ウイスキーとダンディズム
という本の題名を見て
ワタクシの頭に浮かんだ人物は、作家の山口瞳さんでした
「ダンディズム」だけだったら伊丹十三さんなんだけど
一緒に「ウイスキー」という言葉が並ぶと
おそらく伊丹さんが「男の美学の師」と仰いだであろう
山口さんを思い浮かべてしまうのです
そもそも『ダンディ』って何だろう?
Wikipediaによれば
「身体的な見た目や洗練された弁舌、余暇の高雅な趣味に重きを置く男性のこと」
なんだそうだけど、ワタクシ流の定義では
キチンとした礼儀作法、正しい所作をわきまえたうえで
自分流のこだわりや粋を貫く生き方。ってなことになるでしょうか
たとえば伊丹十三さんは「強風下でもマッチでタバコに火を付けられる」人です
これ、映画の一シーンでやられたら相当にカッコいいと思うけど
手の丸め方、マッチの擦り方、顔の近づけ方...
すべてに正しい所作が求められます。上っ面だけの気障では無理なんです
ダンディというと、なんとなくハードボイルド系の人物を思いがちですが
地味に礼儀作法を身に着けた人物こそ本当の意味でのダンディであり
そこを微妙に外した人が、真に粋な人物ではないかと思ってしまうのです
そういう意味で、毎年成人の日と4月1日の朝刊に
新成人と新社会人に向けて大人の心構えを説く
サントリーの広告に文章を書いていた山口瞳さんが
『ウイスキーとダンディズム』という言葉から連想されるのであります
まぁ、山口さん自身がサントリー出身という予備知識もあってですけど(笑)
今はあの広告、伊集院静さんが書いてるんでしたっけ?
ワタクシ、お笑いタレントかと思ってました (^^ゞ
山口瞳さんといえば、小説では『江分利満氏』、エッセイでは『男性自身』
というのが有名ですが、実はワタクシどちらも未読です (^^ゞ
『居酒屋兆治』を映画で見たのと『礼儀作法入門』などを読んだくらい...
山口さんの本を読んで、すべての所作を正しくは直せませんが
日本酒を呑むときはいつも心がけて呑む形があります
盃(猪口)の直径を親指と人差し指ではさんで持ち
相手に手の甲を見せるようにして放り込むように呑む
口元を相手から隠す形になるのですが、こういうのが美しいのですね
ウイスキーもショットグラスでこれやるとカッコいいけど、むせないようにね(笑)
ところで、表題の本ですが、サブタイトルは
『祖父・竹鶴政孝の美意識と暮らし方』となっています
つまり、サントリーの山口さんではなく、ニッカのマッサンの話なのですね
にもかかわらず本の内容にちっとも触れなかったのは
図書館で借りてきたのはいいけれど、他にもいろいろ気軽に借りてしまい
まだ読んでいないのであります (^^ゞ
貸出期間の延長手続きしなくっちゃ、かなぁ
次に予約している人がいなければいいけど
註:
この文章、上までは4月の終わりに書いていたんですよね
あのころの投稿を見ると、毎日20時ピッタリになっているんだけど
書き貯めしておいて「日時指定投稿」を予約してたんです
で、この記事は写真が無くって予約してなかったんですね
GW後はいろいろあって、自宅でPCに向かう時間もあまりなく
投稿が延び延びになってしまいました
...というわけで貸出延長もしたけど、一応読み終わっております
ま、正直言って竹鶴政孝の人物像は判ったけど
ワタクシが期待したようなダンディぶりではなかったですね
自宅では和服でくつろいだなんて、波平さんだってそうでしょ
ワタクシの父も昭和30年代は和服だった
それよりむしろ印象に残ったのは奥さんのリタさんですね
「手に持った荷物を持ち替えることが無かった」
たとえばピクニックに行こうとして重いバスケットを右手に持つと
最後まで持ち替えることなく右手で持ち続けたそうですが
これってどういう美意識なんでしょうね
そこに気づいたお孫さんも凄いなぁ