《2004.07-08》 ■ タープ三昧、いや、三枚 

 夏は暑いからキャンプはしない、と言いながらもそれなりにキャンプしている我が家ですが、今年、父ちゃんは7月末から出発した海水浴キャンプも含めると8月に4回もキャンプしています(子供たちは3回、母ちゃんは2回)。毎週末がキャンプで、行かなかったのは仕事が夏休みの週末だけ…世間一般の人とは逆だな(^^ゞ

 最初に行った海水浴キャンプ、すでにレポートしましたが、新しいタープを持って行きました。タープを新調するのに当たって、今度はレクタングラー型を買おうかなと思ったのですよ。ただ単純に四角いヤツ。日頃お世話になっているユニフレームさんの『ビッグタープ』なんかいいな。しかしね、『ビッグタープ』はいくら今年小型版が発売されたからと言っても(正式名は『ビッグタープ6×5』だが、去年カタログ撮影用の試作品を『ビッグタープ・ミニ』と呼んでいた)やっぱり大きいな、ファミリーキャンプじゃ使えるサイトが限られそうだし、と躊躇してしまったのです。やっぱり一人でも張りやすいウイング型かな。
 ウイング型、それも有効面積で有利なヘキサウイングのタープならば『リッチウェル』というブランドのものが最高峰だと信じているのですが、もうこのブランドはありません。で、この『リッチウェル』の後継とも言えるタープはスノーピークの『HDタープ』だと思うのですが、ここでそれを買わないところが父ちゃんの素直じゃないところです。だってスノーピークはみんな持ってるんだもん(^^ゞ
 で、存在を思い出したのが愛知県は岡崎市にあるアウベルクラフト。ここは『スターウィング』というユニークな星型タープのシリーズを展開しているのですね。最近はいろんな手作りキットの開発が中心になったみたいな会社ですが、創業の原点とも言うべきタープはまだ継続中でした。というわけでスターウィング+オプションタープを発注したのです。おっと、ポールが3本必要なので、今までのをそのまま使うとしても、もう1本買い足さなければなりません。今使っているのがスノーピークの『ウイングポール280』なのですが、あえて少し短い『240』を購入…いや、300円ケチったというのではなく、70cm×4本継ぎの280と、60cm×4本継ぎの240を組み合わせれば、高さのバリエーションがいろいろ作れるぞと思ったのですよ。

アウベルクラフト GMC(ビバスポーツ) Moss

 さっそく新しいタープをもって新潟に行ったのですが、前にも書いたように初日にハトメが壊れるトラブルが発生しました。ふと見上げると、ハトメの脇から見えてはいけないはずの空が見えている。てっきりハトメの周囲の生地が切れたか伸びたかしたのだと思いました(今まで使っていたのも切れかかっている)。幸いタープ本体にループが縫い付けられていて、そこにロープをかけて本体を引っ張ることでポールがハトメ部分にかける力を少なくすることができたので、2泊3日を持たせることができたのですが、撤収時にポールを外してみて生地が切れたのではなく、ハトメがちぎれたことが判りました。それもフランジの根元部分ではなく、貫通部分の真ん中が切れてしまっている。
 帰宅後アウベルさんに連絡を取って原因調査と修理をお願いしました。実を言うと次の週末のキャンプこそスターウイングを張ってみたいキャンプだったのです。広い草原サイトで、スターウイング本来の形が見られると思ったのですね。新潟の区画サイトは広いサイトではありましたが、それなりに変形させて張りましたし、周囲にいろんなものがあって綺麗に写真が撮れるアングルが得られませんでした。宅急便で送れば翌日着いて、それから修理して…週末には厳しい状況だなと思いながらも、うまくゆけば間に合うかもしれないという期待をのせて少しでも早く着くようにという気持ちから、いつもなら昼休みに勤め先の近くの営業所に持ち込むところを朝、近所のコンビニから発送したら翌日の夜になってもインターネットの荷物追跡のページでは「まだ登録されていません」…そんな馬鹿なと調べてもらったら、コンビニから集荷のドライバーに渡すのを忘れて本日の発送になってしまったとのことでした。つくづくツキの無いタープです。これで週末のキャンプで使うことは不可能となりました。


煙は出てくるけど
なかなか炎にはならない
 週末のキャンプは自治会主催…で最初は独自に秩父に行く予定だったのですが(7月にスタンプラリーで秩父をドライブしたときに「ああ、ここだなぁ」と見ていた)、諸般の事情で計画を変更し、たまたま青年会議所が主催したキャンプに「団体で参加」する形で行われました。父ちゃんは「PTAからも出てくれ」と言われて颯と結衣を連れての参加です。行き先は赤城山南面の『キャンプワンダー』というところで、数年前までは『アバコグリーンビレッジ』というキャンプ場だったところです。ずいぶん前から「結婚式場みたいな名前のキャンプ場だな」と気になってはいた場所だったのですが(実際、同じ系列だったらしい)、1998年にアバコが手離して今は育心会という団体が運営しているようです。緩やかな斜面に広がる草原のサイトは気持ちよいですが、ファミリーキャンプ向きのところではありませんね。児童会などの団体キャンプ向きです。
 ここで久しぶりにキャンバス地の三角テントを張りました。青年会議所が教育委員会から借りてきたもののようです。こんなの20年ぶりだぜなどとぼやきながらも結構手際良く張れた自分にビックリしてます。カレーを作って飯盒でご飯炊いて…いやぁ、典型的な児童会キャンプですなぁ(^^)
 実は着いたときから赤城山に厭な感じの雲がかかっていて、夕立が来るだろうなと覚悟していたのですが、間もなくポツリと落ちてきたかと思うと、じきに土砂降りになってしまいました。カミナリもキャンプ場を包囲するようにそこらじゅうでピカッ、ゴロゴロ、ドッカァ〜ン! 後で知ったのですが、このとき前橋・高崎地域には大雨洪水警報が出されていたのだそうです。でもね、父ちゃんにしてみれば雨の勢いは7月の秩父の方がよっぽど凄かったし、カミナリだってここが赤城だと思えばたいしたことは無いなぁと思ってたんですよ。赤城のカミナリの凄まじさはこんなものじゃないってのを知ってますから。だから、他のみんなが炊事場や体育館に避難した後も、のんびりタープの下にいて、スイカ割りなど盛りだくさんだった午後のイベントもキャンセルとなって(気持ちの上では)静かなひとときを過ごさせていただきました。
 そう、タープです。スターウィングがまだ修理中だったため、今までのヘキサウイング(高崎にあるグレンリッジ・マウンテン・カンパニーというショップのオリジナルだが、Mt.DAXのOEM)を持って行き、荷物の上に張っておきました。これにスターウィングのオプションタープを組み合わせてバーベキューコンロの火熾し場にして、そこで缶ビールを飲みながら濡れたシャツを乾かしていたわけです。

テープで長さを識別できるようにした つい高く張りたくなる これ、どうやるの?
低く狭く張ったのが雨には幸いした 飯盒でご飯を炊くのは20数年ぶり 風車の中は売店だった

 しかし、ハトメの周囲の生地が切れ、心配だなぁと言いながらすでに3、4年もこのタープを使っているんじゃないかなぁ。ひょっとしたらスターウィングを買う必要なかったのかもしれない (^^ゞ (母ちゃんにはこのつぶやきはナイショだよ)
 今回は人が食事する場所にはリーダーが持ってきたレクタングラー型のを張ったので、父ちゃんのタープは無理して張るまでも無かったのですが、この雨では、張っておいて良かったなぁとつくづく思いましたね。また、どうせ荷物置き場だからと低めに張ったのも良かったみたいです。雨よけの効果だけではなく、見た目が綺麗です。タープを張るときって、ついその下の居住空間を確保するため高く張りがちですが(だから付属の240cmのポールが傷んだときに280cmのものに買い換えた)、ウイング型は低めに張ったほうが美しいと思いますね。ポール間が長くウイング部が狭い我が家のは、特にそのほうが有効面積も増えるような感じです。
 夕方には雨もやみ、食事の後は全体行事として青年会議所が企画したレクリエーションやキャンプファイアーなど、まぁ確かに自治会チームだけでは人数が少なく、子供たちにとってはこういう大きなイベントに組み込まれたほうが楽しいでしょうね。大人たちも楽だし(^^)

 翌日、全体行事として解散の後は、帰途すぐ近くにある道の駅『ぐりーんふらわー牧場・大胡』に作っておいた昼食を持って立ち寄ります。最初は芝生広場の奥にある四阿屋まで行こうかと思ったのですが、駐車場からすぐそばの柵を越えたところにある木陰の涼しさに満足して「ここでいいじゃん」
 でも、子供って元気ですよね。父ちゃんが食後そよ風に当たっている間に、結衣たちは芝生広場を横切り、谷を越え、向こう側にある遊具広場の方まで歩いていったのですから。父ちゃんだったらクルマで行こうと思っちゃうだろうな。そうそう、ここのシンボルでもある風車の中が売店になっているのは新発見でした。
 当初の予定では、ここではなく『群馬フラワーパーク』が立ち寄り場所になっていて、内心「また出なおしかなぁ」と思っていたのですが、うまい具合にスタンプラリーのスタンプを1個押すことができました…って、父ちゃんがここを薦めたのですね (^^ゞ でも入場料もかからないし、駐車場から食事の支度一式を運ぶ距離も短くて済んだし、自治会役員の皆様にとってもメリットは充分にあったかと思っておりますです、ハイ。


 このキャンプが終わって、まもなくスターウィングが修理を終えて帰ってきました。メーカーであるアウベルクラフトにとってもこのようなトラブルは初めてとの事でしたが、検証した結果、ハトメ本体ではなく打ち方に問題があるのではないか、作業者のスキルだけではなく工具の磨耗などの要因も加わり、本来のカシメられ方がなされなかったと考えられるとの事でした。もちろん今後の作業工程や工具のチェック、製品検査に反映されるわけですが、とりあえず父ちゃんのタープに関しては破損していない部分も含めて生地の補強とハトメの打ち直しがなされたとの事です。
 そう聞いたらまた張ってみたくなるじゃぁありませんか。実は野反湖にも持っていったんですよ。あの湖畔の美しい風景をバックに写真を撮りたいなと思って…でも、曇天や霧雨だったり慌しかったりで、張ってみる機会はありませんでした。

こういう使い方があるから
小型タープも手離せない
 野反湖で活躍したのはMOSS社の『パラウイング12ft』でした。15年も前に買ったものです。ですから縁取りのテープの色がまだ黒色を使っていた頃の製品です。いや、それだけじゃない、一番最近使ったのでさえ1997年ではなかっただろうか。袋から出そうとしたらベタベタ。どうやら防水コーティングが溶けて、生地がくっついてしまったらしい。というわけで広げるのが大変でした。べりべりべり…。
 今回持って行ったポールはちょっと細身の180cmでした。「ウイング型は低く張ったほうが美しい」理論から行けば、このタープには150cmくらいが一番似合っていそうな感じです。でも、いくら今回椅子を使わずテントの前室として使うと言っても、それじゃぁ低すぎてテントの屋根に引っかかってしまう。いつか純粋にタープ本体だけで昼寝用に使うときにウイングポール70cm×2=140cmで試してみよう。(と書いて「テント付きタープ」とも言える『リトルスター』を持っていたことを思い出した。あれは120cmが適正なのだが、ちょうどよい長さのポールを持っていなかった。今年ウイングポール240を買ったので60cm×2=120cmが使えるぞ)
 まぁ高さの件はともかくとして、このベタベタは何とかならないものでしょうかねぇ。一晩霧を浴びせてそれをまた乾かして、といったことをやっているうちに少しはベタベタが取れてきたような気もするのですが、収納袋もベタベタで、当分の間は袋に入れずにおこうと思います。
 ところで、今は大きなタープの話から順に書いていますが、実際に買って使い始めた順番は逆なのですね。だからモスのタープが畳んで収納袋に入れるとパーカのポケットに入る大きさだったのに、その後買ったタープが畳んでも凄く大きくなってしまったので、「なんじゃこりゃぁ!」とビックリしたのを今でも覚えています。この頃からツーバーナーを買ったりテーブルを買ったり、我が家のキャンプ道具の大型化路線が始まったんだなぁと思いますね。


ピクニックテーブル6連装 オプションタープも広く使える 有効面積を最大限に稼ぐと…
こら、後ろで遊んでるんじゃない
子供たちが食事の当番だろ!
昔、ここは狭く区画割りされた
テントサイトだったっけなぁ
今じゃ綺麗なロッジが建ち
キッチン・バス・トイレまでついている

 野反湖の翌週は子供たちが通っている学童保育所のキャンプです。これまで6人用ドームテント、6人用三角テント、2人用ドームテントと寝床が変わってきているのですが、今回はキャンプと言っても畳の上、バンガロー泊まりです(母ちゃんはベッドに布団と言う、さらにデラックスなロッジだった)。でもね、天気予報は雨だからタープの用意は必需です。今は降っていないけど、これは絶対必要になる。そう思って張っていたらやっぱり降ってきました。でもまぁ1日目の夕方までは何とか無くても大丈夫かなと言う程度でしたが、夜になるともう駄目。子供たちは(建前としては)寝ている時間なのですが大人たちがタープを必要としました。昼間張った位置からみんなで1本ずつポールを持って張った状態のままロッジの前に移動、反省会というか懇親会というか、つまりは「夜の部」に突入したのです。
XCスキーに行くときは早朝なので
もっぱら隣のコンビニを利用している
 朝になって、雨はもう気にならないというか我慢できる程度になっていたのですが、だからと言って濡れたものが乾く天気ではありません。BV-BOXに放り込んで持ち帰り、そのまま一週間。
(余談になりますが、このキャンプはここ数年行き先が同じで、従って途中の休憩場所も同じ…道の駅『くろほね・やまびこ』ということが判っていますので、たとえ今年はスタンプラリー不参加ということを知っていても、ここのスタンプは押してしまえるのです。今年の戦跡表を見ると、わざわざここのスタンプを押すためだけに出かけたようにも見えますが、「おでかけのついで」が原則でやっておりますので、こういう日もあるのです)


 9月に入って最初の土曜日、学童保育所の庭を借りて、8月にお世話になったタープたちを干してあげました。先週使ったのはまだ濡れている…それにバーベキューの臭いが凄い (^^ゞ まぁこの日も決して良い天気というわけではなく、午後からは雨が落ちてきたりもしたのですが、なんとか乾かせたようです。
 タープ本体もそうですが、ロープや自在も傷んできているので新しいものと交換するなど、メンテナンスをちゃんとしてあげなければいけませんね。
 ここ何年かの我が家のキャンプはタープよりスクリーンテントを使う回数の方が多いのですが、それは例によって「夏は暑いからキャンプをしない」からであって、なるべくなら開放感のあるタープの下で過ごすほうが好きなんです。春や秋は寒い日があるからそれができずにスクリーンテントを使ってしまうのですね。
 いつも複数のタープを持ってキャンプに行き、サイトの状況に応じて使うものを選ぶという人を知っていますが、考えたら自分もそれに近いものがあるなぁという気がした8月の一連のキャンプでした。