実正山 定林寺

 


札所巡り2-6

市街地の中心部に近い場所にいるはずなのですが
商店街を貫く国道ではなく、並行に通っている市道を歩いていたので
ありふれた、ちょっと古めの住宅地の家並みです
お寺を示すのぼり旗の列を見つけて細い道に入ると
突き当たりにあったのが常林寺です
  実際はお寺の脇を迂回して道は裏に抜けていましたが
住宅地に中にあって、それほど広くはない...狭いと言い切ってもいいのですが
そんな感じを受けません

お参りをし、納経所で朱印をいただいてベンチで休んでいる間にも
次々と人がやってきます...と書くと賑わっているようですが
若いカップルや、中年のご夫婦、デイパックを背負った親子連れなどが
散歩のついでに立ち寄ったという風情でポツリポツリと、しかし途切れなく
常に誰かが境内にいるのに、静かな時間と空間がそこにあったのです

たまたまそういう時間帯に居合わせただけかもしれませんけどね



ちょっと小さめのお堂の回廊を歩いていたら
ちょうどご本尊の裏側の壁から緑色の紐が垂れていました
観音様の厨子に結ばれているのだそうです
...強く引っ張ったらひっくり返るのかな?
 なんて罰当たりなことを考えてはいけません (^^ゞ



お寺のちょっと手前に染物工場があり
無人の売店が作られていて、ここで染められた小物が並べられていました
夏だったら般若心経がプリントされたTシャツを買ってしまったろうな(笑)

若いカップルも中年のご夫婦も
散歩を再開するかのように肩を並べてそれぞれの方角へ歩いて行き
家並みの影に消えてしまいました

ワタクシたちも秩父市街の中心通りに向かって歩き、国道299号線に出たら
「この商店が並ぶ屋根の向こうに、ぽっかりとした空間があった」ことを忘れてしまいそうでした

「さて、蕎麦でも食うか」
 

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