乗り越し

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越後湯沢駅構内にある『ぽんしゅ館』に立ち寄ったのは、2004年の今頃だった

これもワタクシの職務のひとつなのですが
きのう、地域内の事業所で組織する団体の会合があり
会議が終わったあとで昼食...となったのです

雑談の中でストレスとか酔っ払ったとかいう話になって
そのうち、ある人がこう言いました

「前に新幹線通勤していた頃、乗り越して越後湯沢まで行ったことがあるんです」

もちろん、仕事が終わったその足で温泉旅行に行ったという
明確な意思や目的を持っての乗り越しではなく
車内で寝てしまって終点まで連れて行かれたというハナシです

  上越新幹線の場合、首都圏内の運行密度を上げるため
  越後湯沢発着のダイヤを組み入れてあり
  朝夕はこれが通勤電車と化しているわけです

まぁ、新潟まで行ってしまうよりはマシですが
もう戻ってくる電車がないという事態には変わりありません

「結局駅前のホテルに泊まって...翌日の始発電車に限って無料なんですよ
 2番電車だと切符代取られるけど、1番電車はタダで送り返してくれるんです」

ええっ!? ホントなの?
まさかと思ったのですが、ネットで調べたら同じような体験をした人の話がありました

JRにそんな温情的な措置があるとはねぇ
あ、今はどうなっているかは知りませんし
意図的にこの措置を使っても『ぽんしゅ館』に寄っている余裕はなさそうです


自分でやった乗り越しの失敗というと...30年位前になりますが
学生時代に大きいのをやってしまいました
当時は都内の大学に電車で通っていたのです

サークル活動で疲れていたのかなぁ
お酒は入っていなかったと思うのですが、やはり車内で眠ってしまい
ふと目を覚ますと、わりと大きな駅に停まっています
熊谷にしては変だなとホームの表示を見ると、なんと高崎
およそ30km、6駅も乗り越しているではありませんか

あわてて立ち上がると、隣の席の人が「降りるんですかぁ?」と
これまた眠そうな怪訝そうな声で訊いてきます
「ええ、降ります」と答えてホームに降り立つと
電車はドアを閉め、次の駅に向かって走り去って行きました

やれやれ、高崎で目が覚めてよかった。なにせこの電車は
夜行鈍行として登山者やスキーヤーに人気のあった長岡行きだったのです
これが高崎行きや前橋行きなら「お客さん、終点ですよ」と起こしてもらえるけど
長岡行きだと自分で起きない限りはどこまで行くことやら...あ

隣席の人が怪訝そうな声を出した理由が判りました
上野-長岡間は夜行を走らせるほどの距離ではないので
時間調整を兼ねて高崎の停車時間が40分くらいあったんですよ
で、ワタクシが降りたらすぐに電車が発車したということは...(^^ゞ

結局あの晩は家に電話をしたら両親がクルマで迎えに来てくれました
おとーさん、おかーさん、その節はご迷惑をおかけしました


調べたらJRの旅客営業規則に次の一項がありました
「誤ってと認定」されることが必要みたいです
たちの悪いヨッパライだと「自業自得」と言われるかもしれません

(誤乗区間の無賃送還)

第291条 旅客(定期乗車券又は普通回数乗車券を使用する旅客を除く。)が、乗車券面に表示された区間外に誤つて乗車船した場合において、係員がその事実を認定したときは、その乗車券の有効期間内であるときに限つて、最近の列車等(急行列車を除く。)によつて、その誤乗区間について、無賃送還の取扱いをする。

2 前項の取扱いをする場合の誤乗区間については、別に旅客運賃・料金を収受しない。