おくりびと、ごっこ?

 

葬式祭り:でたらめなお経、風呂敷の袈裟…陽気に長寿を祈願--秩父/埼玉

 ◇でたらめなお経、風呂敷の袈裟、ほろ酔いで…
 元気な住民を棺(ひつぎ)に入れて陽気に「葬式」を営む「ジャランポン祭り」が15日夜、秩父市下久那地区の公会堂であった。悪疫退散、無病息災を祈願する人身御供に由来する祭りと伝えられる。地区にある諏訪神社春祭りの宵宮祭で、別名「葬式祭り」とも言われる。
 82戸の地区の住人が集合。「しらふでは盛り上がらない」と酒宴を開き、ほろ酔い気分になった午後6時過ぎから祭りを始めた。
 主役は葬式をあげられる自動車修理業、高野稔さん(64)。「健康で長生きできるように」と買って出た。棺に見立てた長持ちに死に装束姿で入れられ、「悪疫退散居士」の位牌(いはい)が立てられた。大僧正役の川島康助さん(57)が、意味のないでたらめなお経をあげ、唐草模様の風呂敷を袈裟(けさ)にした供の僧侶役6人が鉦(かね)や太鼓を「チン、ドン、ジャラン」と打ち鳴らすと大いに盛り上がった。

3月16日12時1分配信 毎日新聞

もう20年以上も前のことですが
椎名誠さんのエッセイで知った『日本の行事祭り事典』という本を買ったことがあります
一月元日から日付け順に、それこそ各地の行事祭りが紹介されているのですが
全国から見物客を集めるような有名な祭りもあれば
小さな集落だけで行われるような行事も載っています
テレビで紹介されることのない、素朴な土着の祭りは
説明の文章が簡単なぶんだけ想像力がかきたてられ
どんな祭りなんだろうかと思ってしまいます

しかし、この『葬式祭り』
最初にヘッドラインだけ見たときは
昼間、集落のはずれの畑の道を陽気に練り歩く姿を想像したんですよ
野辺の送りを「ええじゃないか」でやるみたいな、ね
ところが記事を読んだら夜。それも「しらふでは盛り上がらない」だなんて...
ちょっとこちらがイメージしたものとは違ったかな
ふと、落語の『らくだ』を思い出したりもしたのでした

附記:何年か前の祭りの様子を紹介した記事を見つけました⇒これ