回転寿司

台風一過の上天気…とはとても言えない小雨まじりの今日
気晴らしも兼ねて昼食を食べに回転寿司に行った
時間が時間だから少し待って席に案内された
広い店内の、隅っこに近い場所だった

さぁ、何から食べようか…
レーンには何も流れてこない
「注文品」と書かれた台や
キャンペーンを知らせるボードは流れてくるが
肝心の寿司が流れてこない
たまに流れてくるのは
嘉門達夫が唄う「バッテラ」のように乾ききったものがポツリ

まともなものは、待てど暮らせど流れてこない
自分がいる場所は流れる寿司が調理場に戻る直前の位置
上流ですべて食べられているのか…

仕方ないからインターホンで注文する
こんな面倒なことをしなくて済むのが
回転寿司の魅力の一つではないのか
そう思って待つが
その注文品もなかなかやってこない

首を伸ばして向こうを見ると
どうも店全体で流れている寿司が少ないようだ
どうせ倉庫の冷凍品だろうから
台風でネタが無いとは思えない
幸いこの地では風雨もたいしたことがなかったから
店員が出勤できずにいるとも思えない

結局、寿司が流れていないからインターホンで注文する
みんながインターホンで注文するから
それに追われてレーンに流すどころではないのだろう
…悪循環だ

フロア係の店員が注文品をお盆に並べて持ってくる
相変わらずレーンには寿司が流れていない
摩訶不思議な風景だった

と書いたものの、やがて少しずつレーンにも流れるようになって
「どれを食べようかな」と選ぶ楽しさのある
回転寿司本来の魅力が戻ってきたのですが
時すでに遅しで
お腹が半分方できあがっていました


そういえばこのチェーン店
一時は倒産がウワサされるほど客足が落ち込んだ時期がありましたが
あのころ、それも無理ないなぁと思いましたよ
だって店員が客から見えるカウンターの中で手袋をして
機械が握って形づくったシャリの上にネタを置くだけ
ちょっと揺するとポロっと落ちる

それにね、手袋をして食品を扱うのは
衛生的かもしれないけど
見てる方からすると
バッチィものを食べさせられるような気がして
甚だ食欲をそがれのです
やめてくれ!