阿波の土柱

「つちばしら」でも「どばしら」でもなく
「どちゅう」と読むのだそうです...知らなかったのってワタクシだけ?

そうなんです
恥ずかしながら今回の旅の計画を立て始めるまで、ちっとも知りませんでした

©(一財)徳島県観光協会:使用許諾申請中

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砂礫層の侵蝕によって数十の土の柱を現出した地形で、柱状・尖塔状等の土柱が相屹立している奇勝。天然記念物に指定された波濤嶽のほか橘嶽・筵嶽・不老嶽・燈篭嶽の5嶽からなる地形は、アメリカのロッキー山脈とイタリアのチロルの土柱と阿波市にしかない貴重なもので、世界三大奇勝と称されている。(徳島県観光情報サイト「阿波ナビ」より)

なんだそうで
国の天然記念物にもなっているとのことです

場所は徳島の中央あたりで
特に今回立ち寄るところではないなぁと思ったら
どうも近くにある徳島自動車道の阿波PAにクルマを置いて見に行けそうなんですね
それならば祖谷渓から徳島市街に戻る途中で寄ってみようかな

©(一財)徳島県観光協会:使用許諾申請中
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高速バスも発着するPAの駐車場にクルマを停め、トイレに行くというツレに
「済んだらクルマで待っていてくれ。15分くらいで戻ってくるから」
と言い残してバスの利用者が利用する扉を開けて外に出ます
斜面を少し登って広域農道に出ると
『土柱ランド』という温泉らしい施設の入り口があって
そっちへ行くとそこで行き止まりなのかな?
  今にして思えば、そこへ入って行くべきだった
  グーグルアースを見て判った!

判らないから右手のほうに進むと『土柱そよ風広場』という公園がありました
そうか、ここから見えるのかと入ってみたら立て看板があって
遊歩道らしい道が裏手の山に続いています

実は、この時点であたりはかなり薄暗くなっていて
離れた景色がよく判らないのですね
遊歩道を歩いて、次のカーブを曲がれば見えるのかな?
と思ったら、まだ坂道が続いています。じゃぁ今度のカーブ?
まだ見えない

走るようにハァハァ息をしながら坂道を登ってゆきます
すでにツレに告げた時間が過ぎようとしています
戻ろうか...でも、これで実は次のカーブの先だったら口惜しいじゃありませんか
もう一つだけ...駄目? もう一つ先かもしれない
未練がましく坂道を登っている間にどんどん日が暮れてきます
秋の日は釣瓶落としのたとえ通り、もうあたりは真っ暗です

心臓が口から飛び出しそうになるのを何とか抑えて少し開けた場所に出ました
そして先ほどから頭の中に浮かんでいたことが事実だったと知るのです
つまり、土柱を見上げる場所ではなく、見降ろす場所に来てしまったことを

f3.5 1/4秒 ISO3200 実際は真っ暗
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柵も手すりもない崖っぷち、どこまで近寄っていいのでしょう
むかし、阿蘇山の噴火口を覗き込んだ時のことを思い出しながら
おっかなびっくり近寄って行きます
ここでもし足元の土が崩れたら...考えたくありません

露光時間の関係で写真では空が明るく映っていますが
実際はもう夜のとばりに包まれて真っ暗となった中で
ライトアップの光を受けて土柱が陰影を強調させて不気味に立っています
息が乱れている身にはカメラを支えるのが辛い1/4秒というスローシャッター
鑑賞するというよりは、「来た」という証拠写真を撮るのがやっとでした (^^ゞ

走るように坂道を降り、心臓ばくばく汗だくだくでPAに戻り
「いやぁ、まいったまいった。待たせて悪かった。実は...」
言い訳というか、苦労話というか
どちらにしても自慢にならない話をしながら
徳島市街に向かってクルマをスタートさせました
ちょいと時計が気にかかります
高速を降りたら土曜の夜の市内中心部に向かい、ガソリンを満タンにして
バスの営業所に行ってコインロッカーにバッグを預けなればなりません
  出発時間まで持ち歩くのは邪魔になるからね
約束の6時半までに、このレンタカー返しに行けるかなぁ?