心太(トコロテン)
NHK総合TV、日曜朝6時15分から『うまいッ!』という番組があって
1月に深谷ネギが紹介されて以来、続けて見るようになっているのですが
ああ、去年の7月には飯塚サンのもやしが紹介されたな
今朝の放送は『ところてん』でした
取材した生産地は伊豆の下田で
81歳の老海女が素潜りでテングサを採ってきたり
それを85歳の老職人が6時間も釜を凝視して火加減を微調整したり
しかもこの二つの工程の間には1年間の「枯らし」の期間があったりと
本当の「うまいッ!」はこうして作られるという番組だったのですが
興味深かったのは、その食べ方でした
...地方地域によって、かなり異なっているのですね
取材した下田では「醤油と辛子」で食べていたのですけど
そのあと四国・高松の茶店が出てきて
ここは金毘羅様のお膝元なので全国から参拝客が訪れるのですが
「ところてんは、そんな風には食べない」というという声に応えて
東京風、大阪風、名古屋風など8種類のメニューがあるらしいのです
ここで、実を言うとワタクシはところてんが苦手なのです
子供のころ一度口にしたきり、40年以上食べていません
で、ところてん自体はそれほど個性的な味があるわけではありませんから
これはタレの問題なのだろう気づいたのですね
我が家(と言っても実家ですが)は「酢醤油」で食べます
この酸っぱいのが苦手なんですよ
ところが、番組によりますと大阪では「きな粉と黒蜜」なんですって
これならスイーツ感覚で食べられそうじゃありませんか
そして高知では「だし汁と花がつお」...これもいけそうだな
そんなこんなで、今度ところてんを買ってみようかと思ったのでありました
まぁ、近所のスーパーではそんな手間暇かけたのは売ってないとは思いますが
工業的には、テングサも熊手のようなもので掻き取って
寒天成分を煮出すのは圧力釜を使うそうです
...もちろん、品質や味は落ちます
ところで、その高松の茶店で群馬県から来たという老姉妹が
どうも「老」ばかり出てくるなぁ
ところてんを一本箸で食べている映像を見て
スタジオの出演者が一様に「ええッ!?」と驚いていたけど
ワタクシはむしろそのことに「ええッ!?」でありました
だって、ところてんは一本箸で食べるのが、正しい食べ方...でしょ?
と思ったら、番組によると
一本箸で食べるのは新潟県や、愛知県の一部とか
...ううむ、ウチの両親は新潟県出身だった
ツレアイに訊いてみても一本箸で食べるのは「初耳」とのこと
先述の通り、ワタクシがところてんを食べないからこれまで明らかにならなかったけど
「ぶた汁かトン汁か」「肉まんに酢醤油をつけるか否か」と並ぶ
食文化のギャップに気付いたのでありました