今日は『エレベーターの日』
…なのだそうです
東京都心のど真ん中、市ヶ谷駅の正面に
かつて都が運営するユースホステルがありました
昭和36年の設置だそうです
昭和30年代後半は
「主として青少年の健全な旅行を推進するため
清潔に規律正しく宿泊させ、または交歓させる施設として…」
全国各地に公営のユースホステルが設置されたのですが
これもその一つだったのですね
4階建ての建物だったのですが、入り口や受付が4階にありました
といっても道路から下がって崖にへばりついた半地下の建物ではなく
ごく普通の駅前に建つビルなんですよ
宿泊者はまずエレベーターで4階まで上がり、正式に建物の中に入るのです
これがまた古めかしいエレベーターでね
扉が手動なんですよ
アコーディオン門扉のような格子を手で開け閉めして使うのです
当然、昇降塔というのか、あの筒の中を動くのが丸見え
古いデパートのエレベーターで扉に窓がついたのがあるけど
こちらは全面格子だけでガラスがなかったのです
なんだか昔のヨーロッパ映画の登場人物になったような
そんな気分に浸りながら、ゆっくりと4階まで登ってゆき
ガシャガシャと扉を開け、チェックインのためにカウンターに向かうのでした
ここで扉を開けっぱなしにしておくと
次に下で呼んでもエレベーターが降りてゆけなかったという記憶があります
ワタクシがここを利用したのは、もっぱら大学受験のため
都内だったら自宅から直接行けないこともないのですが
その後、通学していたわけだし
鉄道のトラブルで遅刻するのを恐れたわけですね
それに複数校を受験して試験日が続くということもあったし
やはり2月3月はそういう利用者が多かったようです
あと、場所柄もあって通年で外国人も多いのかな
毎日ここのロビーに通って外国人旅行者に話しかけ
英会話をマスターした人もいたと聞かされたことがあります
しかし、あのエレベーター
いくらスピードがゆっくりだといっても
現在の安全基準には合わないでしょうね
都は昭和59年に隣りの飯田橋駅前の高層ビルの18・19階に
新しいユースホステルを設置して市ヶ谷の建物を閉鎖しました
ひところ仕事で毎月市ヶ谷に行った時期もありましたが
今はもうそれさえもありません
最近では、去年の4月の初めだったかな
お堀端の桜が満開でした
もうとっくに建物がないのを承知していても
つい目で探してしまうんですね