こうみえてもなぁ

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ニュースで喜劇役者の花紀京さんが亡くなったと報じていました
懐かしいお名前です
子どもの頃、土曜日と言えばお昼に学校から帰ってきて
テレビで吉本新喜劇を見るのが常でした
岡八郎、原哲男...
ついネットで当時のことなどをいろいろと調べてみました
  死語かもしれませんが「ネットサーフィン」という言葉が好きです


先月の5日に、岐阜・中津川の鼓土里座で宮崎勝之さんの追悼コンサートが催され
5年ぶりに訪ねてきたというのは既に書いた通りです
鼓土里座ではこれまで時々音楽コンサートに混じって地芝居を行い
ワタクシも生で1回、ビデオで1回見たことがありますが
亡くなった宮崎さんは、たいてい敵方の子分役の一人として登場していました
で、子分はそれぞれ登場するときに啖呵を切るのですが
宮崎さんはいつも
「こうみえてもなぁ、わいは○○なんやでぇ」
と言っていたそうで
この「○○」の部分に工夫を凝らすのが彼のこだわりだったようです

「こうみえてもなぁ、わいは新聞部やってんでぇ」


子どもの頃、吉本新喜劇の人気役者だった岡八郎さんのエピソードを見ていて
当時彼が舞台の上で使ったギャグがいくつか出ていました

  観客に尻を向けて指でかき、その指を鼻へ持ってゆき顔をしかめて「くっさー」
  大変だ、という強調語で「えげつなー」「いやらしー」
  悪役が絡んでくるのに対し凄みを利かせ、
   「俺はこうみえても、学生時代...ピンポンやっとったんや」

あ、これって...!?

「くっさー」「えげつなー」「いやらしー」は覚えていましたが
「俺はこうみえても...」は記憶がはっきりしません

でも、宮崎さんのネタ元はきっとこれだったのでしょう
もちろん岡八郎さんを真似たことで宮崎さんを貶めるつもりはありません
むしろ、宮崎さんが地芝居の端役といえども吉本新喜劇をお手本に
真剣に取り組んでいたのだなぁと、改めてそう思ったのでした


さて、先月の追悼コンサートの幕間にも小さな芝居がありました
土地のヤクザの子分役はてっつん、進ちゃん
そして菌ちゃんが宮崎さんの役を引き継ぎました ⇒ これ

「こうみえてもなぁ...」
観客は次の言葉を期待を込めて待っています
「...俺の義理の父ちゃんは小室等なんだぜぃ」
(一同爆笑)

先週、群馬・嬬恋の林の中で
鼓土里座と言えばこれが付き物の名酒『春一番地』を呑みながら
一か月前のあのセリフが、ほんの少し話題になったりもしたのでした