往きの道順くらいは去年と変えてみようというわけで、東松山ICから関越道に乗ってそのまま練馬ICまで。ここまでが1時間で予定通り。このあと環8通りを用賀まで行って東名高速に乗ろうと思ったのですが、ここで大変な当て外れ。用賀まで約16kmの道のりを、土曜の朝だから30分から40分もあれば行くだろうと踏んだのが大間違い。渋滞にハマってしまってクルマが進まないのですよ。結局、7時40分くらいには東名に入って…という予定が大きく崩れ、実際に東名に乗ったのが8時を大きく回っていたのだけど、それだけでは済まなかった。横浜町田ICの手前で事故があって、この先で11kmの渋滞だと。さらに渋滞の中で別の追突事故も発生して…勘弁してくれ〜!
 家を出るときは広さを誇る海老名SAで朝食のつもりだったのだけど、アクセルを踏まずにオートマチックのクリープ現象だけで前進している状態ではいつになったら着けることやら…ようやく港北PAにたどり着いたので渋滞の列を離れて休憩。いやぁ、前の晩にパンを買っておいて良かった。空は雲って風が冷たいし、何でこんなことしてまでキャンプに行くのかなぁ。
 だんだん気分が滅入ってきたのですが、気を取り直して再び渋滞の列に入り、横浜町田ICまで来ると、なるほど、確かに渋滞は脱することができました。でもね、普段走っている関越道や上信越道に較べるとクルマの量も多く、スピード相場も若干遅め。こちらの感覚と合わずに車間がだんだん詰まってくる。それに、どうして追い越し車線をいつまでもノロノロと走っているやつがいるんだ! 順調に流れているようでも結構神経使うなぁ。それやこれやで結構疲れてしまい、大井松田ICで料金を払うときに、思わず声に出して言ってしまいましたよ。
「えっ? 1,850円! …5,000円分くらい乗ったかと思った」
 実際、それくらいの所要時間と疲労度でした。はぁ〜。
 ところで、御殿場へ行くのに一つ手前とはいえどうして26kmも手前のICで降りるのか? もちろん答えは「関東道の駅スタンプラリー」、神奈川県の『山北』に寄って行こうという作戦なのです。こんな機会でもなければまず立ち寄るなんてことは考えられないからね。家でプランを練っていたときには「9時前に着いて、開くまで待つことになるかな」なんて心配していたのだけど、しっかり杞憂の10時33分到着でありました。


1
2
3
4
山北
 神奈川県なんていうと「港ヨコハマ」のイメージだけど、さすがにこのあたりまで来ると金太郎が熊に乗って現れても不思議は無いという雰囲気ですね。道の駅もこじんまりとした「茶屋」という雰囲気で(最初は川の対岸にあるロッジみたいな施設の方かと思った《写真1》)、クルマで立ち寄るというよりはハイキングを終えて一息入れながらバスを待つのが似合うような駅でした。
 カーブの内側に立地して、我が家はちょっと離れたところにあるカーブの外側の駐車場に停めたのですが、駅に隣接している駐車場に停めると見通しが悪くてクルマを出すのが面倒くさそうですね。交通量が少ないから、逆にスピードを上げてクルマが走ってきそうです。タバコの自動販売機が壊されていて《写真2》、夜間はホントに静かになる場所なんだろうなぁということが感じられますね。
 駅の脇に、ちょっと目立たない格好ですが石の、これは彫刻と呼んでいいのかな、なんだか笑っている顔に見えるオブジェが立っていて、気をつけてキャンプに行きなさいよと見送られるような気がしたのでした《写真3》。さて、先を急ぐぞ。


 県境を越えて静岡県へ。途中で何やら建設中の大型施設があり、ピンとひらめくものがあったので助手席の颯に車窓から写真を撮らせておいたのですが、後で確かめたらやっぱり道の駅でした。今年8月に登録され、11月オープン目指して仕上げを急いでいる『ふじおやま』《写真4》…しっかし、こういうのを嗅ぎ分ける力がついてきたってのは、かなりハマってきた証拠になるのかなぁ。昔、郵便局の風景印を集めたり旅行貯金をしていた頃は、郵便局の建物は遠くからでも見つけることができたからなぁ。
 御殿場市内に入り、父ちゃんの目はスーパーや食料品店を探しながらクルマを進めています。実は…かなりの食料品を家に忘れてきていたのです。まず、明日の朝食を忘れてきている。渋滞でイライラしているうちにあれこれ思い出したのですが、卵を忘れた、ソーセージを忘れた、挙句の果てにはスーパーで買っておいたピザトーストも忘れたことまで思い出してしまった。これじゃコールマンのオーブンを持ってきていても使い道がないぞ。そのほかにも忘れ物を次々と思い出し、キャンプ場に着いて荷物を降ろしてみて気がつくよりはマシだけど、よくまあこうやって忘れ物を思い出せるものですね。
 というわけで一軒の食料品店に入って買出しをしていったのですが、なんだか一泊のキャンプだというのに買い直したせいで、ずいぶん出費が多くなってしまった。(もちろん、ピザトーストは母ちゃんと結衣の朝食になりました)

 それやこれやですっかり予定より遅くなってキャンプ場に着いたのですが、中の様子を見てビックリ。昨年来たときには広々とした一面の芝生が印象的だったのに、今日はそれがびっしりテントで埋まっているではないですか。いくらなんでもここまで到着が遅かったとは…聞いたら、今回のイベントの受付開始の8時を待ちかねたかのように早朝からドドドッと入場してきたのだそうです。もともとフリーサイトのつもりだったのを、直前になって急遽「区画割りする」ことに変更したのは正解ですね。これだけの人たちがいっぺんに設営を始めたら通路も何もめちゃくちゃになりかねないですから。
 と感心している場合ではありません。LICAさんやヒロシさんなど五十沢でもお馴染みのUFDメンバーのサイトは見つけたけど、もうその近くには余裕がありません。まぁこちらも颯と二人でマイペースで過ごすつもりもあったので、キャンプ場の奥の方に空きを見つけてそこに設営することにします。
 遅く着いたので設営している途中で昼になったり開会式が始まったりで慌しくなってしまいました。開会式ってどんなことやるかと思っていたら、山後さんに「まつおさん、ハンマー持ってよ」と声をかけられ、一斗樽の鏡を抜いてめでたくスタートです。

 今回は、ひとつ道の駅に寄ってきたものの、原則として初日はキャンプの時間をたっぷりとってのんびり過ごすつもりでした。まぁ到着が遅れたのは予定外でしたが、お知り合いの皆さんとも距離が離れたこともあって、マイペースで優雅に過ごす作戦の開始です。

いきなり参加(写真提供:ユニフレーム) さぁ、20インチのピザが焼けたよ 次のもすぐ焼くからね
スタッフ食堂? いえ、展示用です ゆでたチキンを風乾中 それを段ボールスモーカーにセット

 いやぁ、颯は自転車を持って来るという願いを果たしたのですが、父ちゃんも今回のキャンプでは久しぶりに楽器を持ってきたのです。8月に野反湖に行って刺激を受けたというか、野反湖に行く気持ちになったときからその気になっていたのですが、しばらく前からオートハープを引っ張り出して弾いていたんです。あんまり長いこと触っていなかったものだから、新規に始めたような状態で人前でお聞かせできるシロモノではないので、今回のキャンプはちょうどいい練習時間になりました。
 それにね、コーヒーは豆を持ってきて、一杯分ずつミルで挽いてドリッパーで淹れて飲んでたんですよ。優雅でしょ。あ、そうそうスモークチキンを作ってたんだ。紹介する順序が逆になってしまったのですが、今回のキャンプはスモーカーの番をしながら、コーヒーを飲み、楽器の練習をして過ごすというのが当初描いた図式だったわけですね。でまぁいちおう外見はそのように過ごしていたのですよ。必要な道具はちゃんと忘れずにすべて持ってきてますから。外見はそうなんだけど、その実ちゃんとした食事の材料や道具は忘れ物だらけで、しかもちょっと調味料が足りずに作ったスモークチキンは(結果的には)かなり酸味が強くでてしまうという侘しい内情だったわけです。はは、は。
杵に振り回されている
 しかしスモークチキンはいちおう家で一度作ってみて旨かったからキャンプでもと思ったのですが、やはり家で作ったのはビギナーズラックだったのか(その後、また家で作ったが、これが一番旨かった…砂糖の使い方だな)。もともとUFDのメンバーにおすそ分けするつもりで材料も多めに持っていったので、出来上がったものをヒロシさんのサイトに持っていったのだけど、試食させられた皆さん、ごめんなさい (^^ゞ
 昼間からずっと曇って肌寒い状態だったので、夕食の煮込みラーメンは正解でした。ファイアグリルに炭火を熾して暖を取りながら親子で鍋を挟んで…、あ、お玉を忘れた (^^ゞ いや、もちろんユニフレさんのイベントだから本部に行けば展示用のお玉があるのは知ってますけどね、それじゃあまりにも格好悪い。シェラカップで代用ですな。

 まぁそんなわけでつつましく過ごしていたけど、夜のイベントとなると話は別です。俄然張り切ってしまうのが颯であります。キャンプのイベントといえばビンゴゲームがつき物だと思い込んでいる。司会の田瀬さん、始める前の説明の際にきっと我が家のことが頭に浮かんだのだろうね「なぜかいつも良く当たる人がいるんですよねぇ」と言っていたのがまさに的中しました。なんと颯が一番最初にビンゴになってしまったのです。賞品を貰いに出て行った颯の顔を見て、田瀬さんは一瞬凍ってしまったぞ。やっとの思いで言ったセリフが「…あ、常連の方ですね」いや、我が家だってそういつもいつもビンゴでいい賞品をかっさらっているわけではないのですが…目立つのかな。もちろん一番にビンゴになっても良い賞品がもらえるとは限らないように対策されています。ここでクジを引いて初めて賞品が決まるのですね(去年は遅れてビンゴになったのだが、クジでダッチオーブンを当ててしまった)。これで狙っていた賞品が取れればでき過ぎってもんだが、やっぱり現実はそう甘くはなかったですね。颯は以前『いろり』とか『テントサイトシステムセット』のキャリングケースとして付属していたバッグを当ててきました(でも、でっかく名前を書いて毎日嬉しそうに使ってます)

大きな音が出ないのでヘタでも安心 テーブルを脇にやって暖を取りながら ミックスナッツのスモークは旨いよ
今年も美しい富士山を見られた 父子二人で卵が10個…食べ切れん お餅は美味しかったよ

 その後もジャンケン大会などで盛り上がったけれど、全体の参加者が多いせいか、公式イベント終了後もいつまでも焚き火の前でみんなが残ってということはなく、適当に解散というか分散したようです。父ちゃんも颯だけをほったらかしにしてどこかにお邪魔し続けるわけにも行かないので、UFDメンバーとの歓談も中途で失礼して早々にテントにもぐりこんでしまいました。
 昼間は曇っていて肌寒さを感じたくらいだったけど、見上げれば雲が消えて満天の星。明日の天気は良さそうだけど、明け方は冷え込むかなぁ。
 と思ったとおりの上天気の朝を迎えました。夜が明ける直前に赤く光った富士山は、誰か写真を撮ったかい? 去年と違ってまだ冠雪もなく、ちょっと見栄えのしない富士山でしたが、このときは美しかった。そして汗ばむほどの上天気。あちこちで田瀬さんに向かって「雨男返上だね」の声が聞こえる…このサイトでもしつこく話題にしているけど、よっぽど有名だったんですなぁ。
 さて、我が家の2日目のプランはドライブ優先なのですが、いちおう記念写真撮影まではキャンプのスケジュールに沿って楽しむということになっております。いも掘りは参加しませんでしたが、餅つきではしっかり颯も杵を持ってぺったんぺったんやってきました。で、その記念写真撮影が11時ですよ。しかも例によって撤収が完全に終わっていないので、キャンプ場を出るのが11時40分。途中でお昼のサイレンを聞きながらR138に出ると予想通りの渋滞。こんな中で「関東道の駅スタンプラリー・山梨編」のスタートです。


 覚悟していたとはいえ、そして地図で見たら6km強とはいえ、この渋滞は辛い…ようようやっとで須走にたどり着き、東富士五湖道路に入ったら嘘のようにガラガラ。今までつながっていたクルマはみんな山中湖に向かうのかなぁ。こちらは山中湖を山の上から通り過ぎたところでR138に戻り、あれ、去年こんなトコを走ったかなぁと記憶に残っていない風景を抜けると道の駅の入り口を示す標識が見えてきた。さぁ到着だ。


5
6
7
富士吉田  ここは敷地内に地ビールレストランもあり、ちょうど昼時でもあるので駐車場はいっぱいです。それでも何とかうまくスペースを見つけて停めることができました。時間も時間だし、今日は颯を連れているのでちゃんと昼食を食べなくっては、と思ったのですが、キャンプ場を出るときにペットボトルのお茶を一杯飲んだのが妙に腹にもたれて、なんだか食事ができそうにない。申し訳ないがここはパスして次の道の駅で食べようか。颯も納得してそうしようと言ってくれたのですが、あっと気がついた。富士吉田ってのはうどんが有名な場所だよね。軽食コーナーの前を通りかかったら、売り切れじまいをするよと、まるでうどんのためだけに営業しているような雰囲気です。うどん一杯くらいだったら何とか食べられるだろう。せっかくだから食べて行こうかと言うと、颯はかたくなに「いい、次で食べる」…意固地なところはいったい誰に似たんだろうねぇ(^^ゞ
 湧き水をポリタンに汲んでいる人の列は去年より長く、だいぶ認知度が上がってきた雰囲気だったけど、こちらはキャンプの帰りだから汲まずにそのまま行くことにします《写真6》。
 富士山レーダードーム体験学習施設も一度見て行きたい気もするけど《写真7》時間がないのでパスと、なんだかトイレとスタンプのためだけに立ち寄ったみたいになってしまったけど、それでも売店の中をざっと覗いたり写真を撮ったりしているとそこそこ時間が経ってしまうものです。


 なぁに次の道の駅まではそんなに時間がかからないはず。逆に言えばそれまでにお腹がすかなかったら困るなぁと思いながら国道に出たら、ここで再び渋滞。これは厄介なことになってしまった、どこかに抜け道はないかとちっとも進まない車内で地図を見るものの、どうも諦めて道なりに渋滞に身を任せるしかなさそうです。前方に富士急ハイランドが見えてくると道も4車線になり、ようやく渋滞も解消されました。やれやれ。


8
9
なるさわ
 ここも富士山博物館があったり、裏には立ち寄り湯があったりで、本当のことを言えば2〜3時間くらいゆっくりして行きたいところです。それだけに駐車場が混んでいるだろうなと心配しながら行ったのですが、かろうじて何とか置けました。しかし、我々の後ろの列に駐車しているクルマたち、閉じ込められたみたいになっているけど、これで出て行けるのだろうか? …クルマ1台くらい通れそうな余地があるので、たとえベンツでも何度か切り返せば向きを変えて出ることができるかな。
 おっと、他人の心配よりも颯の心配をしてあげなくっちゃ。そろそろ1時半になろうとしているので、ここで食事をしてゆこう。と、軽食コーナーに入って様子をうかがったところ、どうも麺類は駅やサービスエリアの立ち食いスタンド程度のものしか期待できないような雰囲気でした。でもまあ落ち着いて豪勢なものをしっかり食べて行こうという気分でもなかったし、颯は「とろろそば」、父ちゃんは「山菜そば」と、お気に入りの具がどちらもいっぱい入っていたので蕎麦そのものの味を充分カバーして、それなりに満足したのでした。
 ここも物産販売施設は大賑わいでしたが《写真8》、富士山がゆったり眺められる休憩コーナーは昨年同様に静かでした《写真9》。ここと、先月訪れた『とよとみ』は落ち着いてゆっくり休めそうな休憩室を持っていて、時間さえあればのんびりしたいところなんですけどね。


 今回のキャンプ旅行を決めたときに考えたコースとしては、『かつやま』⇒『なるさわ』⇒『とよとみ』の予定だったんです。でも、『とよとみ』は先月立ち寄ることができたので、順序を変えて『なるさわ』から『かつやま』に戻るコースにしました。イベントの都合でキャンプ場をそれほど早く出られないかもしれない、という気がして先月のうちに『とよとみ』に寄っていたのですが、この考えは正解でしたね。よく考えたら去年は往きと帰りの2日かけて回った駅を、今年は帰りの日だけで回ろうと考えているのですから。
 さっき来た道を引き返し、途中で河口湖畔に向かって左に入って行き、湖畔に出たところで右折…道の駅の第2駐車場と書かれた空き地を見ながら駅に向かいます。


10
11
12
かつやま
 ここは昨年立ち寄ったときに駐車場が狭かったのが印象に残っているところです。まして今日はこの好天気、湖畔で過ごす人も多いでしょうから駐車場の回転は悪くなっているだろうな。だからこそ第2駐車場の存在を知って、空きがあるなと安心してはいたのですが、人間の心理として一度奥まで入っていったものを、なかなかクルマを置くために引き返してこようという気にはなれないものです。つい駐車場の通路にクルマを停め、誰か帰る人いないかなぁと「待ち」の態勢になってしまいます。先に颯を降ろして「スタンプを押しておいてくれ」と最悪の事態に備えたのですが、程なく出てきたクルマがあって父ちゃんも駐車してクルマから降りることができました。
 そういやここは有名な「イトリキカレー」が食べられるんだったよな《写真10》。でも、ついさっき蕎麦を食べたばっかしだしなぁ。
 去年来たときは気がつかなかったけど、建物の上に展望台があるんですね。ウェブサイトによると「駅舎の2階」と書いてあるけど、パッと見たところ「トイレの屋根の上」という印象ですなぁ《写真11》。でも、木立や道路にさえぎられずに河口湖を眺望できていいかもしれない。


 さて、次の駅、『甲斐大和』までのルートは…カーナビを使い「距離優先」「高速道路優先」で検索したところ、なんと河口湖大橋を渡ってR137を使えとのお告げであります。いやぁ、てっきり中央道で大月ICまで行き、そこからR20で引き返すように走れと言うかと思ったのですが…父ちゃんも半分そのつもりでした。きっとカーナビは父ちゃんの懐具合を察して750円かかる高速道路より、200円の河口湖大橋を選んでくれたのでしょうね(でも、すでに買ってあるハイウエーカードと違って、河口湖大橋は今日現金が出てゆくのだ)。まぁ、冗談はともかくとして、去年走った中央道と違い、このコースは初めてなのでちょっと楽しみです。というわけで「おや、自転車も有料なのか。でも、通学用はタダなんだな」「あ、あっちにロープウェーが見える」と観光気分で橋を渡っているうちは良かったのですが《写真12》、渡り終えたらまたしても渋滞。しまった〜っ!
 200円払って引き返そうにも反対車線も渋滞です。なにせこの好天気、どっと行楽客がこの界隈に出てきているのでしょう。甲府盆地はブドウ狩りのシーズンだし…この道は、その甲府盆地と富士五湖を結んでいるのです。このままずっと渋滞が続くのかとガッカリしながら前方を見ると、この先の信号機の点滅間隔がずいぶん短く感じます。案の定、この信号機のある「河口」という交差点が渋滞のネックでした。ここを過ぎたら流れはスイスイ、遅れを取り戻すべくグングン坂道を登って行き、新御坂トンネルを抜けた先は長く続く豪快な下り坂でした。ううむ、これが逆コースならシンドかったろうなぁ。

 実は、『甲斐大和』は当初の立ち寄り予定には入っていませんでした。それが加わったのは「高速ワープ」のおかげです。というのも、上で書いたようにもともと今回は『とよとみ』にも立ち寄るつもりだったのですね。『とよとみ』はR140沿いの駅だから、そのまま国道を走ってくれば我が家の近所までつながっています。ところが、このルートは一昨年に石和で渋滞に遭った苦い経験がトラウマになっていて、途中の甲府南ICから中央道で迂回して勝沼ICまで行ってしまおうと考えていたのです。そうすればそこから先は昨年のルートになりますから。で、西から東に向かって地図を見ていると勝沼ICの先、R20号沿いに『甲斐大和』が見えて、往復10kmくらいの寄り道で行けそうだぞ、と思った次第なんです。去年の場合は大月JCTから勝沼ICに向かったため、ここは高速道路を使って通り過ぎてしまうことになるので意識の外にあったというわけですね。全駅制覇を狙っていないから、こういう見落としがあるのです。でも、今年はちょっと気合いが入っているのだ。

 「御坂みち」と名づけられた旧鎌倉往還R137の坂道を下り、県道34号線に入ると両側に観光ブドウ園が続きます。客引きのオバさんたちが手を振って呼び止めようとする中をR20に向かって走ります。国道に出て、そのまま東へ。甲府盆地が終わり、山あいに入ってきたなと感じた先が目的地でした。


13
14
15
甲斐大和◆
 大月から来ると、ここは新笹子トンネルを抜けた直後に位置するのですね。うっかり通り過ぎてしまうかもしれない。時刻はまだ午後3時を10分ほど回ったところなのですが、山かげということもあって秋の日差しは夕暮れの近さを感じさせます。
 しかしまぁトンガリ三角が基調になった建物ですね。屋根の形はもちろんのこと、屋内に入ってもドアにはめられたガラスや天井近くの間接照明の器具など、いたることろに三角がモチーフとして使われています。まさに「♪甲斐の山々 陽に映えて(武田節)」ですね《写真13,14》。
 そんな三角づくしの駅ですが、一ヶ所大きな丸がありました。駅舎とトイレの間、裏の従業員駐車場みたいなところに抜けられるような通路というか広場のところに一段高くなった丸いスペースがあり、ステージと呼べるほどの高さでは無いのですが、何かイベントをやるのかなぁ、周囲の頭上からはここを照らせるようにライトが設置されていました。ちょっと気になる空間ですね《写真15》。
 渋滞に続いて山越えなど、ちょっと緊張する運転をしてきたので、ここでソフトクリームなんぞを食べてリラックス。
 さて、気分的にはここからがいよいよ「帰途」ってとこかな。


 勝沼へ引き返し、観光ブドウ園の並ぶ中を通って塩山に向かいます。ああ、あそこは去年立ち寄って蕎麦を食べた店だ。今日もまた売り切れじまいの看板を出しているぞ…などと見覚えのある景色を眺めながら走ってR140に合流します。石和での渋滞がトラウマになっていると言ったものの、3年続けて「雁坂みち」を走っている中で一番早い時間帯に通ったのがその時なのです。だってあの時はこの先埼玉県内の道の駅にも立ち寄りながら(しかも国道から離れた両神村も往復して)帰宅したのが午後5時半だったのですから。そのあと年々遅くなって、今年『まきおか』に着いたのは、ほとんど4時でした。


16
17
18
花かげの郷まきおか
 去年は、今年より40分くらい早い時間にここに着いたのかなぁ。それでもやっぱり先を急ぐ気持ちがあって、駅舎の裏手にできていた公園みたいなものに子供たちが気付かないようにと思っていたのですが、今年はしっかり颯が見つけてしまいました。
「ちょっとだけ行ってみたい」
 どうせちょっとじゃ済まないだろうなと父ちゃんもついて行ったのですが、行ってみて良かった、富士山が綺麗です。駅舎のあたりからだと電線が間に入るのですが、ここからだとそれがなく、写真を撮るにも最適です(と売店のオバさんが言ってました)。
 滑り台だけと言っておきながら、結局颯は一通りの遊具で遊んでしまったのですが、俗に「ターザン」と呼んでいるロープに掴まって滑車で滑ってゆくヤツの新型には感心しました。普通は一方通行で、滑りたい子は最初スタート地点まで手でロープを引っ張ってこなければならなかったのですが、これは往復で滑れるような設計になっているのです《写真16》。
 クライミングウォールもどきみたいな壁もあったり《写真17》、もちろん父ちゃんはブラブラ歩くだけでしたが、同じ姿勢で運転してきた身体を少しはほぐせたような気がします。
 そうそう、母ちゃんと結衣に何か土産を買ってゆかなくっちゃ…また今月もブドウになってしまいました。


 ここから次の駅までは特記事項はないですね。一本道を約14km、紅葉も今ひとつなので途中の広瀬ダムで停車することもなく、ひた走りです。


19
20
みとみ
 我が家にとって山梨県最後の道の駅です。昨年同様に夕暮れの迫る時間帯ですので一抹の感傷も漂ってきます。という父ちゃんの気分とは裏腹に、颯は元気にまたソフトクリームを食べています。父ちゃんも何か…豚まんを食べたいなと思ったのですが、やっぱり売り切れでした。ここはイノブタ料理が名物らしく、いのぶたラーメン、いのぶたコロッケ、そしていのぶたマンと、イノブタづくしなのですけど、夕方なので品切れになってしまうようなのです《写真19》。
 そういえば、去年来たときには「TVチャンピオン・和菓子職人選手権」の優勝者が作ったお菓子ってのがあったけど、今年は見かけなかったなぁ。
 颯がソフトクリームを食べ終わるのを待つあいだ、土産物コーナーと情報コーナーを行ったり来たりしてウロウロしていたら、その間に小部屋があって、これから通る雁坂トンネルや秩父の案内がパネルで紹介されているのに気がつきました。へぇ〜っと興味深く見ていましたが、山梨県で地元埼玉のことを学習するというのも妙な気分ですね《写真20》。
 さて、最後にしっかりトイレに行っておくぞ。実は我が家には変なジンクスがあるのです。それはスタンプラリーに限らず、道の駅『大滝温泉』に立ち寄るときは必ず雨か雪に遭っているというジンクスです。過去4回がそう。去年の秋にここを通って颯がトイレに行きたがったときは『大滝温泉』の前を通り過ぎた後だったので三峰口駅(これは秩父鉄道の駅)に立ち寄って雨に遭わなかったのでありました。というわけも今回も雨が降らないように、ここでトイレを済ませておこうというわけですね。トイレには可愛らしい子供用の便器がありました。最近、こういう設備が増えてきたなぁ。男性用トイレにもオムツ交換用の台が用意されていたりしてね。


 雁坂トンネルができて、山梨方面まで近くはなったけど、時間がかかって不便だよ…そう言いながらも道の駅スタンプラリーでは『まきおか』『みとみ』を押さえながら帰ってこれるので効率の良いルートになってしまいました。それにしても、雁坂トンネルもそうですが、中津川林道のあたりや滝沢ダムなど、奥秩父の山の中で大規模な土木工事が進んでいるのには驚かされます。便利さに感謝しつつも、ここまでやっちゃっていいのかという気持ちも湧いてきて、少々複雑な気分ですね。
 昨年同様、『荒川村』の先でR140を離れて荒川左岸を長瀞まで裏道を走ります。なんとか6時45分までに着けるかと思っていたのですが、ちょっと遅れて帰宅が6時50分。まぁ御殿場をほとんどお昼に出発して、この行楽シーズンの中で道の駅を6駅回ってこれたのですから、順調といってもいいかもしれませんね。
 往きの渋滞の話をしたら母ちゃんは「行かなくて良かったぁ」と申しておりましたが、それでもキャンプものんびりできて(あれだけいろいろ忘れたら、何もしないでのんびりするしかない、という見方もあるけど)まずまずでした。今年のキャンプはこれでおしまいかな…

 と言いながら、父ちゃんだけは11月15日、月曜日の晩にかわせみ広場で行われた『平日オフ』に乱入しました。もっとも、仕事が終ってから直行し、テントを張らずにクルマに泊まって翌朝また出勤したので、あまりキャンプという気分ではなかったですけど。