オタクの逝き方

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面白い本というのは、向こうから呼びかけてくるものです

図書館の書架の間を歩いていたら、目に飛び込んできました
いや、おそらくタイトルだけでは無視したかもしれませんが
「オレのコレクション死んだらどうなる?」
というサブタイトルがストレートに伝わってきたのでしょう

自宅にはCDが棚に並べきれずに積み重ねた状態になっています
ワタクシがこの世におさらばしたら、これはどうなるのか?
遺された家族がブックオフみたいなところに持ってゆくと
おそらく二束三文でしょう。サイン入りなんて落書きと一緒でゴミ扱いです
でもね、そのアーティストのファンにとっては価値のあるもので
実際にネットオークションでは発売時の数倍の価格で取引されるものもあるわけですよ

どうせなら同好の人の手に渡ったほうがいいし
家族に少しでもお金を残せたほうがいいなと思うわけですね
それには生前からどういう準備をしていたらいいのか
相続についての知識や遺言状の書き方など
そういうことが結構まじめに書かれているのですね


 

ヘソクリ用、という訳ではありませんが
家計用の銀行口座とは別にいくつか口座を持っています
...ネット銀行だから通帳がありません
これを書き込んでいるブログをはじめ、ネット上のいろんなサービスに登録しています
いや、そもそもネットに繋ぐためのプロバイダ契約というものもあります
ワタクシが向こうに行った後、遺族はこれらをいちいち解約しなければなのですが
そもそもそのような契約の存在すら知らないでしょう
判ったところで連絡先やID、パスワードは?

解約が遅れて月例会費の未払いが数か月分溜まるくらいならまだ可愛いです
ワタクシはやっていませんが、株や商品先物で信用取引をやっていて
モタモタしているうちにマイナスが膨らんでしまったら
遺族に借金を押し付けることになってしまいます

そんなことまでも考えたら
この本はオタクだけではなく、すべての現代人に当てはまるのではないでしょうか
まぁ、いっそ居直って

「あとは野となれ、山となれ!」

そう言い切れればいいんでしょうけど


メディア・パル
発売日:2010-10-13