「京橋 恵み屋」 蕎麦
凝った題名を考えるのも面倒だったのでそっくり拝借させていただきましたが
『やっとかめ どっとこむ』で紹介されたお店に行ってまいりました
ちょうど東京に遊びに行く直前に紹介され
こちらも蕎麦を食べたいと思っていた頃なので
まさしくナイスなタイミングだったのですね
あちらのコメントにも「あ、ちょうど良かった」と書いたところ
やっとかめさんは「新宿に用事があるのに京橋の立ち食い蕎麦じゃ...」と恐縮したけど
その前に秋葉原に寄るつもりだったし、どうせ時間はあるので構いません
強いて言えばJRの駅からちょいと離れているのが難点かな、というところです
たぶん数日後に記事にすると思うけど、都内ではJR駅の近くが好都合なワケがあるのね
というわけで久しぶりに有楽町の駅で降りたわけですが
改札口の内も外もすっかり綺麗になっちゃってましたね
以前はパチンコ屋があったり、小さな店が多くって
雑然とした「ガード下」的雰囲気があったけど
どこかのショッピングモールに行ったみたいじゃないですか
朝日新聞社もないし、そこに向かって演説している赤尾敏さんの姿もありません
...いや、そこまで久しぶりじゃないと思うけど、有楽町ってそんなイメージです
ここから銀座に向かえば、休日も賑わう一帯でありますが
その銀座も含めて、京橋・日本橋界隈というのはサラリーマンの街なんですよね
だから休みの日にしか東京に遊びに行かないワタクシにとって
表通りから中に入ると「これが東京か?」と思えるゴーストタウン
そんな中でも歩いている人がいたり、開いている店というのは
不思議な生活臭を漂わせているように感じます
セコセコしておらず、妙にノンビリしているような気がするのです
前置きが長くなりました
八重洲の表通りから
首都高速・会社線の先を京橋方面に曲がり
そろそろちゃんと探さなくっちゃと
番地を確認するまでもなく
前方に目指すお店の看板が見えました
「なんだ、行列ができてるじゃない」
土曜日とはいえお昼時ですから、いくら客足が落ちているといっても
それなりに人は来るのでしょうと思いながら近づくと
行列ができていたのは隣のラーメン屋でした
店の外でメニューを確かめ、店内に入ると...ここって蕎麦屋かぁ!?
間口が狭く、細長い店の奥が厨房になっていて
そこで注文し、受け取った蕎麦を壁沿いのカウンターに置いて食べるのですが
その壁にはエレキギターが何本もぶら下がり、足元には古いアンプが並んでいます
店の一角には、BGMで使うのでしょうか、ロックのCDやDVDがぎっしり並んでいます
夜は立ち飲み屋になるということですが
そんな和風な感じじゃないですね。若い頃の「学生街の喫茶店」、ただし裏通りの
そんなマイナーでマニアックな雰囲気がしています。好きだなぁ、この感じ
で、蕎麦屋です。蕎麦を注文しなければいけません
先ほど書いたように店の奥に行って注文するわけですが
厨房には店主なのかパートの責任者なのか、おじさんが一人で切り盛りしていて
その後ろには釜がぐつぐつと茹っているわけですね
注文を受けたおじさんは慣れた手つき、ほとんど後ろ手で何かを掴み
釜の上空に固定された筒の中にそれを投入したのですが、次の瞬間ビックリしました
なにやらピストンのようなものがその筒の中に押し込むように入って行ったかと思うと
筒の下からは蕎麦がにゅるにゅると押し出され、そのまま釜の中に...
以前、テレビで見たのだと思うのですが
中国の露店で、やっぱり煮立った鍋の上にザルのようなものをかざし
そこに粉を溶いたものを流し込んで
ザルから出てきたものがそのまま麺として茹でられるというのがありましたが
まさしくそれだったのです
蕎麦をおいしく食べる条件として「三たて」ということがよく言われます
「挽きたて」「打ちたて」「茹でたて」ですね
いま目の前で見たこの光景は、「挽きたて」は確認のしようがないけど
「茹でたて」は間違いありません
では「打ちたて」に関してはどうなのか?
あらかじめ練ってあるから「打ちたて」とは呼べないかもしれないけど
トコロテン方式だから「蕎麦切り」とも呼べないかもしれないけど
麺の形で空気に晒される時間が圧倒的に短いのですから
少なくとも都心で食べる蕎麦としては値段以上のパフォーマンスです、これは
「蕎麦切り」としては邪道かもしれないけど
もともと蕎麦って、そのまま米みたいに炊いて食べたんじゃないの?
粉にして練って「蕎麦がき」とかが次の段階で
そこから「蕎麦切り」に行く代わりにこっちに進化しちゃった
...わざわざそんなことを思わなくてもいいか。旨かった
立ち食いのイメージとしては食べたらすぐに立ち去らなくっちゃというのがあり
ワタクシも次の予定があるのでそそくさと店を出たのですが
せっかく閑散としたビジネス街の店に
それもマニアックなインテリアの店に入ったのですから
この街の住人らしい常連客と主人の雑談に耳を傾けながら
ちょいと一杯やりながら蕎麦を味わえばよかったかな、と後悔しております
また、行こ
やっとかめさん、面白い店を教えてくれてありがとう
東京都中央区京橋3-4-3
平日11:00~15:00 18:00~23:00
土曜11:30~15:00
ランチタイムメニュー(11:00~15:00)
●自慢の十割蕎麦
(恵み・さらしな・ダッタン・田舎)
(小盛り 180g)・・・・・350円
(並盛り 300g)・・・・・500円
(大盛り 500g)・・・・・650円
(特盛り 700g)・・・・・800円
(キロ盛り 1kg)・・・・1000円
コメント
やっとかめ
有楽町側から来るとこの写真になるわけですね。
気にいっていただけて良かったです。
まつおさんなら興味を持ってくれると思いましたが
普通の人は引いてしまうと思ってトコロテン式まで書きませんでした(笑)。
麺類は切るか延ばすものでしょう。これはパスタマシンとも違う。
こんな形の蕎麦マシンは他じゃないですよね。
名店にはかないませんが、立ち食いでこれなら文句ないでしょう。
このユニークさでもう少し店舗を増やすと思ったら
支店は虎ノ門だけだから、商売は失敗してるのかな。興味ないのかな。
ロックは店主の趣味みたいです。
まつお
▽やっとかめさん
いやぁ、土曜日のせいもあったのか、なかなかに「ゆる~い」店でした
これで店の片隅に昼間から酔っ払ったおじさんがいれば完璧です
オフィスビルの谷間で「市井」を味わえる場所があるから
東京って素敵ですね
田舎の方がかえってバイパス沿いに小奇麗な店が建ち並んでしまい
旧市街は寂れきって、こういう程よくゆるい店がなくなりました
・・・いや、探せばまだまだあるのかな
それにしても、あの蕎麦作りを最初に見たときは、やっぱり「えっ!?」ですよ