《2005.03》


 オトナだけの感覚かもしれませんが、月日の流れるのが恐ろしく早く感じてしまいます。家族揃って奥日光XCスキー大会に参加して楽しんだのが、ついこないだのような気がしているのですが、昨シーズンは一度もスキーをしていないので、もう2年前のことなんですよねぇ。もうそんなに経っちゃたのかと思うのはオトナだけで、子供たちはずいぶん長いことスキーをやっていなかったと思っていたのでしょう。
 そんなわけで、今年はまた家族揃ってスキーに行きたいねぇと、3月20日の春分の日に照準を合わせていたのです。ところが、たぶん次の章で報告することになる出来事が原因で、家族揃って家を空けられなくなってしまいました。残念ながら颯と父ちゃんだけで行くことにします。

 母ちゃんが行けないのであれば、颯も身体が大きくなったので、母ちゃんの道具が使えないかと思ったのですが、まだ靴のサイズが合わず、XCスキーで大きすぎる靴を履いたらスキーコントロールができないだろうから、やっぱりレンタルですね…でも、レンタルのビンディングはコントロールしやすいロッテフェラーの新型のものだったので、古いサロモンのSNSシステムのビンディングを使っている母ちゃんの板(父ちゃんのも同様です)を使うよりは良かったかもしれません。
 父ちゃんも今度からレンタルを使おうかな。ずいぶん前から買い換えたくって悩んでいるのだけど、シーズン中にスキーをやる回数を考えたら、レンタルの方が費用が安くつくからなぁ。

 話がいきなりスキーをレンタルするところまで来てしまいましたが、いつものように三本松でスキーをレンタルして、とりあえず光徳の駐車場まで行ってみることにします。混んでいたら戻ってくるつもりだけど、大会の日は別として、ここ数年駐車場がいっぱいだったことはなかったですね。
 この日も余裕で駐車して支度に取り掛かります。ここに来るまでの道路の雪はたいしたことはなく、夏タイヤでもノーチェーンで来れたような状況でしたが、林の中の雪はなかなか量が多いです。今シーズンは最初暖冬と言わたものの、本格的にシーズンインすると、雪の量は多いという声があちこちから聞こえていたのですが、ここ奥日光でもかなりの積雪が残っていました。


まだ登るのぉ〜?

 3月20日といえば、年によっては絶対に転びたくないシャーベット状だったり、ところどころ土が出ていることもある時期なのですが、この日はまるで2月半ばのような雪の量と質です。今シーズンはこの一回きりになるつもりだったのですが、これなら来週、いや4月の声を聞いても再訪できそうだな…でも、そう思っていながら結局来ないままシーズンを終えた年が過去にもありましたね。やっぱり「春分の日」はひとつの区切りなのでしょう。暑さ寒さも彼岸まで、ですからね。

 颯はいつも家で「10kmコースを行ってみたい」と言うのですが、まだ彼の腕前というか足さばきでは無理だろうなぁ。10kmコースというのは奥日光XC大会で「ハイキングの部10km」のコースで滑るコースなのですが、後半に結構きついアップダウンがあり、XCスキーを「歩くスキー」と思っていると、ちょいとビビッてしまいそうな下り坂が続くのです。もちろん坂のてっぺんに至る登りも、雪のコンディションと板が合わないと初心者には苦しかったりするのですね。
 途中でエスケープすることになるだろうなぁと思いながら、その後半部分にチャレンジしてみることに…したのですが、案の定、山王林道を横切るところまで登って行ったところで「やっぱりやめる」
 正直言って父ちゃんもシーズン最初、しかも昨年は一度もスキーをやっていない状態で、この先の下り坂はちょっとビビッてしまうなぁと感じていたのですね。で、林道を横切らずに右に行くとこれまた結構なスピードが出る下り坂があるのですが、あまり人が入った形跡がありません。トレースがしっかりしていないと滑りにくそうだなぁ。とまぁ結局一番緩やかな山王林道を滑り降りて戻ってきました(^^ゞ


火を使うのは外で

 しかし、これだけで午前中の部を終えるのは情けないので、クルマに戻りたがる颯を叱咤してアストリアホテル裏から下手に続くコースを滑ってきました。ここは緩い下りになっているのでパスカング滑走などの練習にもってこいの場所なのですね。初めからここに来ればよかった。

 駐車場のクルマの中で昼食をとった後、午後はおなじみの5kmコースです。午前中の体力のあるうちに山道に挑んだのですが、やっぱり逆が良かったようです。こういう平坦なコースで足さばきやリズムの勘を取り戻しておいたほうが良かったみたい。颯も元気に滑っています。とはいえ父ちゃんに一日の長があるので、滑っていると間が開いてきます。それでしばらく行くと父ちゃんが立ち止まって颯を待つ(実は休憩している)というパターンで滑っていったのですが、三本松近くまで滑ってきて立ち止まっていると、颯と相前後して滑っていたグループの中の一人が声をかけてきました。

「まつお?」
「お、良明かぁ!」


それなりに広い場所で、この偶然

 ペンション『トロールの森』のオーナーです。サングラスして帽子をかぶっていたのに良く判ったなぁ(ヘンな格好だから判った?)。彼はお客さんを連れてのハイキングだそうで、今シーズンは毎週のようにここに来ているのだそうです。とはいえバッタリ出会うのは素晴らしい偶然ですよね。やっぱりこのコースを滑るのを午後にして良かったなぁ。
 三本松にクルマをデポしているトロールの森一行と別れて、こちらは緩い坂道を登り始めます。初心者には恐怖感さえ与える枯れた川を越える場所も、今年は雪が多いせいか斜面が緩やかに見えます。颯もすっかりなれてしまい、難なくクリア。やがてアストリアホテルが見えてきてゴールです。
 さすがに3月の彼岸ともなるとまだ日も高く感じるのですが、欲張らずにこれで引き上げますか。三本松茶屋にスキーを返し、麓の『やしおの湯』で温泉に入ってといういつものパターン。この「いつものパターン」がまたできたということにささやかな幸せを感じてしまいますね。


 久しぶりだからあまり無理をせず、軽く滑ってきたのつもりでしたが、いや、実際その日はそう思っていたんですよ。でも、翌日、父ちゃんと颯は筋肉痛でヒーヒー言う羽目になったのでした。やっぱり日頃の運動不足か…