調査節

学生の頃、「社会調査」という科目がありました
簡単に言えばアンケートの採り方や作り方の講義です

あまり熱心な学生でもなかったし、まして30年近く前のことなので
ここで詳しく説明するのは難しいのですが
今でもよく覚えている内容があります

「設問はせいぜい5問まで」
  質問の数が多いと、真面目に回答する気がなくなってしまうそうです
  早く終わらせたくっていい加減に○をつけたりする

「悪いアンケートはフェイスクエスチョンから始まる」
  フェイスクエスチョンとは回答者個人の属性に関する質問です
  住所、名前、年収など
  最初からこんなことを聞かれたら警戒して心を開いてくれません

良いアンケートは質問の数も少なく、ハイ・イイエで答えられるようになっていて
最後に「あなたさまご自身についてお聞かせください」と
性別、年齢(それも20代、30代という訊き方)などを尋ねてくるわけです

まぁ、大学で理論的に習わなくても
体験的に「答えやすい、協力したい」アンケートはこうなっています
  もちろん作るほうは細かく考えて作っているのです


さて、今年は国勢調査の年にあたります

くだんの教授によると、国勢調査は「設問数が多すぎて最悪」だとか
たしかに、過去の調査事項の変遷を見ると昔は多かったようですね
それがだんだん改善されたり、また今年は簡易調査ということもあってか
用紙をパッと見た限りではシンプルです

でも、、、でもね
一番最初に記入するのが「氏名」なんだよね
いくら
 「調査事項が、だれについて記入されたものなのかを確認し、
  調査漏れや重複調査を防 ぐために必要です」
 「記入漏れがあった場合の確認・照会に必要です
 (確認・照会のみに使用)」
 「氏名は、このように、正確な調査を実施するためのものであって、
  集計の対象ではありません」
と言っても回答するほうは身構えちゃうよ

「だれについて記入されたものなのか」
  だったら「世帯員A」「世帯員B」でもいいじゃない
「記入漏れがあった場合の確認・照会に必要」
  だったら最後に世帯主の名前だけ書いてもらえばいいじゃない

どうもまだ「お上が国民について調べ上げる」感覚が残ってるみたい

少々憤りもあるのですが、小市民ですから真面目に回答します
だって統計法第19条では
「申告をせず、又は虚偽の申告をした者」、「申告を妨げた者」に対して
「6箇月以下の懲役若しくは禁錮又は10万円以下の罰金に処する」とありますから

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言い訳であります

この記事のタイトルを『調査節』としたのは
ここに添田唖蝉坊の同名の演歌を載せようと思ったのですね

  明治大正期の「演歌」とは社会批判や風刺の演説を
  メロディーに乗せたもので
  今の歌謡曲とは違います

ところが、高田渡さんのCDを見たら歌詞カードが無い上に
実際に歌っているのも細かいところが聞き取れないのです

仕事の帰りに図書館に行って
添田唖蝉坊に関する本を数冊借りてきたのですが
「調査節」が出ていない…

というわけでワタクシ自身も
ちゃんとした歌詞が知りたくなっております

  これが収録されているCDは
  『高田渡トリビュート』(SEAL-030)です
  最後の新曲、だったのかな?