みかんの花咲く丘はどこ?

 


テレビ東京の「アド街ック天国」、市役所の「わが街ック天国」
いずれの話題にものぼらなかったのですが、深谷には省吾さんの歌碑があります

と言っても坂庭省悟さんではなく、加藤省吾さん。「みかんの花咲く丘」の作詞者です

JR深谷駅から1kmほど歩いた城址公園の東側に富士浅間神社があるのですが
その境内に入ってすぐのところに歌碑と、加藤省吾顕彰碑があります


加藤省吾さんは、昭和20年、終戦も近くなった頃にこの地に疎開したそうですから
その足跡を記念して顕彰碑が建てられたのは理解の範疇ですし
歌碑で代表作である「みかんの花咲く丘」を取り上げたのも納得できる話です

だがしかしBut、神社の入り口には
「童謡『みかんの花咲く丘』誕生の地」と書かれた標識が立っているし
駅から来る途中の国道にあるロイヤルホストの近くには
同じことを書いた案内看板があるのです


ちょっと待ってください
あの歌は昭和21年8月24日
雑誌「ミュージックライフ」編集員だった加藤氏が
取材で少女歌手の川田正子を訪ねたところ
当時川田家に住み込んでいた作曲家の海沼實氏から
明日の放送までに一曲作らなくてはならないのだがまだ出来ていない
詞を書いてくれないかと相談を受け
「12時半から13時くらいの間」に作った詞にGHQの検閲を受け
東京から中継現場の伊東に行く列車の中で作曲したというエピソードがある歌なのです
...深谷に疎開していた時点ではこの歌はまだ影も形もなかったと思うのですが

先生は、昭和二十年五月、御両親の住んでおられた、当時の深谷町本住町に疎開されましたが、「みかんの花咲く丘」は、この後間もなく作詞されました。つまり、この名作は,深谷の地で、先生が故郷静岡に思いをはせながら、誕生したのでございます。(顕彰碑碑文より)

要するに疎開しているときに故郷を思う心が蓄積され
それが作詞の際に噴き出したというわけですね...なるほど(苦笑)


ところで、ワタクシ自身も久しぶりにこの碑を見に行ってきたわけなのですが
以前は確かメロディが流れる仕掛けがあったはずなんですよ
今も碑の手前両脇には赤外線センサーみたいなのが立っていたり
碑の背後の頭上にはスピーカーがあったりして
近づくと何か音が出てもいいんじゃないかという雰囲気があったのですが
何事も起きませんでした




ま、人が来るたびにいちいち「み~かん~のぉは~なが~」なんてやられたんじゃ
近所に住む人が迷惑してかなわないから、停止されたのかもしれません
音が出れば「アド街ック天国」でも取り上げられたかもしれなかったのになぁ

参考サイト:発祥の地コレクション