村野様は風雅でおじゃる
しばらく前に日産自動車が
「この秋から来春にかけて売り出す新型車を6車種一気に発表した」っていう
そんなニュースがありましたね
発売の第一弾、これはもうディーラーの店先でも見かけますが
『ムラーノ』という名前なんだそうです
「イタリアのベネチアングラスの産地の島の名前」が由来らしいのですが
これはやっぱり「村野さん」という人名に聞こえますよね
「ら」を「らー」って伸ばしたり
イタリアなんて予備知識が先入観になったりしまうもんだから
ラテン系の外国人が
「Oh! ミスター、ムラーノ!」って抱きついてきそうな気がします
日産には前にも「寺野さん」っていうクルマがありましたが
今度は全国の村野さん、あなたのクルマができました (^^)
で、そのあと発売するのが『フーガ』だとか
これはやっぱり「風雅」ですよね
実際、高級車という位置付けのクルマだそうですから納得です
ところで、このネーミングにはちょっと驚きました
というのも、ワタクシ、15年前に
「高級車に『フーガ』という名前をつけて売り出せばいい」と
言ったことがあるからです(『こないだ』1989年11月26日・通巻41号)
ま、あのときはホンダに出してもらいたかった
何故かというと、ホンダには『プレリュード』『バラード』『ジャズ』『タクト』
なんて音楽にちなんだ名前のクルマやバイクがあったから
音楽用語の「フーガ」と「風雅」を掛けたわけなんです
まぁ、こういう日本語のクルマのネーミングってのは
光岡自動車が得意なところで
『リョーガ(凌駕)』『ユーガ(優雅)』『ガリュー(我流)』なんて秀逸ですね
他のメーカーにも頑張ってもらいたいものです
さて、15年前の『こないだ』ではネーミングだけではなく色のことも言っていて
どうして日本語の色名を使わないのだと思ったものでした
当時乗っていたクルマが「サンドグレーメタリック」
今乗っているのが「チタニウムメタリック」
…聞いただけで色が思い浮かびますか?
「漆黒」「真紅」はともかくとして
「花浅葱(はなあさぎ)」「空五倍子色(うつぶしいろ)」など
日本の伝統的な色の名前も色が想像つかないけど
言葉として結構面白くって意外と斬新だという気がするのです
参考サイト:
日産自動車・http://www.nissan.co.jp/
光岡自動車・http://www.mitsuoka-motor.com/
色見本の館・http://www.color-guide.com/
これを書くために『こないだ』のバックナンバーを見たら
日本語の車名や色名の話を書いたのは15年前だけど
考えていたのはもっと前からだったようです
あのころもう少し知恵があれば
「フーガ」を商標登録しておけばよかったな
ちなみに、自動車メーカーでは良い名前を思いつくと
具体的な発売予定がなくても商標登録しておいて
他社に使われないようにするんだそうですね
ところで、横文字の名前を持った日本車も
外国では日本名をつけられることがあるそうで
「ジムニー」⇒「サムライ」、「パジェロ」⇒「ショーグン」
古い話では三菱の「ラムダ」⇒「サッポロ」というのがあり
あれなんかは冬季オリンピックで札幌の名が世界的になったせいでしょう
あと、トヨタで売っている「WILL CYPHA」というクルマの色は
「DAIDAI」「GIN」「KON」「AO」「AKA」「KI」「SIRO」とか
…日本名には違いないけど、ちょっと幼稚じゃないのか