事件に遭遇?
薬王院からケーブルカー、リフト乗り場へ向かって参道の山道を歩いていると
もちろんそこは普段はクルマの姿を見ない登山路の一部なのですが
おそらく警察車両なのでしょう、マグネットで屋根に赤色回転灯を貼り付けた
白いハイエースが「ごめんなさい、通してください」とやって来ました
車内には制服姿の乗員はいなかったようですし
助手席でマイクを持っている男性も、警官というよりも地元の人に見えたのです
何だったのだろうといぶかしく思いながら先に進むと
今度は消防庁の赤バイが2台走ってきました
「6号路で有毒ガスが発生しています。6号路には近づかないでください」
6号路ってどこだぁ?
それに、有毒ガスが発生したって言うけど、ここは火山じゃないぞ
周りの参拝客やハイカーたちの様子を見ても特に慌てた風がないので
いま歩いている道とは関係ないのだろうなと山上駅に向かい
売店周辺でくつろいだり、眼下の景色を見ている人たちに混じって
警察車両や赤バイのことも忘れてしまいました
そのあとリフトで下山してゆく途中、麓からサイレンの音が聞こえてきたというのは
前の記事で書いた通りなのですが
駅前広場には、いつか防災訓練で見たような化学車両が何台も停まっていました
駅前広場に入りきれなかったのか
国道にも1台、近くの民間駐車場にも救護車が1台
いったいなにがあったの?
少なくとも、この駅前広場に緊迫感は漂っていません
隊員たちもここに来たものの
このあと何なのをしたらいいのかよく判っていないように見えますし
行楽客はガヤガヤ歩いています
駅前広場には、商店会のイベント用なのでしょうか、特設ステージが設けられていて
この緊迫感の無さは、まるでイベントのアトラクションとして
消防車の展示を行っているかのようでした
警察の車両はドアに警視庁と書かれたジープタイプのRV車が1台
消防も警察も、そして商店会長も駅長も、だれもスピーカーで広報しないので
まぁ少なくともこの場所で事件が起きている風がないのですが
ちょっと気になります
すると、周りを歩いている行楽客の口から断片的に情報が伝わってきました
「誰かがガスを撒いたらしいよ」「オウムかね? あはは」
娘は「谷底に落ちた」「自殺」という言葉を聞いたと言います
こういう断片的な情報に自分の想像が加わって
あることないことが広まってゆくのでしょうね
結局、何が起こったのかわからないままその場を離れ、義母の家に行ったのですが
夜になってニュースでようやく何があったのか知りました
高尾山中に高校生ら2遺体=硫化水素で自殺か-東京 5日午前11時半ごろ、東京都八王子市の高尾山(599メートル)で、高校1年の男子生徒(16)がテントの中で死亡しているのを警視庁高尾署員が発見した。近くにトイレ用洗剤があり、同署は少年が硫化水素を発生させ、自殺したとみている。
調べによると、テントはハイキングコース付近の沢に張られており、生徒は白いビニール袋をかぶった状態で見つかった。両親が自殺をほのめかすメールを送られたため、110番していた。
同6時ごろには、別のハイキングコースの近くで、男性(29)が死亡しているのを同署員が発見。解剖の結果、体内から硫化水素のようなものが検出され、同署は自殺とみている。
4月5日18時1分配信 時事通信
東京消防庁のサイトで知ったのですが
このベース車両も判らないほど改造された特殊災害対策車は
放射性物質、化学剤、生物剤のNBC災害等の特殊災害に対応し
7万種類のガス状物質を分析・特定できる質量分析装置や各種測定機器
陽圧・毒劇物、放射線などの各種防護服及び各種活動用資器材
などを積載しているのだそうです
まさに化学兵器テロに対するような出動だったのですね
とんだお騒がせです