《2004.12》 ■ ゆっ、きでし〜た 

「湯もみショー」の公演は
民謡⇒実演⇒体験を2サイクルだった
 さて、恒例(どうも我が家は恒例行事が多すぎる。しかも年々増えているような気がする)の年末旅行です。今年はどこへ行こうかなぁと考えていたのですが、小諸YHということに決まりました。昨年の元日に泊まった雰囲気なら、家族で泊まっても落ち着けそうでしたから。そして、今回は大晦日の晩と元日の晩の2泊の予定です。
 泊まるのは小諸で決まったけど、昼間はどこで遊ぼうか? 初日は朝早く家を出ても構わないから長野や…小布施くらいまでなら足を延ばしてもいいな。家族で楽しめそうなところはないか? せっかくだから少しは雪が見られるところがいいな、などと探していたのですが、なかなかいい場所がないのですね。で、突然思いついたのが
「そうだ、草津に行こう!」
 草津だったらGWにも行ったけど、あの時寄らなかった『熱の湯』で湯もみショーを見てもいいし、道の駅にある『ベルツ記念館』や『スキー資料館』を見学してみたい。そしてもちろん今度は『西の河原大露天風呂』に入ってこよう!

 というわけで出発です。家を出てしばらく行くと、颯が「うわぁ、すげぇ!」と声をあげます。何かと思ったら道路沿いにある西濃運輸の営業所の前にトラックが綺麗に並んでいます。かなり間口が大きな倉庫が2棟並んでいるのですが、それを全部埋め尽くしてるのは壮観ですね。一旦は通り過ぎたのですが、引き返して来て写真を撮ってしまいました。
初荷を待つトラックの隊列...壮観
 いつも渋滞に悩まされる「上里町勅使河原付近」もこの日はスイスイ、高崎から榛名、倉渕といつものルートを走ります。で、北軽井沢方面への分岐を通り過ぎると、ところどころ道路に雪が…前々日の29日に深谷でも少し雪が降ったのですが、山あいのこの辺りではそれが残っているのでしょう。もちろん我が家のクルマは前日にスタッドレスタイヤに履き替えていたので、これくらいは平気です。とはいえ運転は慎重にね。
 最初は「道路沿いに家が建っているところが日陰になって雪が溶け残っている」程度だったのですが、吾妻町に入って峠道になってきたら全面的に路面が雪です。むむむ、このまま大戸で左折して406号を走り続け、須賀尾峠を越えるのはちょっと厭だなぁ…坂が急だし、交通量がほとんどない(つまり雪が降ったあとに走ったクルマが数えるほどしかなく、雪がいっぱい残っているだろうという判断)しね。それで、そのまま直進して山を降りきることにします。まだ406号が行き止まりだった頃から、そしてたぶん今でもこっちがメインルートなんですよ。すぐ先でやっぱり長野原に向かう国道145号に出られるからね。しかし父ちゃんの悪い癖で100番台の国道を目の前にして左折。吾妻川対岸の町道を走ってしまったのです。もちろん地元の人しか走らないこの道は全面積雪。まぁ、坂道じゃないのが何よりですが、吾妻渓谷の少し下流で145号に出てみたら、わざわざ裏道を走らなくても国道がガラガラでした(もちろん雪は無い)。…おっほん、久しぶりだから周りに他のクルマがいないところで雪道走行の勘を取り戻せてよかったじゃないか。
 長野原からは草津道路を快調に登って行きます。父ちゃんは8月にもここをスイスイ走っているのですが、他の家族はGWの渋滞の思い出が残っていて「あの時はここでずいぶん時間がかかったねぇ」などと話しています。トイレストップで道の駅に入って時計を見ると、特に急いだ覚えもないし途中でコンビに寄ったりしていたけど、それでも2時間半でここまで来たことが判りました。今日も快調です。

 ここでちょっと休憩(というよりトイレ)して草津の町なかに入って行きます。雪がちらついてきました。前回同様、天狗山の駐車場に停めようかと思っていたのですが、右手を見ると西の河原に向かう遊歩道にずいぶん雪が積もっていて、あそこを歩いて往復するのは難儀そうに思えてきました。そこで温泉街の中に駐車場はないかと坂道を下ってゆくと、わりと広い駐車場が半分以上も空いているのが見つかりました。
「よし、ここへ入れよう」
 草津の中心部、湯畑まではさらに坂道を下って歩けば5、6分くらいでしょうか。でも、凍っているのでゆっくり歩かなくっちゃ…言ってるそばから父ちゃんが転んでしまいました。痛てぇ…

不調の原因は天候? アクセス集中?
 さて、ここで皆さんにお詫びしなければなりません。いや、予告も約束もしたわけではないから黙っていればバレないのだけど、この年末に草津に来た話をここに載せるにあたって、一つの計画があったのです。というのは、草津には湯畑を24時間写しているライブカメラがあるのですが、それに我が家のメンバーが手を振って写っているところをこのページに載せようと考えていたのです。映像が映し出す範囲から、おそらく『熱の湯』の軒下にカメラが設置してあるだろうと予想していたのですが、はたして黒いカプセルが吊るしてありました。さっそく携帯電話で父親に連絡を取ります…そうなのです、実家のおじいちゃんに頼んで画面をキャプチャーしてもらう手はずになっていたのですね。ところが、前夜実家でリハーサルをし、出発前にもカメラが動いていることを確認して家を出たにもかかわらず、この時間に接続が途切れ途切れになっていたらしいのです。想定外の出来事に、電話の向こうでおじいちゃんはオロオロするし、こっちはこっちで雪がだんだん強くなってくる、気温が低いから温泉の湯気がもうもうと立ち込める、目の前を横切るクルマの量が多い…シャッターチャンスを待って立っているどころではなくなってきました。だいいち寒いよ。
 結局、作戦は中止せざるを得ませんでした。その後2度ばかりおじいちゃんから「今はつながっているみたい」と電話が来たのですが、こちらがカメラの場所から離れていたりで、せっかくのアイデアは実現しませんでした。
 しかし、湯畑を一周しても雪と湯気でまともに見えなかったとは…

 今回は『熱の湯』で「湯もみショー」を見てきました。話の種といいますか、一度くらいは見ておいてもいいんじゃないかな。しかし、通常の公演時間が朝と夕方、冬期公演が午前中の3回というのは、観光客の都合と合っていないような気がしますね。それとも旅館の従業員が交替で出演しているかで、そっちの都合かな。
 外に出ると雪がだんだん強くなってきているようです。『草津ガラス蔵』という店が、建物を3棟つなげて通り抜けできるので雪を避けながら店内を見てきました。とんぼ玉つくりの体験は興味があったのですが、希望者が多く、申し込んでも午後2時過ぎにならないと順番が回ってこないようなので、断念するしかありませんでした。
舞茸のつけ汁は旨かった
 湯畑周辺の商店街が尽きるあたりで昼食にします。やっぱり年末らしく(そうでなくても好きだけど)お蕎麦です。ちょっと変わった盛り付けでね、どんと4人前とか5人前を一つの鉢に盛って、つけ汁を肉だ舞茸だと銘々が好きなものを注文できるのです。まぁ家族で和気藹々と食べていられればいいけど、皆が腹減ってたら黙々と箸を動かすことになるでしょうね、奪い合いながら(^^ゞ
 蕎麦湯を飲んでいるみんなを残して父ちゃんはクルマに温泉セットを取りに戻ったのですが、すでにクルマの屋根やボンネットには雪が積もっていました。

 さて、西の河原の大露天風呂です。行ってみて判ったけど、ここはホントに大露天風呂しかないのね。脱衣場で服を脱いで外に出るというか風呂に入るというか、とにかく扉の向こうは大露天風呂。洗い場も内湯もないのです。
 ま、それはいいんだけど、身体をお湯から出していると背中に雪が当たるのがチクチク痛痒いので、肩までしっかり入ったまま、座ったお尻を浮かせて手でヨチヨチと露天風呂の中を移動して適温の場所を探すのでした。颯はここに入るのをすごく楽しみにしていたのですが、父ちゃんの感想としては「広々とした開放感だけが取り得」って気がします。で、この天気ではその開放感も半減ですね。雪景色を楽しむには現在進行形で降る雪が多すぎで周りが見えない。夜ならばそれはそれで幻想的だったかもしれませんが。

GWに来た時には
「冬は湯気がもうもうだろう」と思ったが
それほどでもなかった西の河原
 さて、湯冷めしないように急いで、でも転ばないように落ち着いて駐車場に戻ります。雪はだんだん激しさを増してきているようです。草津の町を出て道の駅に寄ったのですが、駐車場から建物に歩くのさえ億劫な雪です(駐車場は道の両側にあるのですが、上り線側のは利用者が少なく、雪が積もっていたのです)。というわけで道路のこちら側にあるとはいえ『ベルツ記念館』や『スキー資料館』の見学のためにクルマを降りる気にはなれず、トイレに行きたい人だけが雪の中を車外に出たのでした。
 草津道路の坂道を降り、コンビニで飲み物を買って北軽井沢方面へ向かいます。ここで厄介なことが2つ起きているのに気付きました。ひとつは、スタッドレスタイヤを履いているにもかかわらず、発進時などではタイヤが空転してしまうということ。これから急坂が待ち受けているのになぁ…いちおうチェーンも持って来てはいるけど、実はまだ一度も使ったことがなく、というよりタイヤに合わせていないのでイザというときに使えるかが心配なのですね。もう一つはワイパーに着いた雪が凍りつき、ブレードを浮かせてしまって拭き取りが悪くなり、前が見にくくなっているということ。で、こういうときに限って後続車がピッタリ後ろにいるんだなぁ。
 スリップの件は、ひとたびクルマが動き出せばペースを維持して走っていれば大丈夫なのですが、前が見にくいという問題は厄介です。道路脇に停車して雪を取り除けばいいのですが、田舎の山道ですよ、道路脇がどうなっているかが判らない。雪の下は溝や法面になっているでしょうから迂闊にクルマを寄せられないのです。それでも何とか大丈夫そうなところを見つけて停車、ワイパーにこびりついたシャーベット上の塊を取り除きます。
温泉タマゴは
あまり売れているようには見えなかった
 ということを2〜3回やったでしょうか(3回目のときは後続車も一緒に停車し、父ちゃんと同時に外に飛び出したドライバーがやっぱりワイパーの雪を落としていました)、北軽井沢の別荘地に入り対向車も増えてきたところで、父ちゃんはその対向車のおよそ半数がワイパーを動かしていないことに気付きました。
「あ、そうか!」
 ワイパーでこするから雪が溶けたり再凍結したりするのです。ワイパーを動かさなければ、雪は風で飛ばされてしまうではありませんか。峠に近く、気温が下がっているので雪も乾いているのでしょう。そのまま走れば大丈夫だ。
 峰の茶屋で峠を越え、この後は中軽井沢までカーブの多い急な下り坂ですが、落ち着いて運転することができました。やれやれ。
 毎度お馴染み、ツルヤの駐車場でクルマから降りて見たら、いつもはクリアランスが大きくて屋根の荷物を取る時の踏み台代わりに使っているタイヤハウスに雪がぎっしり詰まっていました。いやはや、せっかくだから少しは雪が見られるところがいいな、なんて軽い気持ちで出かけてきたのですが、とんでもない日に旅に出たものです。(夜になって知ったのですが、東京でも大雪で高速道路が通行止めになったりしていたそうです)

 このレポートには写真が少ない(というか草津に偏っている)のですが、草津の町なかではデジカメの電池切れで使えなかったのと(携帯電話のカメラを使用)、軽井沢までの移動中は、とても写真を撮っておこうというところまで気が回りませんでした。ほんと、それどころじゃなかったんだから。