木を乾かすということ

 


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目からウロコ、でありました
いやぁ、本を読んでいると「へぇ、そうだったのか」と思うことがよくあるのですが
これはちょっとびっくりした

なぁんて書いて内容を白状すると、ワタクシの無知蒙昧ぶりが明らかになって
お前はそんなことも知らなかったのかと周りが呆れてしまうだろうと思うのですが
きっと中にはワタクシ同様知らなかった人もいるだろうという淡い期待を抱いて
その人にも「へぇ~!」っと言ってもらおうという嫌味な気持ちも交えて書きますと...

つまりは「木材の乾燥」についてなのです

ほら、森で木を切った後、材木として使う前に乾燥させるじゃないですか
それも一年とか二年とか長い時間をかけてから家を建てたり家具を作ったりするでしょ
あれがちょっと不思議というか、よく判らなかったんですよ
だって、野ざらしにしている間に雨に打たれたり夜露に濡れたりするでしょ
ちっとも乾かないんじゃないか、ってね

でも、そうじゃないんだそうです
切った木を乾かすというのは、生きている間に根っこから吸い上げて
細胞の隅々まで行き渡っている水気を飛ばすことであって
雨に濡れてどうこうという水気とは別物なんだそうですよ
極端な話、木場の貯木場みたいに運河にプカプカ浮かんでいる丸太がありますが
あれだって乾燥させているんだそうですよ...水の中で木材を乾燥させている!


そういえば、数年前に
「弦楽器は弾けば弾くほど水気が飛んで乾燥する」という話を読んだことがあります
音が出るときの振動が木の奥にある水分を搾り出すというか浮かび上がらせるという話で
何十年もかかって名品と呼ばれる楽器に熟成してゆくということでしたが
ああそうか、この話に結びつくんだなと腑に落ちたのでした

しかしまぁ考えてみれば
板壁やら杮(こけら)葺きの屋根なんかはしょっちゅう雨に濡れているわけです
それでもちゃんと建材として機能しているのですから
「水に濡れる」ということと「木が水気を含む」ということは別物なんでしょうね
ここまで考えてようやく納得できた思いです