酒にまじわれば
夏休みはたくさん本を読んで過ごすつもりでしたが
実際にはそれほど読めませんでした
そんな中で...
これって、新聞の朝刊に毎週連載されていたときから
楽しみに読んでいました
単行本化が待ち遠しくって予約して買いました
でも、新聞社の出版部からではなく
文春から出てるんだよね
ワタクシはそれほど酒呑みではないし(?)
呑んでももっぱらビールだけだし
自宅やキャンプ場、仲間と泊まった宿ばかりで
お店で呑むことは滅多にないから
ここに書かれているような酒の味わい方や楽しみ方とは
まぁ無縁なのですが
それでも面白く読めます
それはつまり、なぎらサンが「酒」を描いているのではなく
「人」を語っているからに他なりません
あぁあ、あのおじさん酔っ払っちゃってしょうがないなぁ
と言ってる自分も同類、という立ち位置にいるのが
この人のキャラクターなんでしょう
もちろんこの人の観察眼は鋭いものがあります
いろんな角度から、時には冷静に、辛らつにものを見ている
けれども、出てくる文章は優しく温かい愛情に包まれています
「よっ、ご同輩」
下町人情の世界をカントリーミュージックに乗せて歌えるという
この稀有な味わいを持った人が、ワタクシは大好きです
なぎら健壱・著/文藝春秋・刊