ニラハウスがあった
義母が住むマンションは横浜市青葉区のはずれにあり
そこはもう東京都と境界を接するようなところで
最寄の鉄道駅も小田急線の「玉川学園前(町田市)」になるわけです
...徒歩10分くらい
地図を見るとたいした距離ではないのですが
駅とマンションの間には丘があり
その中をクルマがやっと通れるような狭い道が縦横に走っております
しかも、等高線のように丘を回りこむ道は
気がつかないうちに西を向いたり南を向いたりするので頭が混乱します
もちろんワタクシはいつもクルマで行きますので駅を利用したことはなく
また、駅前とマンションとの間を行き来する機会があっても大きく迂回してます
今回、夕方までの数時間を町田市街で過ごそうかと思い
歩いて駅まで行って、電車に乗ろうとしたわけです
徒歩なら狭い道でもかまいません、最短ルートを目指します
...が、しっかり道を間違えました (^^ゞ
丘を下ったら、かなり駅から離れたところに出てしまったのです
新年の買い物客でごった返す小田急、およびJR町田駅周辺でぶらぶらして
最後に書店に入って地図を見て、正しい道順を頭に叩き込みます
なにせ今度はもう暗くなっていますからね。遠くの景色は見えないし
目的地が「駅」ならそこいらを歩いている人に訊ねようもありますが
マンションではそうもいかないでしょう。だいいち通行人が減ってしまいます
玉川学園前駅に戻ってきて坂道を登ってゆき、交差する道を数えます
「ヒトツ、フタツ...ココヲ左折、ダッタヨナ」
道を曲がって少し行くと夕闇の中に一軒の家の屋根が
道路より低いところに建っているので目の高さに大きな屋根がぼんやりと見えました
「アレ? コノ家ハ、ドコカデ見タコトガアルゾ...!」
思わず視線を下に落として道路脇のガードレールを見ました。芝に覆われています
間違いありません
ここは作家の赤瀬川原平さんの自宅、というか
藤森照信さんが設計した、かの『ニラハウス』ではありませんか!
本で読んで町田市にあることは知っていたけど
まさかここだったとは
...往きに道を間違えなかったら明るいところで見られたのにな
次の機会には、ぜひ昼間ここに来たいものだと思ったのでした
...ツレアイの里帰りを、すっかり自分の楽しみにしてしまっています