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2008年08月 の記事

Aug312008

朔日のお買い物

 
しばらく前に
「高速バスの予約をしたのにクレジットの引き落としがない」
書いたことがありました

4月1日に予約して、7月18日に乗車済みでありますが
クレジットカードの利用明細を4月分から7月分まで見ても
全然それらしき記載がないのですよ

こりゃラッキー!
なぁんて喜んでいる場合ではありません
なんとなく気分が悪いし
あとから「請求漏れでした。お金ください」って言われると
すごく堪えますからね

  人間、モノを買ったりサービスを受けたときは
  当然お金を払う気でいるものですが
  あとになればなるほど払うのが億劫になり
  用意していたお金も他で使ったりしているものなのです

で、クレジットの明細を読み直していると
あることに気づきました
ワタクシが使っているクレジット会社の請求サイクルは暦と同じです
つまり月末締めですから、5月31日までに買った物が5月分の請求になる
...はずなのですが、6月1日に買ったものも記載されているのです

今はお店から電話回線などでクレジット会社につながっていますからね
昔みたいに手書きの伝票を郵送していた時代と違って
即座にクレジット会社に記録され、それが請求に回ったようなのです

ということは...ですよ
例の高速バス予約は4月1日でしたから
3月中のお買い物に含まれてしまった可能性もあります
そう気がついたので3月分の利用明細を見ようとしたら
なぜかこの月の分だけを紛失しているのです
ウェブサイトにアクセスして過去の明細を見ようとしても
3月の分は古すぎて表示できませんでした

どうだったっけなぁ?
一応明細が届いたときにはざっとチェックしているのですが
公共料金の引き落としや日常の買い物など
かなりいろんなものをクレジット払いにしているので
高速バスの分があったか記憶が定かではありません

でも、『楽天トラベル』のシステムは完璧だったようです
「乗車日の翌月の月末までに付与」される楽天のポイントが加算されたので
どうやら3月の買い物と一緒にバス代も払っていたようです



月初めに買い物すれば、支払いがかなり先延ばしになる
と思っていたけど、例外もあるなと思い知った次第

ちなみに、今日は大陰暦では朔日ですが、太陽暦では月末ですので
本日カードを使うと、間違いなく8月分のお買い物に計上されます
...アタリマエカ (^^ゞ
 

Aug312008

紀州備長炭に生きる

 

Bincho.jpg

あ、これは間違いなく『BE-PAL』に連載されていました
毎月楽しみに読んでいた記憶があります
それに加筆して単行本化されたものですね

備長炭と聞くと「凄い炭だ」「高級品」というイメージがありますね
じゃぁ、どこが凄いの? 何が高級なの? と問い返すと...あなた答えられますか

この本を読むと答えられるようになります
でも、この本は備長炭の薀蓄を語る本ではありません
備長炭作りにかける職人の「これほどまでやるのか」という仕事ぶりが語られています

夏の炭焼きは灼熱地獄、昔は小屋に扇風機どころか電気そのものがなかったそうですが
「今、夏のいちばんの楽しみは、帰ったらすぐ風呂入って
 クーラーをがんがん効かせた畳の上で、パンツ一丁でかき氷食べることや」
ついには炭焼き小屋にまでクーラーを入れたそうです

話は飛ぶけど、落語家が長屋の八っつぁん熊さんの話をするのに
自分が都会の豪華なマンションに住んでいていいのかって疑問があって
それじゃぁおかしいと小さな家に住んでいた落語家もいたけど
自分がそう思って貧乏暮らしをするのは勝手だけど
他人が非難するのはいけないと思うんですね
話を演じる中で八っつぁん熊さんの心情に共感し
なりきってさえくれればいいと思うのです

だから、この坂本さんという炭焼き職人の
「便利を知ってしまうと、人間、元へは戻れんといううのんはほんまやな
 クーラー、冷蔵庫、テレビ。これらがなかったらよう暮らさんもん
 そして、その分、金はキッチリかかりよる
 今は電気代払うために炭焼いとるようなもんやで、ほんまに(笑)
 わしら炭焼きがそうやもん、世間が炭使わんようになるのは無理もないわ」
というのが納得できるんですよ。この人正直だな、信用できるぞ

だからこそ彼が語る炭焼きの仕事が、薀蓄や自慢や愚痴ではなく
誇りに満ち溢れた話として夢中になって読めるのですね


ところで、備長炭の特性として「なかなか火が熾きない」「火持ちがよい」
というのが有名ですが、これってつまり
一日中焼き物をしている商売屋にとっては
途中でマメに補充する必要がなくって便利ですが
1、2時間で終わってしまうレジャーのバーベキューには不向きなのは判りますね

もっとも、ホームセンターで安く売られている「備長炭」は中国産でしょうから
火持ちは紀州備長の半分、立ち消えもしやすく
「紀州備長やったら、ウナギの脂が落ちてもはじきかえすけど
 中国のは脂のかかったところから、黒なって消える
 そこだけ消えると、かかった脂が不完全燃焼を起こして煙が黒うなる
 その煤がウナギや肉にかかってしもたら、せっかくの炭火焼きも台無しや」
...まぁ、よくできた普通の炭だと思って使えばよいのではないでしょうか
    ホームセンターで売ってる「マングローブ炭」は安いけど
  パチパチはぜるから、化繊衣料を着て近寄れませんからね

ちなみに、中国備長の灰は普通の炭と同様に白いそうですが
紀州備長は茶色で、量が少ないそうです
量が少ないこと自体、後始末が楽で商売屋向きですが
「ウナギを焼くと脂が落ちかかって灰がかかるが、白い灰は目だって汚いんや
 紀州備長の灰はウナギの身の色に似とるさかい、焼き上がりの見た目がきれいなよ」
とことんプロ仕様です

『紀州備長炭に生きる-ウバメガシの森から』
坂本保喜・語り かくまつとむ・聞き書き/農山漁村文化協会・刊
 
Aug312008

日本鍛冶紀行

 


というわけで、読みたい本がすぐ手元になかったものですから
図書館でこんな本を借りてきました
...つまり図書館にもなかったってワケだ

全国136軒の鍛冶屋を訪ね歩いた集大成、なのだそうです
もちろんこれが現存する鍛冶屋のすべてではありませんが
かつては集落には1軒あったという職業が、今こうなっています

もちろん「鉄工所」として企業化して大きくなったところもあるでしょうが
多くは消費や流通形態の変化からはずれ、後継者がいなくなって
今後20年のうちには、さらに激減すると思われています


鍛冶屋さんに限った話じゃないのですが
最近、道を歩いていて仕事場が覗き込める店って、減ってません?
ウチの近所にも竹細工の職人さんがいるのですが
家を改築したら、外から仕事場が見えなくなりました

建具屋さんは大きな機械を買ったら別の場所に作業場を建てちゃうし
近所の建築現場は、通行人に物が落ちて当たらないようにシートで覆われています

企業化され、工程が分業になると大きな工場が必要になるし
情報漏えいの防止や衛生管理上の問題から部外者は気軽に覗けません

学校帰りの子どもが、立ち止まったり窓から覗き込んだりして
職人さんの手仕事を、魔法を見るような目で見つめている
そんな情景が失われつつあるように感じます
子どもだって早く家に帰ってゲームしたいし、塾にも行かなくちゃ、だからね

職人の技術が失われることを憂える人がいますが
ワタクシはあまり心配していないんですよ
それは、正しい技術であれば数値化データ化できるはずだし
そうなればコンピューターやロボットで再現できると思うのですよ
今はまだ完璧に記録再生できないにしても、きっとできるようになる

しかしそれは一部の専門化のための技術になってしまいます
ワタクシが心配になってきたのは「在野の知識」とでも言えばいいのかな
一般の人が「見よう見まね」でやってみるための知識が失われてゆくことです

「あれはこうやって作るんだ」

街角でふだんから目にしている職人の仕事があればこそ
雑学と言ってもいいかもしれませんが、いろんな知識が身について
暮らしに豊かな工夫ができるようになると思うのです

『日本鍛冶紀行-鉄の匠を訪ね歩く』
かくまつとむ・文 大橋弘・写真/ワールドフォトプレス・刊
  
Aug302008

鍛冶屋の教え

 


こないだ「靖国刀は鋳造か鍛造か?」という話を書いたとき
無性に読み返したくなった本があります

かつて野鍛冶と呼ばれる人はごく普通の存在で
近隣の住民が使う農具を作り、修繕するという生業(なりわい)でした
つまり「村のかじ屋」です

刀鍛冶から見ると格下なのかもしれませんが
仕事にかける思いは同じでしょうし
彼らの作る道具を必要とする人の多さから見ると
暮らしに必要な職人なのです

『鍛冶屋の教え―横山祐弘職人ばなし』という本は
そんな職人、野鍛冶の一人の話を聞き取った
一昔前の『メタルカラーの時代』とも言える本です
彼が経験によって培い、身につけた技や加減というものは
単なる勘ではなく、現代の化学や工学によって実証されるべきもので
つまりは、古くから手仕事でやってきたことは
工業的にみても理にかなっていたわけですが
そういうことがひとつの山村といった範囲で成立していたというのが
むしろ現代よりも豊かな時代なのではなかったか
ふとそんなことを考えてしまいます


なぁんて書いてきましたが
実はこの本、まだ読み返せてはいないんですよ
ずっと前に読んだのを思い出したまではいいのですが
その後家の中で見たことがないんです
...処分しちゃったのかなぁ?

小学館文庫だったはずだという頼りない記憶を元に検索したら
ここに紹介した本がヒットして、著者も間違いないし
たしかにこういう内容だったから、この本だったと思うのですが
ひとつ気になるのが「文庫書き下ろし聞き書き集」という説明文です
雑誌『BE-PAL』で連載されたのが文庫化されたと思ったんだけどなぁ

ま、それはどちらでもいいのですが
もういちど家の中を良く探してみて、それでも見つからなかったら...
買っちゃおうかなぁ

『鍛冶屋の教え―横山祐弘職人ばなし』
かくまつとむ・著/小学館・刊


Aug302008

酒にまじわれば

 


夏休みはたくさん本を読んで過ごすつもりでしたが
実際にはそれほど読めませんでした
そんな中で...


これって、新聞の朝刊に毎週連載されていたときから
楽しみに読んでいました
単行本化が待ち遠しくって予約して買いました

  でも、新聞社の出版部からではなく
  文春から出てるんだよね

ワタクシはそれほど酒呑みではないし(?)
呑んでももっぱらビールだけだし
自宅やキャンプ場、仲間と泊まった宿ばかりで
お店で呑むことは滅多にないから
ここに書かれているような酒の味わい方や楽しみ方とは
まぁ無縁なのですが
それでも面白く読めます

それはつまり、なぎらサンが「酒」を描いているのではなく
「人」を語っているからに他なりません

あぁあ、あのおじさん酔っ払っちゃってしょうがないなぁ

と言ってる自分も同類、という立ち位置にいるのが
この人のキャラクターなんでしょう
もちろんこの人の観察眼は鋭いものがあります
いろんな角度から、時には冷静に、辛らつにものを見ている
けれども、出てくる文章は優しく温かい愛情に包まれています

「よっ、ご同輩」

下町人情の世界をカントリーミュージックに乗せて歌えるという
この稀有な味わいを持った人が、ワタクシは大好きです


『酒(しゅ)にまじわれば』
なぎら健壱・著/文藝春秋・刊


 
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