大棚山 真福寺

 


札所巡り2-7

「ええい、この足で行ってしまえ!」

ヤケクソ気味な発言をしたのは、予定の札所巡りを終えての帰り道
次回に備えて下見かたがた県道を走っていたときのことです

たぶん来年になるだろうけど
次回は例によって秩父市街にクルマを置き、電車で大野原まで戻って
二番、三番、四番、五番、、、と歩くつもりだったのです
ところが、県道を走りながら札所の場所を確かめていると
他の札所はほどほどに同じような間隔であるのですが
二番の真福寺だけが妙に離れたところにあるんです...離れ小島
まぁ歩いて歩けない距離ではないだろうけど
コース全体から見ると、ここに行くだけで行程の半分くらいあるんじゃない?
というわけで、別にすべて歩いて廻ると決めていたわけでもないからと
急遽、寄って帰ることにしたのです

一番・四萬部寺の手前で県道を右折して山道に入ります...せ、狭い
対向車が来たらどこですれ違えばいいのだろうという林の中の坂道を登って行きます
薄暗いのは秋の夕暮れというだけではなさそうです。昼でも暗そう
こりゃぁ、一人で歩いてきたら心細くなってしまいますね
おっと、お遍路さんは「同行二人」ですから一人ってことはないのでしょうが


真福寺は堂番がおらず、無人のお寺でしたので
日が傾いた時刻に訪ねてくると、こう言っちゃ失礼ですが
「荒れ寺」とまでは言わないまでも「うら寂しい」雰囲気が漂っています
写真は結構明るく撮れているけど、記憶ではもっと暗かったんですよ
寒桜(?)が一本咲いているのだけが、そこだけホッとする明るさを感じたのでした


でも、これが、夏の暑い日に汗を流しながら歩いてくると印象も全然違うんでしょうね
あの林の中の坂道も心地良い涼しさに思えたりして (^^ゞ


そういえば、地図を見て思い出したのですが
ここからさらに2kmくらい山に入ったところに『野外活動センター』というのがあり
やはり大野原の駅から歩いてキャンプに行ったことがありました
あの時は雨に降られて、雨具代わりに黒いビニール袋を身にまとい
まるで乞食の行進みたいに駅まで歩いてきたんだっけなぁ

あれから25年も経ったのでしょうか
離れ小島になるのを嫌ってクルマでやって来るなんて
ずいぶん横着になったなぁと少し反省したのでした


ところで、先ほども書いたように
ここは堂番がおりませんので納経所は麓の光明寺というお寺になります
麓といっても今登ってきた道ではなく、秩父市街に向かって下る道です
つまり、また戻っちゃう...
「どうする? 朱印をもらうのは次回にする?」
ツレアイがそう言ってきましたが、5時までにはもう少し間があります

「ええい、この足で行ってしまえ!」
 

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