生徒の血液使い理科実験

 昼休みにPCの画面でニュースを見ていたら、こんなヘッドラインが目に入りました。まさかビーカーになみなみと血液を注いで、ということは無いでしょうね。
 まぁ、およそ内容の見当はついたけど、いちおうクリックして記事を読んでみたら、やっぱり指先から絞り出した血液を顕微鏡で見たというような些細なことでした。今はこんなことでもニュースになって、教師は非難されるんだねぇ。

 ワタクシも中学校か高校のときに、授業で指先だったか耳たぶだったかから血液を絞り出し、抗体凝固反応の試薬につけてみて…つまり血液型を調べる実験をしたことがあります。それより前、小学校のころに遊びに行った高校の文化祭では、生徒が来場者の血液型を調べるサービスをしており、校内を耳たぶに小さなバンソウコウを貼った人が何人も歩いていた情景が今でも目に浮かびます…おっと、他人の身体を傷つけて血液を採取するのは問題あるかな。
 それはともかくとして、自分の身体のことを知ろうと興味を持たせることは素晴らしいことだと思うんですよ。読んだ記事からだけでは詳しい状況がわからないけど、この中学校の先生のやったことすべてを非難するのは間違っていると思う。例えば怖気づいた子がいて、その子にも無理やりやらせたというのであれば、その点だけをを非難したい。

 ニュースによると、この先生は熱湯消毒した針と消毒液を用意していたそうじゃありませんか。いい先生だよ。ワタクシが子供の頃なんか、学校で予防接種の注射をするときなんか、針を替えることなく一本の注射器で4人注射したものだった。お医者さんが注射器をじっと見ながら一目盛り分だけピストンを押し込んでは「はい、次」だったもんな。

 あらためてニュースをよく読んだら、98人が受講した授業で、4、5人のグループの中から話し合いやじゃんけんで針を指す生徒を選ばせ、24人が針を刺したんだそうだ。そして、針を刺し出血する様子を見てショックを受け泣きだす生徒もおり、保護者から学校に抗議があり、教育委員会が「配慮が足りなかった。今後、このようなことがないよう徹底したい」とコメントするという恒例のパターンのようです。

 読み終えて思うのは、今の子は過保護に育ちすぎている、いや、親が過保護に育てているというべきなのかな。血を見たことが無い、痛みを感じたことが無い。自分の痛みがわからないから他人の痛みもわからない。だから簡単に人を死に至らしめる事件が頻発する…とまで言ったら話が飛躍しすぎかなぁ。