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2008年8月30日 の記事

Aug302008

鍛冶屋の教え

 


こないだ「靖国刀は鋳造か鍛造か?」という話を書いたとき
無性に読み返したくなった本があります

かつて野鍛冶と呼ばれる人はごく普通の存在で
近隣の住民が使う農具を作り、修繕するという生業(なりわい)でした
つまり「村のかじ屋」です

刀鍛冶から見ると格下なのかもしれませんが
仕事にかける思いは同じでしょうし
彼らの作る道具を必要とする人の多さから見ると
暮らしに必要な職人なのです

『鍛冶屋の教え―横山祐弘職人ばなし』という本は
そんな職人、野鍛冶の一人の話を聞き取った
一昔前の『メタルカラーの時代』とも言える本です
彼が経験によって培い、身につけた技や加減というものは
単なる勘ではなく、現代の化学や工学によって実証されるべきもので
つまりは、古くから手仕事でやってきたことは
工業的にみても理にかなっていたわけですが
そういうことがひとつの山村といった範囲で成立していたというのが
むしろ現代よりも豊かな時代なのではなかったか
ふとそんなことを考えてしまいます


なぁんて書いてきましたが
実はこの本、まだ読み返せてはいないんですよ
ずっと前に読んだのを思い出したまではいいのですが
その後家の中で見たことがないんです
...処分しちゃったのかなぁ?

小学館文庫だったはずだという頼りない記憶を元に検索したら
ここに紹介した本がヒットして、著者も間違いないし
たしかにこういう内容だったから、この本だったと思うのですが
ひとつ気になるのが「文庫書き下ろし聞き書き集」という説明文です
雑誌『BE-PAL』で連載されたのが文庫化されたと思ったんだけどなぁ

ま、それはどちらでもいいのですが
もういちど家の中を良く探してみて、それでも見つからなかったら...
買っちゃおうかなぁ

『鍛冶屋の教え―横山祐弘職人ばなし』
かくまつとむ・著/小学館・刊


Aug302008

酒にまじわれば

 


夏休みはたくさん本を読んで過ごすつもりでしたが
実際にはそれほど読めませんでした
そんな中で...


これって、新聞の朝刊に毎週連載されていたときから
楽しみに読んでいました
単行本化が待ち遠しくって予約して買いました

  でも、新聞社の出版部からではなく
  文春から出てるんだよね

ワタクシはそれほど酒呑みではないし(?)
呑んでももっぱらビールだけだし
自宅やキャンプ場、仲間と泊まった宿ばかりで
お店で呑むことは滅多にないから
ここに書かれているような酒の味わい方や楽しみ方とは
まぁ無縁なのですが
それでも面白く読めます

それはつまり、なぎらサンが「酒」を描いているのではなく
「人」を語っているからに他なりません

あぁあ、あのおじさん酔っ払っちゃってしょうがないなぁ

と言ってる自分も同類、という立ち位置にいるのが
この人のキャラクターなんでしょう
もちろんこの人の観察眼は鋭いものがあります
いろんな角度から、時には冷静に、辛らつにものを見ている
けれども、出てくる文章は優しく温かい愛情に包まれています

「よっ、ご同輩」

下町人情の世界をカントリーミュージックに乗せて歌えるという
この稀有な味わいを持った人が、ワタクシは大好きです


『酒(しゅ)にまじわれば』
なぎら健壱・著/文藝春秋・刊


 
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