18日は『東京駅の日』

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…なのだそうです

ワタクシは鉄道ファンではありません、というところは自他共に疑わしく
まぁ、それを無視したところで
ひところ藤森照信氏の「建築探偵」や「路上観察」の著作を熱読しておりましたので
東京駅というものに対して興味を持っていた時期があったわけです

折しも新潮社から『東京駅探検』という本が出まして(1987年)
早速買い求めましたところ、あっという発見がありました

「やっぱりあそこは床屋だった!」

丸の内口と八重洲口を結ぶ中央通路の中間地点を南通路に向かうところ
新幹線の南乗り換え口の手前、当時は新幹線の切符自販機が並んでいたと思うのですが
その壁に鉄製の窓のないドアがありました
ぱっと見たところ、その中に事務室でもあるか
自販機の裏側でメンテナンスするためのドアにしか見えないのですが
一度、たまたま通りかかったときにそのドアが開いて
中がチラッと見えたことがあったのです

そのときは「まさか!?」と思っていたのですが
この本によると、やっぱりそのドアの向こうは床屋さんだったのです

今ほどではないけど、あの頃だって駅ナカの商店はいろいろありましたよ
でもね、この床屋さんはドアを閉めたら存在がまったく判らないのです
ドアには「職員専用」と書いた貼り紙と、○の中に「り」と書かれたシール
  「理容室」を意味する符丁とか

「職員専用」とは言いながら実際には出入り業者や縁故者など
知る人ぞ知るって感じで利用する一般人もいたようです
特にバッチや身分証の提示が必要なわけではないそうですから
ワタクシも一度潜入して散髪してもらおうかと思っていたのですが
本当に大丈夫かなとビクビクしてなかなか果たせず
そのうち国鉄がJRになって
しかも東京駅の場合はJR東日本とJR東海が区分けして使っているので
いろいろと改装されてしまって、あの場所にはなくなったみたいです

  ワタクシ自身、東京駅には数年に一度くらいしか行かないので
  詳しく確かめていないのです

改装されたといえば、八重洲北口もすっかり明るく綺麗になりました
前は「これが東京駅の中なの!?」と思うような場末の路地裏みたいなところで
いちおう『東京ストア』という洒落た名前があったけど
「購買部」と呼びたくなるような職員向けの売店があったのでした


というのが庶民向けの話

東京駅には『東京ステーションホテル』という名門ホテルがあるのです
駅の開業から一年遅れの1915(大正4)年開業
当時のことですから宿泊客のほとんどは外国人
日本に行って東京で泊まるなら帝国ホテルかここと言わしめたそうです

客室の天井の高さが4メートル、隣室との境の壁の厚さが40センチ
レストランやバーも大人の雰囲気です
そんな古いヨーロッパの映画に出てくるような素敵なホテルが
日本にもあるんですよ

もちろん、と胸を張って言うことではないけど
ワタクシは泊まったこともなければ
カウンターでバーテンダーと向き合ったこともありません

さきほど、久しぶりに例の本を広げてみたら
ラウンジでコーヒーを飲んだときのレシートが挟まっていました
ま、せいぜいこの程度ですね (^^ゞ