1000円タバコの時代は来るか?

原則的にはタバコはもう少し高くてもいいと思っているのですが
下のニュース記事の考え方には賛成できません

これってつまり
  税金を上げれば、喫煙者が減っても税収は変わらない
  いや、そこまで極端に減りっこないから増える
という論理ですよね。これは理解できます
...「そこまで減らない」とたかをくくっている傲慢さが気に入りませんが

ところが、試算を見ると
単純に税額だけを増やして1,000円という価格を打ち出しています

ということは、タバコ本体に関わるコストや利益は現状維持ってことですよね

喫煙者が8割減っても税収は維持できるなんて言ってますが
利益が8割も減ったらタバコメーカーはやってゆけませんし
需要が減るのですから農家だって別の作物に切り替えなければならないでしょう

タバコを1,000円にするのは賛成してもいいけど
生産者の取り分も増やしてあげなければ
急激なタバコ離れに対処できませんよ

国内製品の保護のため、輸入品に無茶苦茶に高率の関税を掛けるってのはありますが
これはいったい何を保護しようとしているのでしょうかね


でもって、タバコ税を年金財源の目的税にしようなんて意見もあるようですが
これも「なんだかなぁ」という気分です

国民みんなに関わる年金制度が、一部の喫煙者に支えられているって
なんだか歪んでいるような気がするんですよ

年金は「世代と世代の支え合い」です
って、今まで言っていたのはどうなるんでしょ

かつてはタバコ税って、地方に還付されたから
「タバコは地元で買いましょう」なんて垂れ幕が役場にかかっていたけど
今はタバコ税のかなりの部分が旧国鉄の債務返済に使われているんでしたよね
言ってみればJR各社の借金の肩代わりをしているようなものですが
JRが喫煙者に感謝の意を表しているようには見えません

タバコ税が年金財源になって、国民の老後を支える崇高な使命を持っても
喫煙者はやっぱりうとまれるんだろうなぁ
 
 

たばこ千円、最大6兆円増収=8割禁煙でも2.2兆円-厚労省研究班が試算

 たばこを1箱1000円に値上げした場合、最大5兆9000億円の税増収が見込めるとの試算を、厚生労働省研究班(主任研究者・高橋裕子奈良女子大教授)が25日までにまとめた。最大の増収幅は、日本学術会議の試算(約4兆円)を上回った。
 現行のたばこ関連税は、1箱(20本入り、平均約300円)当たり約175円で、総額約2兆2000億円。研究班は、価格が1000円になるよう税額を上げた場合、喫煙者がどの程度減少するかを、たばこの価格変動が喫煙行動に与える影響をまとめた過去の文献などを基に試算した。
 それによると、1箱1000円への値上げに伴い、1箱当たりの税額は175円から875円と5倍に増加。これに伴い、たばこ関連税も、今の喫煙者数のままなら11兆円と5倍になる。
 ただ、値上げに伴い、喫煙者は51.3%~25.9%減る。たばこ関連税は5兆3570億~8兆1510億円となり、3兆1000億~5兆9000億円程度の増収となる。
 また、喫煙者が80%減っても、2兆2000億円はまかなえると指摘。高橋教授は「値上げが実現しても、8割の人が禁煙するのは欧米の状況を見ても想定しにくく、税収減はあり得ない」と話す。