ラーナン

 


『和幸』という言葉を目にして
加藤和彦さんと坂崎幸之助さんがコンビを組んで歌っていた時のユニット名
を連想するのは相当マニアックな人でしょうね(笑)
まぁ多くの人は「とんかつ屋さんチェーン」を思い起こすのではないでしょうか

しかし、その手のお店が『かつや』しかない町に住んでいるワタクシは
真っ先にこの看板が頭に浮かびます

看板だけが表通りの目立つところにあって
お店自体はちょっと引っ込んだところにあるのですが
前から一度入ってみたいなと思いつつ、なかなか実行に移せません
ずっと前から続いているお店ですから
地元の人に愛されてる、美味しいお店なんだと思います
夏休み中に行けたらな


伊丹十三さんのエッセイに「ナガ」という話があります(『女たちよ!』所収)

昔は学生なんかがちょっと一息入れるのに
カフェとか喫茶店なんて洒落た店は滅多になく、あっても大人が入るもので
甘味処、と言えば聞こえはいいけど
ヘタしたらお菓子屋や文房具屋の一角にあるイートインコーナーみたいなところで
冬だったら汁粉、夏ならカキ氷を食べていたわけですね

伊丹さんの高校生時代、学校の近くに氷屋があって
もちろんこの場合の氷屋というのは製氷業ではなくカキ氷を食べさせる店ですが
店の前にぶら下がっている旗が、氷という字の点の打ち方を間違って
「氷」ではなく、ほとんど「永」
それで伊丹さんやその仲間たちはカキ氷のことを「ナガ」と呼んでいた、という話です

ワタクシ、この看板を見る度に「ナガ」を思い出してしまうのです