憎悪のスパイラルを断つ
ハンムラビ法典の有名な「目には目を、歯には歯を」という言葉を
これまでワタクシは「やられたら同じようにやり返す」的な意味合いに解釈していて
確かに「同害報復」というのはそういうことなんでしょうが
この言葉の真意はさらにその先にあって
「そこまでにしておけよ」ということなんだそうです
「自分が受けた苦痛以上のものを相手に返してはいけない」
こう書くとニュアンスがずいぶん違いますね
浄土宗の開祖、法然上人が子供の頃
当時の警察官のような仕事をしていた父親が夜討ちに遭います
武士の子は仇討するのが当然とされた時代ですが
父親は幼い子を瀕死の枕元に呼び
「敵を恨んではいけない
もしお前が敵を恨み、私の仇を討てば
今度は敵の子供がお前を仇と恨み、襲いかかるだろう
そんなことより早く出家して私の菩提を弔ってくれ
そして、すべての人が救われる道を見つけてくれ」
と言って息を引き取ったそうです
「やられたらやりかえす。倍返しだ」
今年流行ったこの言葉は、なんと殺伐としているのでしょう
ハンムラビ法典はいまから3800年ほど前に発布されたそうです
法然上人は平安末期、850年くらい前の人です
...人類は退化しているような気がします